日本酒のフレッシュ感を味わう新酒を楽しもう
フレッシュな香りと味わいの新酒、熟成された濃厚な香りと味の熟成酒。同じ日本酒でも、こんなに多彩な味わいなのかと感動しますよね。欲張りな日本酒好きは、つまみやシーンにあわせてどちらもたのしんでいることでしょう。
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新酒を飲もう!
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日本酒の「新酒」には、いくつかの意味がありますが、「新酒」という言葉には、みずみずしく新鮮な響きがありますね。
新酒は、7月1日~翌年の6月30日内に造られ出荷された酒のことをいいます。10月~3月の寒い時期に造られた日本酒が、ひと夏を越して秋に出荷される場合は新酒とは呼びません。
しかし、日本酒の「新酒」という言葉には、上記以外の意味も使われているようです。たとえば、醸造したままでまだ火入れをしていない酒やその年に収穫された米で醸造し、春に出荷する酒のことも「新酒」と呼ぶ場合があります。
新酒の味わいの特徴は、フレッシュ感のあること。搾って瓶詰めされてからまだ間もない酒なので、若々しい感じがあります。しかし、時として味が落ち着かず、雑味を感じる場合もあります。時間がたつとまろやかな味わいに変化してくるので、若々しさとまろやかな味わいの変化をたのしめるのも、新酒ならではでしょう。
日本酒を熟成するとどうなる?
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フレッシュな新酒に対して、長期間熟成された日本酒を熟成酒または、古酒(長期熟成酒)と呼びます。
古酒は、絞りたての新酒と比べ、ブランデーのような香りや色、その複雑な味わいが魅力です。古酒にははっきりとした定義はありません。通常は、酒造年度(7月から翌年6月末)を基準に、その年度に造り、次の年度が始まる前までに出荷された酒を「新酒」、次の年度中に出荷されたものを「古酒」、さらに1年以上経過したものを「大古酒」と呼んでいます。
古酒の製造メーカーによる「長期熟成酒研究会」では、「満3年以上蔵元で熟成させた、増醸酒を除く清酒」を「長期熟成酒」と定義しています。古酒を手に入れたら、酒造年度をチェックして、どのくらいの年月を経ているものなのか確認してみるといいでしょう。
また、古酒は熟成年月も重要ですが、熟成温度によっても味わいが変わってきます。たとえば、本醸造酒や純米酒を常温熟成した場合、熟成を重ねるにつれ、色や香り、味が変化し個性豊かな1本になります。吟醸酒や大吟醸酒を低温熟成した古酒は、元の吟醸酒のよさを残しながら、ほどよい苦味と香りのあるものになります。
年月によってかわる日本酒の味わいをぜひ、飲み比べてみてください。