本醸造の日本酒とは?本醸造酒の魅力と注目の銘柄4選
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そもそも本醸造酒と純米酒はなにが違うの?
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日本酒の原料は米と麹です。これだけで醸した日本酒を「純米酒」、それに醸造アルコールを添加したものを「本醸造酒」といいます。意外と知られていませんが、日本酒の多くは製造過程で醸造アルコールを添加して仕上げているものがほとんどです。
醸造アルコールを添加する目的は味わいの調整や品質の劣化防止のためで、原料はサトウキビやトウモロコシ、米などを発酵させて蒸留精製した強いアルコールです。これらを加えることにより、スッキリとキレのある味わいに仕上がります。
特別本醸造酒、本醸造酒、普通酒、それぞれの魅力
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本醸造酒、特別本醸造酒は、酒税法上では特定名称酒と呼ばれ、一定基準を満たした精米歩合、麹歩合、製法等の条件を満たした酒のみ使用できる名称です。
本醸造酒は純米酒に比べ、淡麗でまろやかなものが多いのが特徴です。さらに特別本醸造酒となると、米をさらに磨いているため、スッキリと雑味のない味わいになります。全般的に味のバランスがよく初心者にも飲みやすいのが魅力といえるでしょう。ちなみに、本醸造酒・特別本醸造酒に添加できる醸造アルコールは、原料となる白米の総重量の10%以下に定められています。
なお、精米歩合70%~60%のものを本醸造酒、精米歩合60%以下のもので、とくに香りや色沢のよいものを特別本醸造酒といいます。
ちなみに、上記の特定名称酒の基準に入らない日本酒を「普通酒」といいます。特定名称酒に比べて安く手に入るのが最大の魅力。経費をおさえつつ、それでいておいしい日本酒を提供しようという企業努力の賜物ともいえます。高額な特定名称酒にこだわらず、手頃な自分好みの味わいを見つけるのも日本酒の醍醐味です。
これぞ辛口日本酒!本醸造ならではの注目銘柄
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昨今の純米酒ブームに押されつつも、本醸造酒ならではの味わいに根強いファンがいるのも事実。ここではいくつかおすすめの銘柄を紹介します。
◆剣菱/黒松剣菱(兵庫)
「灘の男酒」を代表する剣菱は、口に含んだ瞬間アルコール感のあるピリリとした刺激を感じる骨太な辛口の酒。伝統的な生酛(きもと)系山廃仕込みで、ひと夏の間ゆっくり熟成させた秋あがりの酒は、二口三口と飲み続けるとふくよかさや旨味が増します。
◆八海山/特別本醸造(新潟)
やわらかな口当たりと淡麗な味わいは、冷やでよし燗でよしの八海山を代表する酒です。燗をつけたときほのかに麹が香るのも特徴。とてもバランスの取れた日本酒です。
◆正雪/特別本醸造(静岡)
静岡は豊富な魚介類に合う淡麗辛口系が充実。正雪はフルーテイーな香りとスッキリとしたキレの良さが特徴です。名前の由来は地元出身の江戸時代の軍学者、由比正雪から。
◆〆張鶴/雪(新潟)
地元村上産の五百万石を中心に、自家精米で55%まで磨き上げ、きめ細かな甘みがある三面川の伏流水で仕込んだ特別本醸造酒。柔らかな香りとスッキリした飲み口、ふくよかな淡麗旨口の酒です。
◆麒麟山/伝統辛口 (新潟)
伝統的な辛口をつらぬきつつも、爽快でスッキリとした味わいが特徴。地元産の酒米をふんだんに使用し、最新の設備と蔵人が一体となって酒を醸しています。地元で愛される燗映えする辛口です。
スッキリとした味わいは食中酒としてもぴったり。料理とともにそのおいしさを確かめたいですね。