日本酒が吟醸酒と呼ばれる条件は?吟醸酒の魅力と、最近注目の銘柄
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吟醸酒と呼ばれるための基準とは?
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吟醸酒と明示するためには、法律上2つの条件があります。ひとつは精米歩合が60%以下であること、精米歩合が60%以下というのは、お米の表面を40%以上削るということです。お米の表面には雑味になりやすいタンパク質や脂肪が含まれているので、表面を削れば削るほど雑味のないきれいなお酒になるというわけです。とても贅沢な造り方なので、当然値段も高くなります。もうひとつの条件は「吟醸造り」で造られていることです。詳しくみてみましょう。
吟醸香が生まれる吟醸造りとはどんな製法なの?
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「吟醸造り」とは、60%以下に磨いた米を、低い温度で時間をかけて発酵させる酒造りの方法です。国税庁の定義では「吟醸造りには特有な芳香(吟香)を有するように醸造すること」と記されています。ただ、どのくらい低温でどのくらいの時間発酵させるのか、香りの決め手となる酵母の選定などについては、具体的なルールはありません。各々の蔵元基準で「吟味して醸されている」のが吟醸造りなのです。
「SAKE COMPETITION 2017」でゴールドに輝いた注目銘柄
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出品酒世界最多、唯一日本酒だけを審査するSAKE COMPETITION。2017年度は全国、海外から1730点が出品され、純米から吟醸、ラベルまでの7部門で審査されました。中でも注目のゴールドに選ばれた吟醸酒を紹介します。
◆1位「来福 大吟醸 雫」来福酒造株式会社 (茨城)
兵庫県産の山田錦を使い、花から分離させた花酵母をブレンドして使用。一滴一滴自然にゆっくり垂れてきた原酒を瓶詰めした贅沢な雫酒。リンゴにも似た華やかかつ爽やかな吟醸香を持ち、上品でクリアなバランスのよい酒に仕上がっています。
◆2位「紀土-KID- 大吟醸」平和酒造株式会社 (和歌山)
兵庫県産特A地区の山田錦を35%まで精米して仕込み、長期低温発酵を経て醸された酒。フルーツ香に満ち、山田錦の深みを十分に感じさせながら、スッキリと上品な味わいは食中酒にぴったりです。
◆3位「三井の寿 大吟醸 寒の蔵」株式会社みいの寿 (福岡)
蔵人自らが田植えした地元産の山田錦を高度に精白し、じっくり低温発酵させた酒。甘味や旨味もありつつ、やや辛口ですっきりした淡麗な仕上がりは、ワイングラスに注いで飲むのもおすすめです。
手間暇のかかった高級酒が選ばれた吟醸酒部門。受賞酒はすでに売り切れている場合や入手が難しい場合がありますが、見かけたらいち早く手に入れたいですね。