古都金沢の豊かな食文化とともに磨き抜かれた石川の酒

古都金沢の豊かな食文化とともに磨き抜かれた石川の酒

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太閤秀吉にもふるまわれた幻の酒「加賀の菊酒」

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石川(当時は加賀)は水のよさに定評があり、古くから酒造りが盛んでした。室町時代後期に「加賀の菊酒」という幻の名酒が造られ、京に運ばれたことが文献に残っています。白山の雪解け水で醸されたこの酒は、天下の美酒と評判を呼び、太閤秀吉の醍醐の花見の際にもふるまわれたといわれています。

江戸時代に入り、金沢が加賀百万石の城下町として発展するにつれ、金沢の料理の質もあがり、それにともなって酒の質も上がっていきました。江戸時代の後期になると、夏は漁に出て、冬は酒造りに従事する能登杜氏が誕生しました。

三大杜氏に続く「能登杜氏」が今も酒造りを担う

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能登杜氏は伝統となった能登流酒造りに最新の技術を加えながら、全国の品評会でその優秀さを何度も立証し、その名声を高めていきました。

濃厚で華やかな酒造りを得意とし、とくに大吟醸酒造りに多くの名手を輩出し、吟醸酒造りは「能登流が一番」といわれるようにまでなりました。

現代の能登杜氏は70名ほどといわれていますが、なかでも秀でた技術を持つ、「能登四天王」と呼ばれている4人の杜氏がいます。「満寿泉」(桝田酒造店/富山)の三盃幸一氏、「開運」(土井酒造場/静岡)の故・波瀬正吉氏、「天狗舞」(車多酒造/石川)の中三郎氏、そして「菊姫」(菊姫/石川)や「常きげん」(鹿野酒造/石川)、「農口」(農口酒造/石川)を経て現在「農口尚彦研究所」(石川)の農口尚彦氏です。中三郎氏・農口氏は、その卓越した酒造りの技能が認められ、厚生労働省に「現代の名工」として表彰されました。

石川を代表する日本酒

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華やかで濃い味わいの石川の日本酒をいくつか紹介します。

◆天狗舞/山廃仕込 純米酒
自然界の乳酸菌を取り込んで低温でじっくり発酵させるのが山廃仕込み。手間暇を惜しまず丁寧に作られた純米酒は、濃厚かつ爽快感のある味わいです。車多酒造は、全国新酒鑑評会で昭和52年から連続11回受賞し、全国にその名を知られるようになりました。

◆菊姫/大吟醸
1990年にJALがファーストクラスに初めて日本酒を導入した際に選ばれたのがこの酒。出荷前に3年以上寝かせて熟成し、活性炭濾過を最小限にしたことで、酒本来の色と香り、米の味が感じられるようになりました。高品質の山田錦を贅沢に使い、高い技術を持った杜氏と蔵人のチームワークによって作られています。

◆萬歳楽 白山/大吟醸 古酒
低温で3年間貯蔵された大吟醸古酒。高品質の山田錦を使い、じっくり寝かした味わいは格別で、豪奢な香りと味が口いっぱいに広がります。この蔵元のある石川県鶴来で作られる酒のことを、古くは「加賀の菊酒」と呼んだそうです。

◆福光屋/黒帯 悠々 特別純米
吟醸仕込みと純米仕込みとでキレの良い芳醇な旨味を持つ辛口に仕上げ、さらに蔵内でじっくりと熟成させた、ゆったりと落ち着きのある「悠々(ゆうゆう)」とした味わい、風格漂う料亭御用達のお酒です。

蔵元の酒造りを思いながら、ゆっくり杯を重ねたいですね。

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