ウイスキーのアルコール度数と味わいに影響を与える蒸留について学ぶ

ウイスキーのアルコール度数と味わいに影響を与える蒸留について学ぶ
出典 : Tatiana Popova

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アルコール濃度をいっきに濃縮するのが「蒸留」の役割

アルコール濃度をいっきに濃縮するのが「蒸留」の役割

Tatiana Popova/ Shutterstock.com

ウイスキーの蒸留とは、ひとことでいうと、アルコールを高めるための作業です。発酵を終えてできたウォッシュ(もろみ)は、アルコール濃度が7%程度しかありませんが、蒸留を行うことにより、65~70%にまでいっきに濃縮されるのです。

これは水の沸点が100度、対してアルコールの沸点が約80度という沸点の違いを利用した仕組みで、まずアルコールを先に気化させ、これを冷却、液体化します。この工程により、アルコールや香気成分といった揮発成分だけを抽出することができるのです。

ウイスキー造りで使われる蒸留器には、ポットスチルと呼ばれる「単式蒸留器」と、塔状の「連続式蒸留機」があります。どちらを使うかによって、ウイスキーの味わいにも変化が生まれるのがおもしろいところ。次からさっそく、それぞれの特徴を見ていきましょう。

単式蒸留とはどんなこと?

単式蒸溜では、銅製の蒸留器のポットスチルを使用します。このポットスチルは手作りで、蒸留所によって形や大きさもいろいろ。この形や大きさで、ウイスキーの味が決まるといわれているのです。連続式蒸留器とくらべて手間と時間はかかりますが、よりウイスキーの個性が出しやすい、職人的な蒸留方式といえるでしょう。

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単式蒸溜では、銅製の蒸留器のポットスチルを使用します。このポットスチルは手作りで、蒸留所によって形や大きさもいろいろ。この形や大きさで、ウイスキーの味が決まるといわれているのです。連続式蒸留器とくらべて手間と時間はかかりますが、よりウイスキーの個性が出しやすい、職人的な蒸留方式といえるでしょう。

単式蒸溜器での蒸留は、通常2回行われます。第1回目の蒸留を初溜、2回目を再留といい、1回ごとにウォッシュを入れ替えるのが、単式蒸溜器の特徴です。この蒸留方式は蒸留のなかでは最も単純な方法で、主に日本、スコットランドのモルトウイスキーや、アイルランドのシングルポットスチルウイスキーに使用されています。

連続蒸留機の仕組み

一方、連続蒸溜器(パテント・スチル)を使った蒸溜方法は、ウォッシュを連続投入できる蒸留器で、日本やスコットランドのグレーン・ウイスキーにこの方式が使われています。

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一方、連続蒸溜器(パテント・スチル)を使った蒸溜方法は、ウォッシュを連続投入できる蒸留器で、日本やスコットランドのグレーン・ウイスキーにこの方式が使われています。
その名の通り蒸留器の中で、繰り返し蒸留が行われていることから、連続式蒸留と呼ばれています。

連続蒸溜器を使った蒸留は、アルコール度数を95%近くまで上げることができることと、短期間に大量の蒸留ができることが特徴。短時間で一気にアルコール度数を上げることができるため、原料の風味が残りにくく、クリアな味わいのウイスキーができあがります。

アルコール度数の高いウイスキーは初心者にはなかなかハードルが高いかもしれませんが、まずはロックや水割りでゆっくり味わってみるのはいかがでしょうか?

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