日本酒ブームの一端を担う福島の酒
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「全国新酒鑑評会」で9回連続金賞受賞数日本一
毎年開催される「全国新酒鑑評会」で、福島の日本酒は9回連続で金賞受賞数日本一になっています。平成30酒造年度(2019年5月に金賞発表)においては、県内の22点が金賞に選ばれるという快挙でした。
今や日本酒ブームを支える存在となっている福島ですが、20年ほど前までは、そこまで評価は高くなかったのです。
若手の酒蔵の活躍など、今の日本酒ブームの担い手
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福島の酒質が格段に向上した背景には、味にこだわり、先人の技をさらに高めようと励む若い杜氏たちの存在があります。彼らは県酒造組合が運営する県清酒アカデミー職業能力開発校や、県が運営するハイテクプラザ(醸造試験場)で酒造りの知識や技術を高めてきました。ハイテクプラザは「うつくしま夢酵母」など県独自の酵母を開発する研究機関でありながら、蔵元に技術指導をする学びと交流の場となっており、酒蔵の跡取りがここで勉強をしてから蔵元に戻り、酒造りをはじめるといったケースも多くみられます。
蔵元同士が技術を共有して刺激しあい、次世代を巻き込みながら切磋琢磨していることが、今の福島の酒造りを支えているのです。
福島を代表する日本酒
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ここでは福島を代表する日本酒を紹介します。
◆飛露喜/特別純米
味のバランスがよく、旨味や酸味などの広がりが豊か。香りも高く、飲んだ瞬間に五臓六腑にしみ渡るなめらかさが特徴。長年地元で愛されてきた廣木酒造本店の9代目が、「全国区で勝負できる酒を造りたい」と3年かけて完成させた酒。限られた本数しか造られないため、手に入りにくい人気銘柄です。
◆奈良萬/純米酒
喜多方市にある夢心酒造が醸す、淡麗ですっきりとしたキレのよい酒。酒米に「五百万石」、酵母は地元福島産の「うつくしま夢酵母」を使用。よりすぐりの原料をもとに、毎年変わらぬ伝統の味を造り続けています。冷やで飲むと淡麗系の味わいが強く、燗にするとふわりと柔らかな味わいです。
◆大七/純米大吟醸 生もと造り
大七酒造は、創業1752年の歴史ある酒蔵の一つ。日本古来の醸造法である「生もと造り」にこだわり、手間ひまをかけた味わい深い酒を造り続けています。エグみのない飲みやすさ、コクのある旨味とわずかに感じる甘味が特徴です。