日本酒=SAKEが、海外で愛される理由とは?
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和食ブームと共に世界の注目が集まるSAKE
味わいはもちろん、安全性の高さやヘルシーさで、今や和食は世界的に大ブーム。和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたこともあり、和食に合う日本酒(=SAKE)への注目も必然的に高まっています。繊細で複雑な製造工程に支えられた完成度の高さ、醸造酒として世界最高のアルコール度数を誇るSAKEは世界に知られるところとなり、海外への進出も年々増加。
実際、海外の日本食レストランは、2006年に約2万4000店舗だったものが、2013年には約5万5000店舗に増加、2017年の清酒の輸出金額は約187億円(対前年比119.9%)と、8年連続でその最高額を更新し続けています。
国が変われば好まれる日本酒のタイプも変わる!
日本酒は中国をはじめとしたアジア諸国はもちろん、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアなどへ輸出されていますが、面白いのはそれぞれの国で好まれる日本酒のタイプが異なること。
たとえば中国では日本酒は高級なイメージがあり、贈答品にされることが多く、ボトルやパッケージにも日本らしい高級なあしらいがあるものが好まれます。台湾や韓国では、日本式レストランなどで、若者中心に飲まれているため、リーズナブルなものが好まれます。香港では「日本酒は辛口」というイメージがあり、男性を中心に純米吟醸酒や大吟醸など、香りとフレッシュ感のある酒が好まれます。アメリカでは若者や女性が日本酒を飲むことが多いので、甘いフルーティーな味わいが好まれるなど、それぞれ傾向があるようです。
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外国人杜氏や海外で作られる日本酒も登場
日本酒の魅力が世界に広まりつつある中、日本酒造りに携わる外国人の杜氏も誕生しました。イギリス人のフィリップ・ハーパー氏は、名門オックスフォード大学を卒業しながら、外国人として初めて京都の木下酒造の杜氏となり、2016年にドキュメンタリー映画で紹介されるなど、話題になりました。
また、日本酒の人気に伴い、海外で醸造される日本酒も増えています。ヨーロッパやアメリカ各地で自分達の好みにあう日本酒を追及し、多彩な銘柄が生まれてきています。現地の食事に合うものが多いので、機会があれば試してみるのもよいでしょう。
こういった海外産の日本酒の増加に伴い、国税庁は2015年に「原料の米に国内産米のみを使い、かつ、日本国内で製造された清酒のみが、日本酒を独占的に名乗ることができる」と地理的表示を指定しています。
近年、ヨーロッパのフレンチ、イタリアンの一流レストランでも日本酒をサーブする店が増えつつあるそう。世界中に、ますます日本酒が愛されて欲しいですね。
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