水代わりにビール!? 多彩なビールのアルコール度数
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発酵前後の糖度によって変わるアルコール度数
日本の酒は、酒税法という法律で定義、分類されています。酒税法で定められているビールの原料は基本的に3つ。「麦芽」「ホップ」「水」です。これに、おもにビールの味を調整するために酒税法で決められた副原料(米、とうもろこしほか)と酵母が加わります。
また、酒税法にはアルコール分の定義もあり、「アルコール分1度以上の飲料」を酒類として定義しています。日本のビールのアルコール度数の定義は「酒類でアルコール分が20度未満」と定められています。
では、ビールのアルコール度数は、製造工程のどの段階で決まるのでしょうか? アルコールは、麦汁の発酵工程で生まれます。発酵とは、麦汁中の糖を酵母が食べることで炭酸ガスとアルコールを作り出す工程のことです。ビールのアルコール度数は、麦汁に含まれる糖の濃度によって決まります。糖の濃度が高いほど酵母によって作られるアルコールの濃度が高まるからです。また、発酵の進み具合も関係しています。
アルコール度数によって変わる味わい
一般的にアルコール度数と糖度が高いと飲みごたえのある味のビールになり、アルコール度数が低いとスッキリした味になるといわれています。糖やアルコールの濃度が高い環境では、酵母が生育や発酵をやめてしまう場合があるので、数ある酵母から適した酵母を選び、発酵の方法を調整する必要があります。
ビールのアルコール度数の定義は20度未満とありますが、現在、市販されている大手メーカーのビールの平均はだいたい4.5~5%ほど。海外では、アルコール度数が高いビールも多くみられますが、日本の消費者の傾向としてはアルコール度数が比較的低く、後味のスッキリしたビールに人気が集まるようです。
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時間や場所にあわせてビールを選ぼう
上記でビールの定義についてお話しましたが、世界のビールの中には日本では「ビール」と名のれないものがあります。それは、アルコール度数が1度以下の0.5度前後だったり、逆に67.5度だったりするビールです。これらのビールは残念ながら日本ではビールとはいえません。しかし、アルコール度数の低いビールは、スッキリ飲めるためビールを飲みなれない人には飲みやすいと思います。
日本でも最近は、アルコール度数ではなく原料などの定義が異なるためビールとはいえない、発泡酒や第三のビールが人気を集めています。原材料は違いますが、アルコール度数はビールとほぼ同じです。また、見た目はビールや発泡酒、第三のビールと似ていますが、アルコール分の入っていないノンアルコールビールも人気上昇中です。
麦芽やホップの香りや芳香な味わいをたのしむビール、麦芽だけでは出せない爽やかでフルーティな味わいやカロリーゼロなど健康志向の発泡酒や第三のビール、また、アルコールは苦手だけれど気分を味わいたい人や、アルコールを飲めない時のためのノンアルコール。場所やシーンにあわせて、うまくつきあいたいですね。
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