ビールの歴史は紀元前3000年ごろから!?これまでのビールの歩み

ビールの歴史は紀元前3000年ごろから!?これまでのビールの歩み

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古代から宴会の主役だったビール

宴会や飲み会の乾杯酒や、一杯めに飲むお酒の代表といえばビールです。ビールの誕生には諸説ありますが、紀元前の頃から人々に親しまれていたようです。

ビール醸造の記録として残る最古のものは、紀元前3000年ごろのメソポタミアのシュメール人が残した醸造の記念碑。当時のビールは「シカル(またはシカリ)」と呼ばれ、製法は麦芽の粉で焼いたパンのようなものを水で溶き、野生酵母で自然発酵していました。紀元前2000年には、エジプトでもビールが愛飲されていたことが判明しています。ほかに、アッシリアやバビロニアの遺跡からも、製造や飲用の事実が明らかになっています。


一方、ギリシャやローマではワインが愛飲されていました。ビールの原料である麦類の生育に土地が適さず、その代わりにぶどうがよく育つ気候と風土だったということが要因です。文献によるとローマでは、ビールはあまり上等なお酒とは思われていなかったようです。紀元前1800年頃には古代ゲルマン人が、砕いた麦芽を鍋で煮て麦汁にし、自然発酵したビールを醸造していました。この醸造方法は現代に通じるものです。

古代から宴会の主役だったビール

kai keisuke/shutterstock.com

中世では、修行者の栄養補給

4世紀後半頃から、ビールを愛飲していたゲルマン民族の大移動により、ビールはヨーロッパ全土に広まることになります。中世になると、修道院でビールが醸造されはじめます。当時の知識人であった修道士や僧侶たちの工夫によって、香りや味にこだわったビールが醸造されるようになりました。この頃のビールは修道院を訪れる巡礼者などへの栄養補給として重宝されていたようです。


中世のビールは、香味をつけるいろいろな薬草を組み合わせた「グルート」を使用していて、「グルート」の配合方法は独占販売権(グルート権)を持つ領主によって、秘密にされていました。12世紀頃ビールのためにホップが使われ始め、15世紀頃から主流に。


ビールの品質がよいことが次第にわかってくると、ほかのグルートビールよりも、香味や泡立ちもよく、保存性もよいホップビールが主流となっていきます。ビールが人々に愛飲されるにしたがって、醸造技術にも次々と改良が加えられ、ビールの品質はより向上していきました。

中世では、修行者の栄養補給

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ビールの定義を決めたドイツの「ビール純粋令」

1516年、バイエルン公国の君主ウィルヘルム4世がビールの品質を安定させるために「ビール純粋令」を発令します。

内容は、ビールの原料は「大麦・ホップ・水」の3つの原料以外は使用してはならないことを定めるもので、1556年には「酵母」が追記されました。「ビール純粋令」は世界最古の食品の品質を保証する法律といわれ、ビールの品質向上に貢献しています。ドイツ国内では、現在でも原則的に純粋令が守られています。

「ビール純粋令」によって、保存性が高く品質が保たれていたビールは、大航海時代には腐りやすい水の代わりに船に積み込まれていたそうです。

ビールの定義を決めたドイツの「ビール純粋令」

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