ひな祭りに飲む「白酒」とは? 甘酒との違いは? 子供が飲んでも大丈夫?

ひな祭りに飲む「白酒」とは? 甘酒との違いは? 子供が飲んでも大丈夫?
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ひな祭りの「白酒(しろざけ)」は、みりんや焼酎などに蒸した米やもち米、米麹を入れて造るお酒です。今回は、ひな祭りに飲む白酒の概要、酒税法上の分類、そのほかの白酒、白酒とひな祭りのかかわり、白酒は子供が飲んでも大丈夫かなどについて紹介します。

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はじめに、「白酒」の概要からみていきます。

ひな祭りに飲む「白酒」とは

ひな祭りに飲む白酒

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ひな祭りに飲む「白酒(しろざけ)」とは、みりんや焼酎などに蒸した米やもち米、米麹(こめこうじ)を入れて1カ月程度熟成させたあと、もろみを軽くすりつぶして造るお酒のこと。アルコール度は10度前後で、白濁していて甘味が強く、とろりとした口当たりが特徴です。以下で詳しくみていきましょう。

「白酒」は日本酒ではなくリキュールに分類される

「白酒」は、日本の酒税法では「清酒」(日本酒)ではなく「リキュール」に分類されます。

白酒の材料のうち、米や米麹は日本酒(清酒)と同じですが、白酒の場合、みりんや焼酎などを入れるため、酒税法上の「清酒」の条件からは外れてしまうのです。

なお、材料が手もとにあったとしても、酒造免許を持たない人が、お酒である白酒を家庭などで造ることは法律で禁止されています。10年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる可能性があるので絶対にやめましょう。

白酒の読み方

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ひな祭りの「白酒」の読み方は? ほかにもある“白酒”というお酒

ひな祭りに飲む「白酒」の読み方は「しろざけ」です。

このほか、漢字表記は同じ“白酒”ながら、ひな祭りの「白酒」とは読み方も特徴も異なるお酒があります。以下で確認してみましょう。

◆白酒(しろき)
大嘗祭(だいじょうさい)や新嘗祭(にいなめさい/しんじょうさい)において神前に供される白色のお酒。これにクサギという植物の灰を加えた黒酒(くろき)とともに供える。

◆白酒(パイチュウ/パイチュー)
中国の無色透明な蒸溜酒。

また、「白酒」の女房詞(にょうぼうことば/宮中に仕える女房たちが使いはじめた隠語)で「しろささ」という表現があります。さらに「白酒」をはじめ、にごり酒やどぶろくといった白く濁った酒のことを「はくしゅ」といい、いずれも漢字では“白酒”と表記します。

「白酒」をひな祭りで飲む意味とは?

白酒をひな祭りで飲む意味

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「白酒」をひな祭りで飲む意味のひとつに、祭りが開かれたことの「お祝い」が挙げられます。

ひな祭りは江戸時代から始まった行事

ひな祭りは、毎年3月3日に行われる女児主体の行事で、「桃の節句」「三月節句」などともいわれます。

ひな祭りには、ひな人形を飾り、桃の花やひし餅などのお菓子を供し、「白酒」でお祝いをします。

このひな人形を飾るひな祭りの形は、江戸時代の初めごろに始まったとされていますが、3月3日に女の子のお祝いをするならわしは古くから民間でみられ、そこでも白酒は飲まれていたようです。

一方、平安時代の宮中では、3月3日に中国から伝わった五節句のうちの「上巳(じょうし/じょうみ)」の行事が行われていて、紙の人形に邪気を移して川に流す「流しびな(流し雛)」や、優雅な「曲水の宴(きょくすいのえん)」が繰り広げられていたと伝わります。

流しびなは民間でも行われ、ある地域では、ひなを流すときにも白酒が飲まれていたといいます。

今となっては、意味合いは定かではありませんが、邪気を払う流しびなを行う際に飲まれていたのなら、白酒にも厄除け、ひいては無病息災の願いが込められていたのかもしれません。

なお、流しびなをひな人形のルーツとする説もあります。

ひな祭りの始まり

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「白酒」以前に飲まれていた「桃花酒」とは?

「桃花酒(とうかしゅ)」とは、桃の花を浮かべたお酒のこと。

古来、中国では、桃は魔を払う力を秘めていると信じられてきました。花や実は食べると不老長寿をもたらすともいわれていて、桃の花を浮かべた桃花酒が飲まれるようになりました。

桃花酒は日本でも好まれました。「白酒」は室町時代からあったようですが、江戸時代中期に出版された『日本歳時記』に、ひな祭りのお酒として挙げられているのは桃花酒のほうです。

しかし桃花酒は、しだいに白酒に取って代わられたようで、江戸時代後期の『江戸名所図会(えどめいしょずえ)』では、ひな祭りを前に、評判の白酒を求める客で混雑している酒屋の様子が描かれています。

ひな祭りの「白酒」は子供が飲んでも大丈夫?

ノンアルコール飲料ではない白酒

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ひな祭りの「白酒」はお酒なので、子供が飲むことはできません。以下で詳しくみていきます。

ひな祭りの「白酒」はノンアルコール飲料ではない

ひな祭りに飲む「白酒」は、上述のとおり、米や米麹のほか、みりんや焼酎なども使われているリキュールです。

アルコール度数が10度前後もある、れっきとしたお酒なので、子供はもちろん、社会人であっても20歳未満の人、そして運転前のドライバーは絶対に飲んではいけません。とりわけ子供や20歳未満の人は、法律違反になるばかりか、健康がむしばまれる危険性も高まります。

また、白酒のアルコール度数は、一般的なビールのアルコール度数5度の2倍程度あります。アルコールに弱い体質の人も、飲むのは避けるか、少量にとどめておきましょう。

子供が飲むなら米麹甘酒

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子供が飲むなら米麹甘酒! ひな祭りの「白酒」と甘酒の違いとは?

ひな祭りで子供におすすめなのが米麹甘酒です。

「白酒」と米麹甘酒の大きな違いは、みりんや焼酎が使われている白酒がアルコールをしっかり含むお酒であるのに対し、米と米麹だけで作る米麹甘酒のほうはノンアルコール飲料であること。

名前に「酒」とついているものの、米麹甘酒にはアルコールが一切入っていないため、子供もアルコールが苦手な大人も、運転前のドライバーも安心して飲めます。

ともに白濁していて、見た目はよく似ていますが、白酒と米麹甘酒は、じつはまったく違う飲み物なのです。

ちなみに、甘酒には酒粕で作る酒粕甘酒もあります。酒粕甘酒も、酒類に分類されないアルコール度1パーセント未満の商品が多くを占めますが、なかにはアルコール分が入っているものもあります。

子供を含む20歳未満の人やドライバー、アルコールに弱い体質の人は、米麹甘酒を選ぶようにすると、間違ってアルコール分が入っている商品を飲んでしまうのを避けることができます。

大人で、アルコールが体質的にもOKという人は、ひな祭りの機会にぜひ、適量を守りつつ「白酒」を試してみてくださいね。江戸時代からの伝統的な製法にこだわって造られるものなども市販されています。

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