飲みすぎた夜の対処方法は? 二日酔いを避けたいときに試してみよう

飲みすぎた夜の対処方法は? 二日酔いを避けたいときに試してみよう
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飲みすぎた夜の対処法には、水分摂取などが挙げられます。今回は、飲みすぎた直後に試したい対処法、漢方などで推奨されている食材、二日酔いのメカニズム、飲む前に心がけたい二日酔い予防策や二日酔いになってしまったときに試したいことなどを紹介します。

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「しまった、飲みすぎた…」と思ったときに試したい対処方法からみていきましょう。

飲みすぎた直後に試したい対処方法とは

飲みすぎた直後に試したい水分摂取

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悪酔いや二日酔いを完全に予防したり確実に解消したりする方法は、残念ながらありません。

以下で紹介する方法は、あくまでも飲みすぎたときの対症療法的なもの。効果の有無や程度は、もともとの体質や飲酒時の体調、飲酒量などによって大きく変わってくるので注意しましょう。

それを踏まえて、「飲みすぎた」と思ったとき、すぐに試しておきたいことをチェックしていきます。

飲みすぎたら水分を! 二日酔い予防のみならず水分は寝る前に摂るのもおすすめ

飲みすぎた直後に、まず試したいのが水分摂取です。

アルコールには利尿作用があるため、酩酊時、体は脱水傾向となります。

脱水とは体内の水分が足りない状態のこと。口の渇きのほか、だるさや立ちくらみ、微熱、脱力などさまざまな症状を引き起こすだけでなく、二日酔いの助長要因のひとつとも考えられています。

アルコール代謝はおもに肝臓で行われるため、水分を摂ったからといってお酒が体から抜けるのが速くなるというわけではありませんが、脱水傾向の改善には役立ちます。

水分は一度に大量に摂るより、こまめにゆっくり補給するほうがよいといわれています。

排尿時や発汗時には、水分に加えてナトリウムやカリウム、カルシウムなどの電解質も排出されてしまうため、水よりも、経口補水液など電解質を含む飲み物を選ぶとよいでしょう。

また、就寝時には発汗でさらに脱水傾向が進むため、就寝前と起床時の水分摂取もおすすめです。

飲みすぎたときの入浴や運動はNG

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汗をかけばお酒が抜ける!? 飲みすぎた夜の入浴・運動はNG!

汗をかけばお酒が抜けるだろうと、飲酒後に入浴したり運動をしたりするのは逆効果。発汗で脱水傾向が進むばかりか、飲酒後、血中アルコール濃度が高くなっているときに入浴や運動を行うと、血液が内臓に集まらず筋肉に分散されてしまうため、アルコールの代謝速度はかえって遅くなってしまうのです

また、飲酒後の入浴は血圧が低下するなどで脳卒中のリスクが高まります。飲酒後の運動も血液の循環が早くなってすぐに酔いが回り、平衡感覚が乱れて予期せぬ事故を招いたり心臓発作などが起きたりする可能性を生じさせます。

いずれも危険なことから、飲酒後に入浴したり運動したりするのは絶対に避けましょう。

(参考)
公益財団法人アルコール健康医学協会

締めにラーメンを食べたくなる理由

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締めにラーメンを食べたくなるのは、糖分やビタミンB1を体が求めているから?

飲みすぎたとき、もうひとつ試してみたいのが、糖分やビタミンB1の適度な補給です。

アルコールは、体にさまざまな変化をもたらします。血糖値が下がる低血糖もそのひとつ。お酒を飲むと、肝臓がアルコールの代謝にかかりきりのようになり、糖の産生がおぼつかなくなるため、血糖値が下がるとも考えられています。

低血糖は、脱水と同じく二日酔いの助長要因とされていて、汗をかいたり手が震えたり、頭痛や生あくびが出たり、ひどい場合にはけいれんや昏睡を起こしたりします。

血糖値が下がってくると、脳は体に空腹を感じさせて糖分の補給を促します。また、アルコールの分解にはビタミンB1も消費されます。ブドウ糖などから構成されている炭水化物の麺に、ビタミンB1が豊富な豚肉で作られるチャーシューがのったラーメンを、飲んだあとの締めに食べたくなるのも、こうした脳や体の働きによるものなのかもしれません。

もっとも、食べすぎたり特定の栄養素を摂りすぎたりするのは、肥満や糖尿病などのリスクを生じさせるおそれがあります。とりわけ、糖分の摂りすぎには気をつけましょう。

飲みすぎたとき、漢方などで推奨されている食材は?

飲みすぎたときに漢方などで推奨されている食材

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飲みすぎたとき、漢方や、そのルーツにあたる中医学(中国伝統医学)で推奨されているのが、お酒の解毒を促すといわれる「解酒毒(げしゅどく)」食材や、肝臓の機能を高めるとされる食材です。

以下に挙げたそれらの食材の成分をあわせてチェックしてみると、肝臓によいといわれていたりアルコールを分解したりする栄養素が含まれていることがわかります。

◇シジミ(オルニチン、タウリンなど)
◇牡蠣(グリコーゲン、タウリンなど)
◇タコ(タウリンなど)
◇柿(シブオールなど)


漢方などでは、飲みすぎたとき、体が冷えて弱っているとされているので、シジミや牡蠣、タコについては、温かな味噌汁やスープなどにして食べるのがおすすめです。

また漢方では、柿は体を冷やす食べ物に分類されています。胃腸などの調子を崩さないよう、食べすぎには注意しましょう。

ドイツでは病気扱い!? そもそも二日酔いはなぜ起きるの?

二日酔いのメカニズム

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アルコールなどの分解の仕組みや二日酔いのメカニズムを確認していきましょう。

日本酒やビールと二日酔いの関係については、以下の2記事もチェックしてみてくださいね。

日本人はお酒に弱い? アルコールとアセトアルデヒドの分解の仕組み

口から体内に入ったアルコールは、胃にあるうちはゆっくりと、小腸に入ると速やかに吸収されます。

その後、2~10パーセントが呼気や汗、尿として体外に排出されますが、残りの大半は肝臓に集められて、アルコール脱水素酵素(ADH)とミクロゾームエタノール酸化系(MEOS)の働きでアセトアルデヒドに分解されます。

アセトアルデヒドはさらに、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸(さくさん)に分解され、酢酸は全身をめぐるうち、筋肉などで二酸化炭素と水に分解されて体外に排出されます。

アセトアルデヒドを分解するALDHには、やや弱い酵素の「ALDH1型」と、強力な酵素の「ALDH2型」の2種類があります。

ALDH2型はさらに、酵素の活性遺伝子の型により、以下の3種類に分けられます。この型の違いが、お酒に強い人と弱い人を決める、主要な要因のひとつとなっています。

◆NN型…ALDH2型の正常活性遺伝子型(お酒に強い)
◆ND型…NN型の16分の1の活性しかない遺伝子型(ある程度は飲める)
◆DD型…ALDH2型の活性のない遺伝子型(ほとんど飲めない)

出典 東京国税局|お酒に関する情報|テーマ02「あなたはお酒が強い人?弱い人?」

ヨーロッパ系の人々はほぼ全員がNN型でお酒に強い一方、日本人をはじめモンゴロイドに属する人々は一定の割合でND型あるいはDD型の人がいるといわれています。

日本人の場合の割合は、一説にはNN型56パーセント、ND型40パーセント、DD型4パーセントとされていて、お酒に強い人は半数余りにとどまるとみられています。

(参考)
東京国税局|お酒に関する情報|テーマ02 「あなたはお酒が強い人?弱い人?」

アルコールとアセトアルデヒドの分解の仕組み

CORA / PIXTA(ピクスタ)

じつは解明されていない!? 二日酔いのメカニズム

頭痛や吐き気、倦怠感、気分の落ち込みなど、二日酔いにはつらい症状がつきもの。2019年に、ドイツ・フランクフルトの裁判所では、さまざまな症状が現れ、通常の体から逸脱した状態になる二日酔いは疾病であるとする判断がくだされたほどです。

二日酔いの原因はお酒の飲みすぎに違いありません。その一方、二日酔いが起きるメカニズムについては不明な点が多く、いまだ解明されていないのが実情です。

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、二日酔いの助長要因として以下の10点を挙げています。

1.軽度の離脱症状
2.ホルモン異常・脱水・低血糖・その他
3.酸塩基平衡のアンバランスや電解質の異常
4.炎症反応の亢進
5.睡眠や生体リズムの障害
6.アセトアルデヒドの蓄積
7.胃腸障害
8.メタノール
9.酒に含まれる不純物(congener)
10.その他

出典 厚生労働省 e-ヘルスネット|二日酔いのメカニズム

二日酔いは現時点では、これらのうちのいずれかが単一で起こしているものというよりも、これらの要因やいまだ明らかになっていない要因が複雑にからみあって起きるものと考えられています。さらなる研究結果を待ちましょう。

(参考資料)
厚生労働省 e-ヘルスネット|二日酔いのメカニズム

飲みすぎる前に心がけたい二日酔いの予防策

飲みすぎる前に心がけたい二日酔い予防策

Chiristsumo / Shutterstock.com

お酒は適量をたのしむことが大切ですが、適量とはどのくらいの量を指すのでしょうか。

厚生労働省では、通常のアルコール代謝能力を持っている日本人について、「節度のある適度な飲酒」の量として、1日平均純アルコールで約20グラムという数値を挙げています。

純アルコール量の目安は、アルコール度数5パーセントのビールなら500ミリリットルの中瓶1本で20グラム、アルコール度数15パーセントの日本酒なら1合180ミリリットルで22グラムとなります。

さらに、もともとアルコール代謝能力が低い人などについては、これより少ない酒量を適当とするなど、いくつかの留意点が挙げられていますので、以下のサイトでチェックしてみましょう。

厚生労働省|「アルコール」3.現状と目標(3)「節度ある適度な飲酒」について

このほかにも、飲みすぎる前に心がけたいことがいくつかあります。以下はその一例です。

◇アルコールが吸収されやすい空腹のまま飲み始めない
◇冷ややっこや蒸し鶏など比較的低脂肪のタンパク質が摂れるおつまみを食べながら飲んで、アルコールが少し時間をかけて小腸に排出されるようにする
◇飲酒の合間にチェイサーや和らぎ水として水分を摂りながらゆっくり飲む
◇長時間の飲酒は避ける

このようなことを実行すると、悪酔いや二日酔いのリスクを軽減できるので、ぜひ試してみてください。

公益社団法人アルコール健康医学協会では、「正しいお酒の飲み方」を「適正飲酒」とし、以下の10か条を挙げています。

適正飲酒の10か条
1.談笑し 楽しく飲むのが基本です
2.食べながら 適量範囲でゆっくりと
3.強い酒 薄めて飲むのがオススメです
4.つくろうよ 週に二日は休肝日
5.やめようよ きりなく長い飲み続け
6.許さない 他人(ひと)への無理強い・イッキ飲み
7.アルコール 薬と一緒は危険です
8.飲まないで 妊娠中と授乳期は
9.飲酒後の運動・入浴 要注意
10.肝臓など 定期検査を忘れずに

出典 公益社団法人アルコール健康医学協会

お酒をいつも気分よくたのしむためにも参考にしてみてくださいね。

公益社団法人アルコール健康医学協会
公式サイトはこちら

それでも二日酔いになってしまったら

二日酔いになったときの対処法

ナオ / PIXTA(ピクスタ)

飲みすぎた夜のうちにいろいろ試してみたものの、翌朝、結局二日酔いになってしまったという場合、どうすればよいのでしょうか。

手っ取り早く二日酔いを改善する方法は、残念ながらありません。こまめに水分を補給しつつ、体調が上向くまで安静にしているのがいちばんです。

もし吐き気がある場合は、ツボ押しを試してみるのもひとつの手かもしれません。

数あるツボのうち「内関(ないかん)」は、比較的押しやすい腕の内側に位置するツボ。手のひらを上向きにし、手首のシワから指3本(薬指・中指・人差し指)分下の、手のひらを握ったときに出る2本の腱の間にあります。

左右どちらの腕でも構いません。もう一方の手の親指で、心地よさを感じる程度にゆっくり深呼吸をしながら押してみましょう。

消化促進の作用もあるとされ、二日酔い時だけでなく、飲む前、飲んでいる最中、飲んだあと、どのタイミングで押してもよいといわれています。

なお、二日酔い状態でお酒を飲む「迎え酒」は、アルコール依存症を招くともいわれているので、絶対にやめましょう。

「迎え酒」について、もっとくわしく知りたいときには、こちらの記事がおすすめです。

気が合う仲間との飲み会は、たのしくてついつい飲みすぎてしまうもの。とはいえ、悪酔いしたり二日酔いになったりすると気分は台なし、体もきつくなるばかり。そうならないためにも、適正飲酒を心がけましょう。

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