「ハイランドパーク」を知る! 香りや味わい、種類、おすすめの飲み方を紹介
「ハイランドパーク」は、スコットランドの北に位置するオークニー諸島で生まれたスコッチウイスキー。伝統製法で育まれる個性豊かな味わいで高く評価されています。今回は、「ハイランドパーク」の香りや味わい、種類、おすすめの飲み方などについて紹介します。
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目次
スコットランドのオークニー諸島で育まれているシングルモルトウイスキー、「ハイランドパーク」の魅力を深掘りします。
「ハイランドパーク」とは? 人気シングルモルトの概要を知ろう
出典:ハイランドパーク公式ブランドサイト
「ハイランドパーク」の概要と、人気の秘密を見ていきます。
「ハイランドパーク」は専門家や愛好家を魅了し続けているウイスキー
「ハイランドパーク」は、スコットランドの北端に浮かぶ、オークニー諸島のメインランド島で造られているシングルモルトウイスキーです。世界的に著名なウイスキー評論家、故マイケル・ジャクソン氏が、「全モルトウイスキーのなかで、もっともオールラウンダーで秀逸な食後酒」と称賛したブランドとして知られます。
ウイスキー造りの伝統と職人技から生まれる「ハイランドパーク」の高品質な味わいは、ウイスキーの専門家や愛好家たちに高く評価され、深く愛されています。
画像提供:三陽物産株式会社
「ハイランドパーク」はスモーキー? 香りや味わいの特徴
「ハイランドパーク」は、オークニー諸島産ピート(泥炭)由来のアロマティックでバランスのとれたスモーキーフレーバーや、ヘザーハニーの香りを持つのが特徴です。
ヘザーは白い小さな花をつける低木の植物で、日本ではヒースとも呼ばれます。オークニー諸島のピートの主体はこのヘザーが堆積したもの。4000年の歴史が育んだヘザーの香りが濃厚なピートは、リッチでスイートなアロマを生むといわれ、「ハイランドパーク」の唯一無二の個性を支えています。
また、シェリー樽由来の芳醇さや甘味のある味わいも、「ハイランドパーク」に彩りを添えています。
画像提供:三陽物産株式会社
「ハイランドパーク」の個性を育む特徴ある伝統製法
「ハイランドパーク」の造り手であるハイランドパーク蒸溜所は、伝統的なフロアモルティングによる自家製麦を今も続けている数少ない蒸溜所です。フロアモルティングは、原料の大麦を床に広げて1週間ほどかけて発芽させる手法で、均一に発芽させるために、職人がシャベルなどで絶えずかき混ぜる必要があります。重労働で時間がかかるため、スコットランドでもこの手法を取り入れている蒸溜所は珍しい存在となっています。
ハイランドパーク蒸溜所では、人の手で手間暇かけて作った大麦麦芽(モルト)を、自社専用の採掘場から掘り出したピートを焚いて乾燥させています。これにより、大麦麦芽に「ハイランドパーク」特有のスモーキーなヘザーの香りが付与されます。なお、「ハイランドパーク」では、約8000年前の「フォギー」、約1万2000年前の「ヤギー」、約1万6000年~2万年前の「モス」という3層のピートを使い分けているのも特徴です。
また、貯蔵・熟成におもにシェリー樽を使うこともこだわりのひとつ。冷涼な気候のなかでは熟成がゆっくりと進むため、シェリー樽由来の独特のコクや重層的な複雑さ、フルーティーさが、少しずつ時間をかけて溶け込んでいきます。
原酒のブレンディング後に古樽で寝かせて香味を調和させる、「カスクハーモナイゼーション」が行われているのも特徴的で、「ハイランドパーク」ならではの、バランスのとれた味わいが生み出されています。
「ハイランドパーク」が造られるオークニー諸島の自然環境と蒸溜所の歩み
画像提供:三陽物産株式会社
ヴァイキングの影響が色濃く残るオークニー諸島について紹介します。
「オークニー諸島」で生まれる「ハイランドパーク」
スコットランド北部のスキャパ湾に点在するオークニー諸島は、大小70あまりの島からなります。その中心に位置するメインランド島で造られているのが「ハイランドパーク」です。
「ハイランドパーク」の故郷であるオークニー諸島は、8世紀ころから数百年にわたってヴァイキングに支配されてきた歴史を持ち、今もヴァイキングの文化が色濃く残っています。また新石器時代の巨石遺跡が各地に残り、メインランド島にある4遺跡が、「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」として世界文化遺産に登録されています。
観光資源に恵まれたメインランド島では、2つのモルトウイスキー蒸溜所が稼働しています。そのうちのひとつであるハイランドパーク蒸溜所は、スコットランドの蒸溜所のなかでも最北に位置し、風が吹き荒れ、凍てつく大地で育まれた伝統の味わいが、ウイスキーファンを惹きつけています。
なお、スコットランドのウイスキー生産地は、ハイランド、スペイサイド、ローランド、アイラ、キャンベルタウン、アイランズの大きく6つに分類され、オークニー諸島はそのうちのアイランズに含まれます。
画像提供:三陽物産株式会社
伝統を守り続けるハイランドパーク蒸溜所の歩み
スコットランドでもっとも北にあるハイランドパーク蒸溜所は1798年に設立されました。創設者はデビッド・ロバートソン氏といわれていますが、もともとは伝説的な密造者マグナス・ユウンソン氏の密造所があった場所であることから、1798年よりも前からウイスキー造りが行われていたとも、創設者はユウンソン氏だともいわれています。ただし、詳細はわかっていません。
1869年に売却されるまでは、ロバートソン家が蒸溜所の経営を続けました。ちなみに、実権を握った一人であるジョン・ロバートソン氏は、ユウンソン氏を捕らえた徴税官であったという皮肉めいたエピソードが残っています。なお、正式に「ハイランドパーク」を名乗るようになったのもジョン氏の時代です。蒸溜所が「ハイパーク」と呼ばれる高台にあったことからそう名づけられました。
その後、「ハイランドパーク」の所有者は幾度か変わり、現在はエドリトングループ社の傘下で、伝統を守りながら上質なシングルモルトウイスキーが世に送り出されています。
シングルモルトウイスキー「ハイランドパーク」の種類
ウイスキーファンに愛される「ハイランドパーク」の、おもなラインナップを紹介します。
ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー
出典:ハイランドパーク公式ブランドサイト
ヴァイキングの伝統を体現したハイランドパークの魂ともいうべき1本。ヘザーハニーの甘い香りやピーティーな香り、丸みを帯びたスモーキーな甘さ、モルト感のある味わいが特長です。受賞歴も豊富。
ハイランドパーク 15年 ヴァイキング・ハート
出典:ハイランドパーク公式ブランドサイト
複数のカスクで熟成を重ねた贅沢な1本。ヘザーピートの香りや焦がしたシナモンの香りが特長で、バニラやレモン、パイナップル、ヘザーハニーを想わせる複雑な味わいが魅力です。
ハイランドパーク 18年 ヴァイキング・プライド
出典:ハイランドパーク公式ブランドサイト
約220年にわたる伝統製法を余すことなくつぎ込んだ1本。ハチミツ漬けのエキゾチックフルーツの香りや、円熟した花の香りが魅力で、クリーミーさのなかにスパイスを感じる味わいです。Spirits Journal誌の「ベスト・スピリッツ・イン・ザ・ワールド」に 2度輝いています。
ほかにも、以下のような現行品が流通しています。機会があったら飲み比べてみてくださいね。
◇ハイランドパーク カスクストレングス No.2
◇ハイランドパーク ヴァルクヌート
◇ハイランドパーク ヴァルファーザー
◇ハイランドパーク トリスケリオン
「ハイランドパーク」のおすすめの飲み方
James.Pintar / Shutterstock.com
「ハイランドパーク」のおすすめの飲み方は、香りや味わいをダイレクトに堪能できるストレートです。独特のスモーキーフレーバーやヘザーハニーの香り、シェリー樽由来の甘さなどがしっかりと感じられます。バランスのよい味わいなので、ストレートを飲み慣れていない人でもたのしめるはず。ミネラルウォーターなどのチェイサーを用意して、少しずつ交互に味わってみてください。
ストレートでたのしんだあとは、少しだけ加水するのもおすすめです。加水によって、シェリー樽由来の香りが開き、甘味も広がります。
ストレートではアルコールの刺激が気になって飲みにくいという場合は、ロックなどほかの飲み方を試してもよいかもしれませんね。
スコットランド最北の蒸溜所で生産されている「ハイランドパーク」は、ウイスキー評論家や愛好家たちに愛されるブランドです。新石器時代の名残とヴァイキングの影響が色濃く残る島で生まれたシングルモルトウイスキーを、ぜひ味わってみてくださいね。
輸入販売元:三陽物産株式会社
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