埼玉のビール【小川地ビール】麦雑穀工房マイクロブルワリーが目指すのは自給原料100%のクラフトビール

埼玉のビール【小川地ビール】麦雑穀工房マイクロブルワリーが目指すのは自給原料100%のクラフトビール
出典 : 麦雑穀工房マイクロブルワリー公式ホームページ

「小川地ビール」は、埼玉県小川町の麦雑穀工房マイクロブルワリーが手掛けるクラフトビール。地元の有機農家と連携した自給原料100%のビール造りを目指しています。今回は、麦雑穀工房マイクロブルワリーの歴史やビール造り、おすすめ商品などを紹介します。

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麦雑穀工房マイクロブルワリーがある埼玉県の小川町は、外秩父の山並みに囲まれた盆地で、豊かな自然が残るのどかな土地。どのような想いでビールが醸造されているのかを調べてみました。

麦雑穀工房マイクロブルワリーは埼玉県小川町の小さな醸造所

麦雑穀工房マイクロブルワリー

出典:麦雑穀工房マイクロブルワリー公式ホームページ

まずは「小川地ビール」を手掛ける醸造所の基本情報をみていきましょう。

麦雑穀工房マイクロブルワリーとは?

「小川地ビール」の故郷、埼玉県比企郡小川町は、古くは和紙の里として栄えた町。この地に伝わる細川紙と呼ばれる漉(す)き和紙の伝統的な技術は、昭和53年(1978年)に国の重要文化財に指定され、平成26年(2014年)にはユネスコの無形文化遺産に登録されています。ほかにも建具や鬼瓦、日本酒の製造といった産業で発展し、現在は有機農業への取り組みでも広く知られています。

「小川地ビール」を手掛ける麦雑穀工房マイクロブルワリーは、小川町の中心部にある小川町駅からほど近いビール店「麦雑穀工房」内にある小さな醸造所。麦雑穀工房にはブリューパブが併設されていて、地元の食材を使ったフードメニューと一緒においしいビールを味わうことができます。

なお、「麦雑穀工房」には「麦」という字がついていますが、「ざっこくこうぼう」と読みます。

麦雑穀工房店内

出典:麦雑穀工房マイクロブルワリーFacebookページ

麦雑穀工房マイクロブルワリーの歴史

麦雑穀工房マイクロブルワリーとブリューパブからなる「麦雑穀工房」が誕生したのは、2003年のことです。
「麦雑穀工房」の初代オーナーは、大学で教鞭を執っていた元研究者。あるときから畑仕事をたのしむようになり、収穫した雑穀や野菜で家庭の食卓を彩っていたそう。

しかし、収穫量が増えるにしたがって、家庭菜園から本格的な農業へと拡大。当然のことながら、収穫された野菜や麦は、家族では消費しきれなくなります。農作物の使い道について思案する日々が続いたある日、ひょんなことからたどり着いたのがビール造りという道でした。

小川町には、和紙作りの伝統を育んだ良質の水もあり、ビール造りに遜色のない土地です。さっそく、2003年4月に酒類等製造免許(発泡酒)を取得して合同会社麦雑穀工房を設立。翌年の4月に麦雑穀工房マイクロブルワリーでのビール造りが始まりました。

その後、初代オーナーは野菜や果物の栽培に集中し、2代目がホップの栽培とビール造り、ブリューパブの経営を担当するように。2019年には新工房へと移転し、現在に至ります。

麦雑穀工房マイクロブルワリーのビール造り

原料100%地域自給を目指す麦雑穀工房マイクロブルワリー

出典:麦雑穀工房マイクロブルワリー公式ホームページ

麦雑穀工房マイクロブルワリーが目指しているのは、100%自給自足のビール造りです。もともとが、所有する畑で採れた作物の有効活用、といった発案から始まっているだけに、すべての原料を自営の農園「麦雑穀ファーム」によって供給することを最終目標とするのも、ごく自然な流れでしょう。

もちろん、すべての原料を自給自足するというわけにはいかないので、地元の有機農家さんが育てた穀物や果実、スパイス、ハーブなども使い、それらを組み合わせたり、製法の工夫をすることで、多彩なビール造りに挑戦。最近では大麦のモルティングも行うようになり、自給原料100%の醸造も可能になりました。

現在、一部のビールには自家製の麦芽やホップを使用していますが、醸造過程で生じるモルト粕を肥料として畑にまくなど、環境への配慮は忘れません。微生物いっぱいの元気な土壌を保つことで、栄養価の高い作物を育て、さらなるおいしくヘルシーなビールを造り上げるのです。

麦雑穀工房マイクロブルワリーのおすすめビールを紹介

雑穀工房マイクロブルワリーのビール

出典:麦雑穀工房マイクロブルワリー公式ホームページ

「小川地ビール」とは、麦雑穀工房マイクロブルワリーが手掛けるクラフトビールの総称です。

麦雑穀工房マイクロブルワリーでは、通年で出している定番ビールほか、季節ごとに収穫した果物を使用した限定ビールに長期熟成したビールなど、年間で約 40 種ほどのビールを造っています。ここでは、麦雑穀工房で味わえるおすすめ商品を紹介しましょう。

雑穀ヴァイツェン

麦雑穀工房マイクロブルワリー「雑穀ヴァイツェン」

出典:「麦雑穀工房マイクロブルワリー」オンラインショップ

麦雑穀工房の看板ビール。自家栽培の小麦とライ麦、キビ、アワを使用したオリジナルレシピで、雑穀の風味を引き出したまろやかな味わいが特徴です。

CIA(シリアルイッパイエール)

麦雑穀工房マイクロブルワリー「CIA シリアルイッパイエール」

出典:「麦雑穀工房マイクロブルワリー」オンラインショップ

麦雑穀工房の定番ヘイジーIPA。たっぷりの穀物とホップ、ラクトース(乳糖)を使用した、トロピカルでクリーミーな味わいが特徴です。
自家栽培原料の「シリアル(cereal=雑穀)」と、アメリカンホップを「イッパイ」使った「エール(ale)」、略してCIAというネーミングも斬新。

夏への扉

麦雑穀工房マイクロブルワリー「夏への扉」

出典:麦雑穀工房マイクロブルワリーFacebookページ

数種類のアメリカンホップを使用したフルーティーな香りと苦味が特徴のIPA。同名のSF小説の題名と内容から冬季限定となり、この名前がつけられています。

りんごのセゾン

麦雑穀工房マイクロブルワリー「りんごのセゾン」

出典:「麦雑穀工房マイクロブルワリー」オンラインショップ

セゾンビールは、ベルギー南部発祥のビアスタイル。かつては、農家が夏場にのどの乾きを癒やすために、農閑期である冬の間に醸造していたそう。

こちらは群馬県沼田市のりんご園で摘果された青くて小ぶりなふじりんごを使ったフルーツセゾン。まだ熟していない酸味のある青りんご特有のみずみずしい果実感と蜜のような余韻がたのしめます。

グレープセゾン

麦雑穀工房マイクロブルワリー「グレープセゾン」

出典:「麦雑穀工房マイクロブルワリー」オンラインショップ

東京・田町のワイナリー「ワインマンファクトリー」で搾ったブドウの果肉を使った季節限定のフルーツセゾン。山梨県産マスカットベイリーAの赤い果実の香りに軽いタンニン感が、セゾンビールと絶妙な相性を奏でます。

ラスティック セゾン

麦雑穀工房マイクロブルワリー「ラスティック セゾン」

出典:「麦雑穀工房マイクロブルワリー」オンラインショップ

ラスティックとは、素朴な、飾り気のない、といった意味。こちらは従来よりマッシング(麦芽の糖化)温度を高くすることで、穀物の風味をしっかり引き出しています。地元の有機農家のライ麦と、リーフホップを使うことで、名前のとおり素朴なセゾンビールに仕上がっています。

おがわポーター

ポーター

Vlad Antonov / Shutterstock.com

麦雑穀工房定番の黒ビール。見た目のイメージに反して後味はスッキリ。焙煎麦芽のロースト香も存分に堪能できる、一押しの1本です。

なお、麦雑穀工房の公式オンラインショップではシーズン、期間ごとに造られるビールをセットで販売中です。また、麦雑穀工房でもボトルビールのテイクアウトが可能。その時期にしか飲めない限定ビールも多いので、新作を見つけたらぜひ、トライしてみてください。

麦雑穀工房マイクロブルワリーが手掛けるビールは、自社農園や有機農家からの収穫物など、地元農業との結びつきを大切に醸造されています。駅近でアクセスもよいので、季節ごとの新作ビールを味わいに、麦雑穀工房を訪れてみてはいかがでしょうか。

製造元:麦雑穀工房マイクロブルワリー
公式サイトはこちら
麦雑穀工房オンラインショップ
公式Facebookページはこちら

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