ジンバックとはどんなカクテル? ジントニックとの違いや味わい、アルコール度数、おいしい作り方まで紹介
ジンバックとは、ジンとジンジャーエールで作る人気のカクテル。アルコール度数が比較的低めで飲みやすいので、お酒に弱い人にもおすすめです。今回は、ジンバックの特徴やアルコール度数、名前の由来、ジントニックとの違い、基本レシピ、おいしいジンバックの作り方などを紹介します。
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ジンバックとは、ジンをベースに作る定番カクテル。まずは、材料やアルコール度数、レシピ、味わいなどの基本情報からみていきましょう。
ジンバックとはどんなカクテル?
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ジンバックとはどのようなカクテルなのか、まずは基本情報から確認していきましょう。
ジンバックはジンとジンジャーエール(ジンジャエール)のカクテル
ジンバックは、ジンをベースに、ジンジャーエール(ジンジャエール)とレモン果汁やライム果汁を加えた定番カクテル。さわやかな味わいとのどごしが特長で、その飲みやすさから、多くの人に親しまれています。
「ジンバック」のベースに使われるジンは、世界4大スピリッツのひとつに数えられるオランダ原産の蒸溜酒。一般的には、トウモロコシや麦などの穀類を原料に連続式蒸溜機で蒸溜したグレーンスピリッツに、ジュニパーベリー(ねずの実)をはじめとするボタニカルを加えて、単式蒸溜機で再蒸溜して造られます。
ジンはオランダやイギリスをはじめ、世界各国で製造されていて、さまざまな個性を持つ商品が流通していますが、ジンバックのベースに使われるのは、おもにイギリスで造られる辛口の「ドライジン(ロンドンドライジン)」。ジュニパーベリー独特の香りが心地よい無色透明のお酒で、さまざまなカクテルのベースとして親しまれています。
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ジンバックのアルコール度数は低い? 好みに合わせて調整自在
ジンバックはアルコール度数が比較的控えめなカクテルですが、王道レシピが存在しないため、度数はベースに使うジンの銘柄や、ジンとジンジャーエールの割合、レモン果汁の量など、採用するレシピによって変わってきます。
アルコール度数40度のドライジンを使用し、ジンの量と、ジンジャーエールとレモン果汁を合わせた割り材の量を半々で作った場合はアルコール度数20度に、1:2の場合はアルコール度数約13.3%に、1:4の場合はアルコール度数8度に仕上がります。ドライジンやジンジャーエール、レモン果汁の割合を調整しながら、好みの味わいを探してみてください。
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ジンバックの「バック」って何?
ジンバックの「バック(Buck)」には、「雄鹿」という意味があるので、ジンバックというカクテル名は、キックのある酔いやすいイメージから命名されたという説があります。ロンドンの名門バー「バックスクラブ」から発祥したからという説もあるようですが、真偽のほどは不明です。
ちなみに、ジンバックの別名は「ロンドンバック」。こちらは、発祥の地とされるバーが関係していそうですね。
なお、ジンバックのドライジンをウォッカに置き換えると「ウォッカバック」に、ラムに置き換えると「ラムバック」に、ウイスキーに置き換えると「ウイスキーバック」になるので覚えておくとよいでしょう。
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ジンバックとジントニックの違い
ジンバックに似たカクテルに「ジントニック」がありますが、ジントニックとは、ジンとトニックウォーターで作るカクテルのこと。
トニックウォーターは炭酸水に香味と甘味を加えた清涼飲料水で、カクテルの割り材としても親しまれています。
また、ジントニックに似たカクテルに、「ジンソーダ」や「ジンソニック」があります。
ジンソーダはジンを炭酸水(ソーダ)で割ったもので、ジンのさわやかな香りがたのしめます。ジンソニックはジンに炭酸水とトニックウォーターを1:1の割合で加えたもので、ほのかな甘味が魅力です。
ジンバックの基本レシピ
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前述したように、ジンバックに王道と呼べるレシピはありません。強いお酒が好きな人はベースのドライジンを多めに、軽めのカクテルが好みなら、お酒は控えめにしてジンジャーエールの割合を多めに、また柑橘系のさわやかな味わいを満喫したい人はレモン果汁やライム果汁を多めにするなど、自在に調整可能です。
ジンバックには多くのレシピが存在しますが、ここではドライジンとジンジャーエール、レモン果汁を使った基本レシピを紹介します。
<材料>
ドライジン…45ミリリットル
ジンジャーエール…適量
レモンジュース…20ミリリットル
カットレモン…1/6カット程度
<作り方>
1.氷を入れたグラスに、ドライジンとレモンジュースを注ぎます。
2.ジンジャーエールを適量加えて、マドラーなどでステアします。ジンジャーエールは冷蔵庫で冷やしたものを使うと、いっそうおいしく仕上がります。
3.カットレモンを加えます。グラスの縁に飾るか搾り入れるかはお好みでチョイスして。
ジンバックの魅力はなんといってもさわやかな飲み心地。柑橘系の香りとスッキリとしたのどごしがたのしめる飲みやすいお酒でありながら、ボタニカルの複雑な香味やショウガのスパイシーな刺激も感じられる、味わい深いカクテルです。
上の基本レシピでも十分にたのしめますが、自由度の高さが魅力のジンバックは、少しの工夫でさらにおいしくなります。
【上級者向け】ジンバックをさらにおいしく作るには?
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ここからは、ジンバックを好みの味わいに仕上げるポイントを紹介します。
ジンの銘柄にこだわる!ジンバックにおすすめの銘柄も紹介
ジンバックのベースになるドライジンにはさまざまな銘柄があり、使用するボタニカルの種類や製法によって、味わいが変わってきます。
ここでは、カクテルのベースにおすすめの3銘柄を紹介します。
ボンベイ・サファイア
出典:バカルディ ジャパン株式会社サイト
スムースな味わいのなかにも10種類のボタニカルを使用した複雑な香味が活きた、華やかな香りのプレミアムジン。シトラスやフローラルを基調とした香りと、スパイシーさやアロマを感じさせる余韻は、カクテルのベースにぴったり。
アルコール度数:47度
輸入・販売元:バカルディ ジャパン株式会社
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タンカレー ロンドン ドライジン
画像提供:ディアジオ ジャパン株式会社
1830年にロンドンで誕生して以来、変わらないレシピが引き継がれている人気のブランド「タンカレー」。
「タンカレー ロンドン ドライジン」は、ジンの基本といわれる4種のボタニカル、ジュニパーベリー、リコリス、コリアンダー、アンジェリカルートを使用し、豊かな香味を引き出したプレミアムジン。深く澄んだキレのある味わいが特長です。
アルコール度数:47.3度
輸入・販売元:ディアジオ ジャパン株式会社
公式サイトはこちら
CRAFT GIN 香の雫
画像提供:養命酒製造株式会社
光が差し込む新緑の森をイメージしたジャパニーズクラフトジン。クロモジという日本固有の香木を主軸に、ジュニパーベリー、レモンピール、ショウガ、リコリスなど計11種のボタニカルを調合し、繊細で軽やかな風味に仕上げています。
アルコール度数:40度
製造元:養命酒製造株式会社
ブランドサイトはこちら
一般的に、ジンといえば「ドライジン」を指しますが、ほかにも単式蒸溜で重厚な風味に仕上げるオランダのジン「ジュネヴァ」や、発酵させたジュニパーベリーを単式蒸溜機で蒸溜したのちにグレーンスピリッツを加えて再蒸溜するドイツの「シュタインヘーガー」など、さまざまなタイプのジンが流通しています。
なかにはノンアルコールのジンも存在するので、アルコールが苦手な人は探してみてはいかがでしょう。
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ジンジャーエールの銘柄にこだわる
一口にジンジャーエール(ジンジャエール)といっても、さわやかな飲み心地の甘口タイプから、ショウガの刺激が強い辛口タイプ、レモン果汁を加えたタイプなど、千差万別。「ウィルキンソン(アサヒ飲料)」や「カナダドライ(日本コカ・コーラ)」などの銘柄によっても個性は大きく異なり、どれを採用するかで「ジンバック」の味わいも変わってきます。
最近では、クラフトジンジャーエールにも注目が集まっているため、どれを選べばいいのか迷ってしまいそうですが、ジンジャーエールを使い分けることでカクテルの味わいの幅は広がります。「ジンバック」に限らず多彩なカクテルに使えるので、この機会に飲み比べて、好みの味わいのジンジャーエールを探してみてください。
ジンバックは、ベースのジンや割り材のジンジャーエールのほかにも、グラスや氷、レモンなどの果汁の種類にこだわることで、さらなるおいしさを極めることができます。グラスは細身のコリンズグラスが、氷は市販の砕氷がおすすめ。いろんな組み合わせを試して、とっておきの味わいを探してみてください。