「マリアージュ」はワインと料理の組み合わせが奏でるハーモニー! ペアリングとの違いも解説

「マリアージュ」はワインと料理の組み合わせが奏でるハーモニー! ペアリングとの違いも解説
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「マリアージュ」とはフランス語で「結婚」などを意味する言葉で、ワインの世界ではワインと料理の相性のよさを表すときなどに使います。今回はマリアージュのたのしみ方やペアリングとの違い、マリアージュを生むペアリングのコツなどを紹介します。

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ワインと料理を組み合わせたときにその相性がよい場合は、「すばらしいマリアージュ」などと表現します。ワインのたのしみが広がる、マリアージュの基本を確認していきます。

マリアージュとは? その意味と使い方をおさらいしよう

マリアージュはフランス語で結婚の意味

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マリアージュのそもそもの意味と、言葉の使い方やたのしみ方などをおさらいします。

マリアージュはフランス語で「結婚」

マリアージュ(mariage)はフランス語で、「結婚」や「婚姻」「婚礼」などの意味を持ちます。ワイン用語でもあり、ワインと料理の組み合わせや、その相性のよさを表すときなどに用いられます。

ワインは単体で飲んでもおいしいものですが、相性抜群の料理と組み合わせると、お互いの香りや味、余韻などを引き立て合って、それぞれの魅力がより深まります。そのため、相乗効果を求めて、フランス料理などを食べる際にマリアージュを意識してワインを選ぶ人もいます。

ワイン×フランス料理以外の組み合わせでもたのしめる

マリアージュは、ワインとフランス料理の組み合わせだけでなく、ワイン×イタリア料理、ワイン×スペイン料理、ワイン×和食、ワイン×中華料理、ワイン×チーズ、ワイン×スイーツなどの組み合わせからも生まれます。

フランス以外にもワイン文化が根づく地域はたくさんあるので当然かもしれませんが、さまざまな地域のさまざまな料理との組み合わせでたのしめるのが魅力です。

また、一見合わないように思えても、組み合わせ方次第でマリアージュが生まれることもあります。たとえば、「お寿司にワインって合うの?」などと思うことがあっても、お店によっては料理に合うワインを選び抜いて提供してくれるケースも。固定観念を持たずにお店でおすすめしているワインと料理を合わせれば、おいしいマリアージュに出会えるかもしれません。

なお、ワインと料理以外では「ペアリング」という言葉が一般的ですが、日本酒×フランス料理や日本酒×和食をはじめ、ビールやクラフトジン、ウイスキーなど多種多様な組み合わせにもマリアージュという言葉が用いられたりします。銘柄にもよりますが、ウォッカ×キャビアもぴったりの組み合わせで、極上のマリアージュが生まれるとか。

幅広いお酒と料理の組み合わせから生まれるマリアージュが、食卓を豊かにしているといえそうです。

マリアージュとペアリングの違いとは?

マリアージュとペアリングの違い

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マリアージュとペアリング、両方の言葉を聞いたことがあっても違いがよくわからない人もいるかもしれません。ここではマリアージュとペアリングの違いなどについて確認します。

ペアリングとは?

マリアージュと似たような言葉にペアリングがあります。同義と捉えている人もいるようですが、じつは少し意味合いが異なります。

「ペアリング(pairing)」は英語で2つを合わせることを意味します。一般的に、ワインの世界でペアリングは「ワインなどのお酒と料理を組み合わせること」を指します。
一方、マリアージュは「ワインとお酒を組み合わせることで新たなおいしさが生まれること」を指します。

わかりやすくいうと、ペアリングの結果としてマリアージュが生まれるということ。相性のよいワインと料理をペアリングすることで、おいしいマリアージュを堪能できるのです。

ペアリングから生まれるマリアージュのたのしみ方

「自分でワインと料理をペアリングするのは難しそう」という場合、レストランによってはペアリングコースを用意していることもあるので、そちらを試してみるのも手です。ソムリエさんなどワインのプロが厳選したワインと料理の組み合わせから生まれる、極上のマリアージュをたのしめるはずです。

もちろん「プロにお任せ」もよいですが、もっと気軽に、自分の好きなワインと料理をペアリングしてマリアージュをたのしむこともできます。次でペアリングのコツを見ていきます。

素敵なマリアージュを生むペアリングのコツ

マリアージュを生むペアリングのコツ

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ワインと料理のペアリングはお好み次第で、「必ずこうしなければならない」という方程式はありませんが、基本的なルールを覚えておくと成功しやすくなります。自宅でたのしむときの参考までに、マリアージュが生まれやすいペアリングのコツを紹介します。

色を合わせる

大まかに、茶系や赤系の料理には赤ワイン、白系や黄系の料理には白ワインというふうに、色の系統を合わせるとマリアージュが生まれやすくなります。

できあがった料理やソースの色だけでなく、素材そのものの色に注目して、赤身の肉や魚には赤ワイン、白身の魚、貝類、鶏肉などには白ワインを合わせます。

風味を合わせる

ワインと料理の香りや、酸味、苦味、辛味、甘味、塩味のいわゆる「五味(ごみ)」と呼ばれる味覚を合わせるのもポイントです。

たとえば、ヴィネガーを使った酸味のある料理には酸味が強めのワイン、柑橘(かんきつ)を使った料理には柑橘の香りが豊かなワイン、スイーツには甘口のワインというふうに合わせます。

ワインと料理の重さを合わせる

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重さ(ボディ/ボリューム)を合わせる

ワインと料理の味つけの濃淡を合わせる方法もあります。デミグラスソースなどを使ったこってりした味つけの料理にはコクのある濃厚な赤ワイン、素材を活かした淡泊な味つけの料理にはすっきり軽やかな白ワインのように合わせます。

産地を合わせる

ペアリングでは、フランス産ワインとフランス料理、スペイン産ワインとスペイン料理、日本産ワインと和食のように、産地を合わせるのもポイントです。

日本酒や焼酎などの地酒と郷土料理が合うのと同じように、その土地で育まれたブドウを原料としたワインは、その土地で親しまれてきた料理に合います。とくにワイン文化が根づくヨーロッパなどの地域では、長い歴史のなかでワインに合う料理や料理に合うワインが育まれてきたと考えられます。そのため、産地を合わせてベアリングするとマリアージュが生まれやすくなります。

ワインと格を合わせる

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格を合わせる

ワインと料理の格を合わせるのも大事なポイント。格を合わせれば、どちらかがどちらかのよさを打ち消すことなく、マリアージュをたのしめます。

たとえば、高級な素材を使った料理や手の込んだ料理には高級感のあるワイン、日常的に親しまれている庶民的な料理や手軽に作れる料理にはカジュアルワインを合わせます。

ほかにもある! ペアリングのポイント

マリアージュを生むペアリングには、色や風味、重さ、産地、格を合わせる以外にもいくつか方法があります。

たとえば、甘味と脂肪分は補完関係にあり、甘口のワインにはフォアグラなどのこってりした料理も合います。逆に相反関係にある油っぽい揚げ物とすっきりした酸味を持つ白ワインを合わせれば、口の中がさっぱりしてリセットできます。ほかにも、カリッとしたフライ×シュワッとしたスパークリングワインなど、食感(テクスチャー)を合わせる方法もあります。

なお、ロゼワインやカジュアルなスパークリングワインは幅広い料理と合わせやすいので、ペアリングに迷ったときにはこれらを選んでみてもよいかもしれません。ロゼワインのなかでも薄いピンク色の場合は繊細な味つけの料理に、濃いピンク色の場合は濃いめの味つけの料理に合います。スパークリングワインは醤油ベースの和食や餃子などにもぴったりですよ。

人によって味の感じ方や好みは異なるので、みながみな同等のマリアージュが生まれるとは限りませんが、そこがペアリングのおもしろいところ。ペアリングやマリアージュの世界にはまった人は、家族や友人と食事を共にしながらいろいろと組み合わせてみて、マリアージュについての感想を語り合うのもたのしそうですね。

マリアージュやペアリングの基本を紹介してきましたが、あくまでワインのたのしみ方は飲む人の自由です。とはいえ、組み合わせのコツを知っておくとよりワインの世界を満喫できるかもしれないので、興味があれば試してみてくださいね。

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