岩手のベアレン醸造所製造の「国産原料100%ビール」の第3弾が2023年2月より生協で数量限定発売
2021年の1月と10月に限定発売した、宮城県産の大麦、岩手県産のホップで造られた「国産原料100%ビール」が、2022年に収穫した原料を使い2月下旬より再び限定販売!購入場所は限られた生協になりますが、国産麦芽、国産ホップだけを使用して造られるビールは非常に少なく貴重品です。
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「国産原料100%ビール」の生産者さんのこだわりをお伝えします
2021年1月と10月に、東北と関東の一部生協で限定販売されて好評だった「国産原料100%ビール」。宮城県産の大麦と、岩手県産のホップを使用して、岩手のベアレン醸造所が製造する「国産原料100%ビール」の第3弾が、2023年2月下旬より再び限定販売されます。
過去2回の発売では、国産原料100%使用ということと、生産者さんの顔が見えるビールとして、大変好評だったようです。
今回も、「たのしいお酒.jp」では、岩手県のホップ生産者さんと宮城県の大麦生産者さんのお話を中心に「国産原料100%ビール」の情報をお伝え致します。
ベアレン 国産原料100%ビールの紹介動画
まずは、岩手県のホップ生産者さんをご紹介します。
■岩手産ホップの生産者グループ「しずくいしホップチャレンジ」
しずくいしホップチャレンジのメンバー
しずくいしホップチャレンジ代表の菅原さん
岩手県雫石町では、2018年から若手農家の有志が集まり「しずくいしホップチャレンジ」というグループを作り、ホップ栽培に取り組んでいます。
ホップ栽培は、日射量が多く冷涼な気候が適しているといわれています。
世界的なホップの生産地は緯度35~55度に分布しており、岩手県は緯度が約38度ですのでこのエリアにあてはまります。
ホップの収穫作業
「しずくいしホップチャレンジ」 代表の菅原さんに「国産原料100%ビール」の企画者、三菱食品の嶋岡さんが話を伺いました。
-ホップ栽培で大変な事は?
雫石町ではホップ専業農家がいるわけでもないので、人手が少なく大変です。
また、ホップは他の農作物に比べてとても背が高く成長します。雫石町のホップは、地面から高さ4m位までつるを伸ばします。(他の場所では5m位あるところも)
ホップを収穫する時に安全で便利な高所作業車もなく、はしごに登って手作業で収穫するので、とても大変で他のホップ生産地と違うところです。
でも、苦労して収穫したホップがビールという形になる事は嬉しいことです。
「国産原料100%ビール」の発売に関係するみなさん
今回発売される「国産原料100%」ビールでは、ホップを収穫してすぐの雫石産のフレッシュホップを使用しています。フレッシュホップを使用すると、ペレット加工*したホップと異なるみずみずしい香りをビールに感じることができるそうです。
今年はフレッシュホップを去年よりふんだんに使用。よりホップのみずみずしさ、フレッシュさを感じていただけます。
*ペレット加工=ホップを乾燥・粉砕したものを粒状にプレス加工したもの
岩手県雫石町に醸造所を構えるベアレン醸造所も、「しずくいしホップチャレンジ」の取り組みに参加し、ホップの栽培、収穫、ビールの醸造までを行っています。
「国産原料100%ビール」は岩手県雫石で「ホップチャレンジ」のグループが手がけた雫石産のホップの「カスケード」、岩手県遠野産のホップの「IBUKI(いぶき)」と岩手県軽米産のホップの「リトルスター」を使用して製造しています。
※遠野産IBUKI、軽米産リトルスターはペレットを使用
ホップの樹からホップだけを切り集めたもの
次に宮城県で大麦を生産する生産者さんをご紹介します。
■宮城県産「希望の大麦」を栽培する生産者さん
今回の「国産原料100%ビール」では、アサヒビールの震災復興プロジェクトとして2014年から取組みが開始されている「希望の大麦プロジェクト」を通じて生産された、宮城県東松島産の「希望の大麦」を100%使用しています。
宮城県で「希望の大麦」を栽培している2組の農業生産法人様について、べアレン醸造所を通じ、東松島みらいとし機構から情報をいただきましたのでご紹介します。
「希望の大麦」を生産するアグリードなるせの安部会長(右側)、尾形社長(左側)
まずは、有限会社アグリードなるせさんからご紹介します。
「アグリードなるせ」は、「希望の大麦プロジェクト」の開始当時から協力している農業生産法人です。野蒜海岸近くの津波で建物が流された被災跡地で大麦の栽培を開始しました。
『被災者として業者の繋がりを大切にして、お互いにとっていいことができればいいと思い、大麦生産を始めました。自分たちが育てた「希望の大麦」がビールとなり、「なりわい」と「にぎわい」が地域に戻ること、企業の方々と連携が取れることが嬉しく、やりがいに繋がっています。』
『がれきや石の除去をはじめ、土づくりに苦労し、多くの方々の協力のもと、一生懸命に育てた大麦で作られたビールを、皆さんに美味しく飲んでいただきたいです。そして、被災地を忘れずにいただけたら幸いです』とのメッセージをいただいています。
宮城県東松島の大麦畑と安部会長
続いては、株式会社めぐいーとさんをご紹介します。
めぐいーと土井副社長
『「めぐいーと」は、津波を被った土地で大麦の栽培をしています。圃場(畑)はブルーインパルスが飛びたつ航空自衛隊 松島基地に近い場所にあるため、上空にはいつもブルーインパルスが飛行しています。「希望の大麦」を生産することで、生産者として地域貢献できていることがやりがいとなっています。』
『いつも飲む通常のビールと違った国産原料100%のビールは、ブルーインパスルスの音を聞いて育った東松島産「希望の大麦」ならではの味わいを深く楽しんでいただければ』とのメッセージをいただきました。
宮城県東松島産の「希望の大麦」
■「国産原料100%ビール」は、岩手の地域に根ざした「ベアレン醸造所」で製造
べアレン醸造所雫石工場
今回、国産原料100%ビールを製造した「ベアレン醸造所」は、岩手県の雫石に2つ目の製造工場を構えて、ビールの仕込みを行っています。
ベアレン醸造所は、岩手県盛岡市北山で2001年からビールを醸造しています。
地元の岩手に根ざしたビール販売の展開をしており、岩手県民の75%に「ベアレン醸造所」のビールは認知され、飲用経験者も50%を超える地元で大人気のビール醸造所です。
また、近年のクラフトビールのブームで、「ベアレン醸造所」のビールの美味しさに虜になる県外の人も多く、人気は広がるばかりです。
「国産原料100%ビール」の醸造では、IBUKIとカスケードとリトルスターの3種類のホップを使用しているので、その特徴が出るように、ホップの投入は4回に分けて行っています。
遠野産ホップのIBUKIと軽米産のリトルスターは、ビールに苦味をつけるビタリングホップや香りをつけるアロマホップとして使用、雫石産のカスケードは醸造の後半に香りづけのためにビールに投入しています。
「国産原料100%ビール」の開発背景
日本では、まだあまり飲むことができない「国産原料100%」のビールが造られた開発経緯についてお伝えします。
食品卸売業の三菱食品㈱に勤務する、クラフトビールが大好きな嶋岡利洋さんが、以前、岩手県遠野市のホップ畑を見学に行った際に“国産ホップをもっと大事にして守っていかないと”との想いを抱き、いつか自分で、国産原料を100%使用したビールを造りたいと思うようになりました。
嶋岡さんは、生協向けの酒類営業企画担当として日常の仕事をしながら、さまざまなビールメーカーと交渉を続けました。国産大麦は見つかっても、ビールを造るだけの量を確保できる国産のホップが見つからず思い悩んでいた時、岩手県盛岡市でビールを醸造しているベアレン醸造所に「国産原料100%のビールをつくりませんか?」と声を掛けたところ、すぐに興味を持っていただき、更に“国産の大麦も、国産のホップも手配できる”タイミングも重なり、嶋岡さんの熱い想いがようやく実って「国産原料100%のビール」が造られ、2021年1月に2020年産の国産原料を使用して第1弾を発売、次いで、2021年産の国産原料を使用して2021年10月に第2弾が発売されました。
2022年10月に発売される第3弾の「国産原料100%」ビールも、ホップ生産者さん、大麦生産者さん、ビール醸造所さん、そして嶋岡さんの想いが一つになって造られています。
べアレン醸造所の嶌田社長
今年はホップの収穫も体験
2022年の夏には、嶋岡さんと同じ職場の、三菱食品の生協担当メンバーが、ホップ収穫のお手伝いをしてきました。
ホップ収穫に夢中な嶋岡さん(左側)
一つひとつ丁寧に手摘みされるホップ
■ホップ収穫初体験の千葉さんと川端さんからコメントをもらいました。
まずは、千葉さんのコメントから。
炎天下の中、ホップを手作業で一つ一つ収穫することは想像以上に大変でした。
私たちが作業した時間では1ケースも満杯にする事が出来ず、生産者の方の苦労が身に染みてわかりました。
生産者の方と一緒に作業をする事で、生産者さんの苦労やホップにかける想いなどを肌で感じることができ、とても有意義な時間となりました。
また、ビールの原料や製造工程など、商品理解も深めることができました。
生産者の方の想い、私たちの想いがつまった国産原料100%ビールをぜひ楽しく飲んでいただきたいです。
次は、川端さんのコメントです。
ホップ収穫を体験し、まず初めにホップ1粒がとても軽量なことに驚きました。
カゴ一杯にホップを収穫しても重さ1キロほどで、手摘みで行う生産者さんの大変さを実感しました。
またホップ収穫時にホップは形が大きいほど香りが強くでると思っていたのですが、
実際は小ぶりでもホップの中に入っている黄色い粉「ルプリン」が確認できれば問題ないと教えて頂き非常に勉強になりました。
また収穫作業中にはベアレン雫石工場で働いている方たちとも会話しながら作業でき、非常に貴重な機会でした。
実際に、ホップの収穫に携わったことで「国産原料100%ビール」への想いも、より深まったようです。
国産原料100%ビールを購入するには
*画像のビールは昨年のラベルです。
■国産原料100%ビールを購入するには
国産原料100%ビールは、下記の店舗にてお求めいただけます。
・コープデリ連合会 酒類取り扱い店舗 2/27発売
・生活協同組合ユーコープ 酒類取扱い店舗 3/6発売
(全店舗で取り扱っている訳ではありません)
■商品概要「国産原料100%ビール」
商品名:国産原料100%ビール
原材料:国産大麦(宮城県東松島産)、国産ホップ(岩手県雫石産、岩手県遠野産、岩手県軽米産)
内容量:350ml/缶
アルコール度数:5%
製造者 ベアレン醸造所(岩手県盛岡市)
参考小売価格:410円(税抜)
発売日:2022年10月24日(月)
*商品価格は記事執筆時のものとなります。ご購入の際には価格が異なる場合がありますのでご注意ください。