東京恵比寿『wine@EBISU』/AI診断でワインを選ぶ、飲む、買う、持込む…体験型ワインショップ

東京恵比寿『wine@EBISU』/AI診断でワインを選ぶ、飲む、買う、持込む…体験型ワインショップ

今年オープンした『wine@EBISU』。自分のワインカルテを作成することで、世界800種類のワインとのマッチ度がわかります。結果はすぐに併設のバーで試飲して確認。気に入ったワインは購入して自宅はもちろん、加盟している飲食店に持ち込めるとか。百聞は一見に如かず。まずはワインカルテ作りにトライしました。

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ワインバーを併設した、新感覚のワインショップ

恵比寿駅西口から徒歩2分。アクセス至便な立地にあります。

恵比寿駅西口から徒歩2分。アクセス至便な立地にあります。

ワイン好きはたくさんいるけど、「どんなワインが好きですか?」とストレートに問われると、答えに窮してしまう人も少なくありません。「軽めの白」「重めの赤」などからもう少し発展した表現ができれば、ワインショップやレストランでこれは! と思えるワインにもっと出合えることでしょう。

そんな願いを実現してくれるのが、今年2月に東京・恵比寿にオープンした『wine@EBISU(ワイン・アット・エビス)』。カテゴリーでいうとワインショップなのですが、単なるワイン専門店ではありません。ワインラヴァーはもちろん、ワイン初心者もワクワクしてしまう仕掛けがたくさんあるのです。

「まずはパーソナライズワイン診断でご自身のカルテを作成して、味わいタイプを知っていただきます。続いてその好みにマッチするワインを、併設のバーでテイスティングして実際に検証。気に入ったワインはショップもしくはオンラインで購入できるんですよ」と広報の橋本拓也さん。

パーソナライズワイン診断のやり方、そしてお店の活用方法を橋本さんにレクチャーいただきました(撮影時のみマスクを外しています)。

パーソナライズワイン診断のやり方、そしてお店の活用方法を橋本さんにレクチャーいただきました(撮影時のみマスクを外しています)。

15の質問に回答すれば、自分好みのワインがわかる

サイトにアクセスすれば、どこにいても診断できます。

サイトにアクセスすれば、どこにいても診断できます。

ではパーソナライズワイン診断を実際にやってみましょう。設問は15問、所要時間は3分ほどですから、いたって簡単。まずは、スマートフォンでQRコード※を読み込んで診断サイトにアクセスします。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

最初に表れるのがこちらの画面で、ワインの知識レベルを尋ねてきます。

最初に表れるのがこちらの画面

自分のレベルを客観的に把握するのが目的ですから、見栄を張らないことが大切。よほど知識に自信がない限り、標準モードで診断することが賢明です。

パーソナライズワイン診断

進むとこんな感じで聞いてきます。白ワインが終わると同じようなパターンの赤ワインに切り替わります。

ちなみに上級モードはこちら。

パーソナライズワイン診断

上級モードは産地や品種がかなり具体的。例えば、同じシャルドネでもフランスのブルゴーニュ地方とアメリカのカリフォルニア州の違いを聞いてきますから、「さっぱりイメージがつかない。ムリ!」と思ったら前に戻って標準モードで行いましょう。

次の段階から両モード共通で「好みの香り」に。こちらも白に続いて赤となります。

パーソナライズワイン診断

パーソナライズワイン診断

選択肢は身近にあるものがほとんど。数は決まっていないので、イメージがつくものだけ、タップしていけば大丈夫です。
「実はそれぞれ品種由来の香り、それが熟成した香り、そして樽を用いるか否かなど醸造スタイルから現れる香りを、身近なものに置き換えたものです。選んでいただくことで、その方の好きなワインの傾向を分析していきます」。

そして一転、料理や食材の好みを二択で。これが10問続きます。

パーソナライズワイン診断

単体で飲んでも美味しいですが、やはり食中酒として活躍することが多いワイン。最近は「ペアリング」「マリアージュ」などのワードがポピュラーになり、ワインと食の相性が注目されていますから、こうしたアプローチには納得です。

その後簡単なプロフィールに関する設問、そして会員登録(もちろん無料)が完了すると結果が判明します。このパーソナライズワイン診断ではタイプは
「ワインの味わいを白13タイプ、赤13タイプ、ロゼ4タイプ、スパークリング8タイプ、合計38に分類しています」。
初診断では白ワインのタイプと赤ワインのタイプが、それぞれ表示されます。

私の結果は、以下のようになりました。

パーソナライズワイン診断

13タイプに金・銀・銅メダルのマークがついています。
金は「W04」の「キレありシャープ系 白ワイン」でした。

パーソナライズワイン診断

同様に赤ワイン。
金は「R06」の「芳醇なエレガント系 赤ワイン」です。

店内にはこの画面より詳しい38枚のカードが用意されているので、早速該当するタイプを拝見。白ワインのシャブリ、赤ワインのブルゴーニュ地方のピノ・ノワールは好きという自覚があったので、結果に現れてひとまず安堵。そして同時にAI診断のポテンシャルの高さに感動してしまいました。

38の味わいタイプの詳細が記されたカードは、自由に取ることができます。

38の味わいタイプの詳細が記されたカードは、自由に取ることができます。

私のそれぞれの金メダルのカード。とても的確でびっくりです。

私のそれぞれの金メダルのカード。とても的確でびっくりです。

私のそれぞれの金メダルのカード。とても的確でびっくりです。

バーカウンターで試飲して、好みの傾向を確認する

興味のあるワインを20CCから試飲可能。0次会にもぴったりです。

興味のあるワインを20CCから試飲可能。0次会にもぴったりです。

さて自分のワインタイプがわかったら、やっぱり試飲して確かめないとですね。ショップでボトルを購入してバーで飲むことも可能ですが、まずは少量から試したいもの。ここでは窒素置換式のサーバーに24本。そのほかスパークリングワインなどカウンターからサービスされるものを含めると、常時約30種類をテイスティングすることができます。

ちなみに「本日のグラスワイン」は、サイトでも公開されています。

ちなみに「本日のグラスワイン」は、サイトでも公開されています。

ワインサーバーを利用するには、まずコインを購入。1コインは275円(税込み)。7コインだと1枚分お得になって1650円です。
「ワインによっては2枚、3枚が必要なアイテムもありますが、ほとんどが1枚で20cc飲むことができます。例えば白ワインの金・銀・銅と赤ワインの金・銀・銅で計6枚、さらにミネラルウォーター1枚でちょうど7枚ですから、7コインをおすすめしています」。

コインをレジで購入。支払いはすべてキャッシュレスです。

コインをレジで購入。支払いはすべてキャッシュレスです。

コインを投入したら、飲みたいワインのボタンを押すだけ。

コインを投入したら、飲みたいワインのボタンを押すだけ。

お酒を飲む時には“やわらぎ水”は大切です(1コイン)。

お酒を飲む時には“やわらぎ水”は大切です(1コイン)。

ディナーに出かける前に寄るバーというコンセプトなので、フードはナッツやドライフルーツなど乾きもの限定(それぞれ2コイン)です。

ディナーに出かける前に寄るバーというコンセプトなので、フードはナッツやドライフルーツなど乾きもの限定(それぞれ2コイン)です。

金メダルのワインを早速テイスティングしてみました。どちらも間違いなく大好きなタイプで幸せです。

金メダルのワインを早速テイスティングしてみました。どちらも間違いなく大好きなタイプで幸せです。

飲んだら感想や評価などをワインカルテに登録。評価したワインを増やしていくと、さらに好みの精度がアップデートされていくのも魅力です。

800種類のワインから、ワインタイプを活かして購入

スタイリッシュな空間にワインがずらりと並んでいます。

スタイリッシュな空間にワインがずらりと並んでいます。

続いてはショップの紹介。整然と並ぶワインは、トップソムリエが世界中から厳選した約800種類。
「コストパフォーマンスとテイストのバランスを重視して選んでいます」と橋本さん。
ざっと拝見したところ価格帯は3000円台が中心のようですが、1000円台のリーズナブルなデイリーワインに加えて、憧れのプレミアムワインの姿もありました。

何より驚いたのは、陳列が産地や品種別ではないこと。そう38の味わいタイプごとに置かれていて、ここでも自分の味わいタイプを活用してワインを選ぶことができるのです。

産地や品種に関係なく展示されているのは新鮮。QRコードで、より詳しい情報も入手できます。

産地や品種に関係なく展示されているのは新鮮。QRコードで、より詳しい情報も入手できます。

垂涎もののアイテムも数多く、目の保養になります。

垂涎もののアイテムも数多く、目の保養になります。

気になる味わいタイプのゾーンに行ってじっくり眺めるのもたのしいですが、設置されたタッチ式の検索パネルを使えば、ゲーム感覚でワインを探すことが可能。検索内容はプリントアウトでき、目指すべきワインが置かれた場所がすぐにわかります。もちろんスタッフに相談して、アドバイスをもらうことも可能ですよ。

ちなみに魅かれたワインはその場で買わなくても、後日公式オンラインショップでお取り寄せできます。もし持って帰ることができない日でも、ワイン探しをたのしめるのが嬉しいですよね。

図書館で本を探すように、ワインを検索できます。

図書館で本を探すように、ワインを検索できます。

マイカルテでは、ワインとのマッチ度を%で表示。こちらを活かして購入するリピーターが多いそうです。

マイカルテでは、ワインとのマッチ度を%で表示。こちらを活かして購入するリピーターが多いそうです。

購入したワインは自宅で飲んだり、手土産にするのが一般的ですが、wine@EBISUでは、飲食店に“持ち込む”ことを勧めています。ワインを飲食店に持ち込んでたのしむのは欧米ではポピュラーで、BYO(ビー・ワイ・オー/Bring Your Own)と呼ばれています。

「現在お店のある恵比寿エリアで約180店舗、都内で約1000店舗が加盟店となっています。持ち込み料の負担でお気に入りのワインをプロの料理とともに、気兼ねなくたのしむことができると評判です」。

私の実感値としては、レストランで7000円のワインは、市中では2000円台後半で販売されているイメージ。例えば持ち込み料が2000円だとすると、5000円のワインが味わえるのですからとてもお得! このシステムを利用しないという選択はないですね。

こちらが加盟店のサイト。店舗によって持ち込み料が異なります(取材時)。

こちらが加盟店のサイト。店舗によって持ち込み料が異なります(取材時)。

前例のない斬新な発想の体験型ワインショップは、いかがでしたか? 知識の少ないワイン初心者はもちろん、じっくりワインと向き合ってきた愛好家も、一緒にたのしみながらワインに触れられるのが魅力。ぜひパーソナライズワイン診断で自分の味わいタイプを知って、ワクワクするようなひとときを過ごしてみてください。

wine@EBISU
東京都渋谷区恵比寿南1-4-12岩徳ビルⅡ3F
TEL/ 03-6303-3164
営業時間//平日ショップ:12:00~21:00(金曜は~22:00)、バー:16:00~21:00(金曜は~22:00)、土曜ショップ・バーともに12:00~22:00、日・祝日ショップ・バーともに12:00~18:00
定休日/火曜 
アクセス/JR、東京メトロ日比谷線「恵比寿」駅西口より徒歩2分


wine@EBISUの詳細はこちら

※紹介した情報は記事執筆時点のものです。購入・サービス利用時に変更になっている場合がありますのでご注意ください。

ライタープロフィール

とがみ淳志

(一社)日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート/SAKE DIPLOMA。温泉ソムリエ。温泉観光実践士。日本旅のペンクラブ会員。日本旅行記者クラブ会員。国内外を旅して回る自称「酒仙ライター」。

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