タスマニアワインの注目度が上昇中! 冷涼な気候が生み出す魅力とは?

タスマニアワインの注目度が上昇中! 冷涼な気候が生み出す魅力とは?
出典 : sarah1810 / Shutterstock.com

オーストラリア本土の南に位置するタスマニアは、近年、高品質なワインの産地として注目されています。冷涼な気候のなかで生まれるタスマニアワインは、繊細で豊かな酸味が大きな魅力。今回は、タスマニアのワイン造りの特徴や歴史から代表銘柄までその魅力を紹介します。

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目次

  • オーストラリアのタスマニア州は注目のワイン産地
  • タスマニアワインの魅力と特徴
  • タスマニアワインの代表銘柄

タスマニアワインの魅力

タスマニアのワイン生産者の多くは、高品質なワインを少量生産する小規模生産者です。タスマニア全体のワイン生産量はそれほど多くないものの、質の高いプレミアムワインが多く生産されています。

タスマニアではさまざまなブドウ品種からワインが造られていますが、赤ワイン、白ワインともに繊細でフレッシュな酸味を持つものが多く、タスマニアワインの大きな魅力となっています。

高品質でコストパフォーマンスのよいタスマニアワインは、近年はスパークリングワインのベースワインとして需要が高まっていて、オーストラリア本土の生産者やフランス資本の大手企業などに多く供給されています。

一方、市販されているタスマニアのスティルワインは、生産量が少ないことやプレミアムワインが多いことから、あまりお手ごろ価格のものは少ない印象です。

タスマニアワインの生産地域

タスマニアには、島の北から南まで7つのワイン生産地域があります。北部のパイパーズ・リヴァーとテイマー・ヴァレーでは冷涼な気候を活かしたワイン造りが行われ、南部のヒュオン・ヴァレーでは長い時間をかけてしっかりと熟したブドウを用いたワイン造りが行われています。また州都の北のコール・リヴァー・ヴァレーや北西のダーヴェント・ヴァレーは、シャルドネやピノ・ノワール、リースリングといった良質なブドウの産地となっています。

地域による違いを活かして生み出される多様な味わいも、タスマニアワインの魅力といえるでしょう。

タスマニアワインのおもなブドウ品種と特徴

タスマニアではさまざまなブドウが栽培されています。

黒ブドウの品種では、ピノ・ノワールが生産量の多くを占めるほか、ピノ・ムニエ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなども栽培されています。

白ブドウの品種で挙げられるのは、シャルドネやリースリング、ソーヴィニヨン・ブランをはじめ、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネール、グリューナーヴェルトリーナーなどです。

多数のブドウ品種のなかでも、とりわけピノ・ノワールとシャルドネはタスマニアワインの代表的な品種として知られ、多くのスパークリングワインやスティルワインの原料となっています。それぞれのおもな特徴は以下のとおりです。

【ピノ・ノワールの特徴】
冷涼で乾燥した気候で栽培されるピノ・ノワールは、栽培が難しい品種といわれています。ピノ・ノワールのワインは明るいルビー色をしていて、香りは産地によって異なります。
タスマニアのピノ・ノワールは淡いルビー色の外観にフランボワーズ(ラズベリー)やイチゴなどの赤い果実の香りを持ち、さわやかな酸味となめらかなタンニンが特徴です。

【シャルドネの特徴】
シャルドネは「白ブドウの女王」と呼ばれ世界中で広く栽培されていますが、産地やワイン生産者によって味わいに大きな変化が出る品種です。冷涼な地域では上品な酸味が引き立ち、温暖な地域ではまろやかな味わいになる傾向があります。
タスマニアのシャルドネは黄色がかった色合いをしていて、柑橘系のすっきりとした酸味やリンゴの果実味があるのが特徴です。

タスマニアワインの代表銘柄

タスマニアワインの代表銘柄

Per Bengtsson / Shutterstock.com

タスマニアワインの代表銘柄1:ジョセフ・クローミー

タスマニアでもっとも成功しているブランドのひとつ「ジョセフ・クローミー」は、「タスマニアの父」といわれる実業家のジョセフ・クローミー氏のブランドです。ジョセフ・クローミー氏は、チェコからの移民としてタスマニアに渡って以降、食肉業から土地開発産業、ワイン産業と多方面で成功を収め、タスマニアの発展に大きく貢献した功労者として知られています。

「ジョセフ・クローミー」のワイナリーはタスマニア北部の内陸に位置するテイマー・ヴァレーの南にあり、冷涼で安定した気候と最先端の技術によって高品質なワインが生産されています。

ブドウ品種は、ピノ・グリ、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、リースリング、ゲヴュルツトラミネールといった白ブドウとピノ・ノワールを栽培していて、高級スパークリングワインやリースリング種の貴腐ワインも造られています。

「ジョセフ・クローミー」のワインはタスマニアのブドウならではの特徴を大切にするよう配慮された設備や製法によって生み出されていて、ブドウの繊細な風味が活かされた豊かな果実味とミネラル感が魅力となっています。

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