タスマニアワインの注目度が上昇中! 冷涼な気候が生み出す魅力とは?

タスマニアワインの注目度が上昇中! 冷涼な気候が生み出す魅力とは?
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オーストラリア本土の南に位置するタスマニアは、近年、高品質なワインの産地として注目されています。冷涼な気候のなかで生まれるタスマニアワインは、繊細で豊かな酸味が大きな魅力。今回は、タスマニアのワイン造りの特徴や歴史から代表銘柄までその魅力を紹介します。

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目次

  • オーストラリアのタスマニア州は注目のワイン産地
  • タスマニアワインの魅力と特徴
  • タスマニアワインの代表銘柄

オーストラリアのタスマニア州は注目のワイン産地

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タスマニア州の気候や土壌はワイン造りに最適

タスマニアは、南半球オーストラリアの南海岸沖に位置する島です。島の面積の3割以上が国立公園や自然保護地区にあたり、自然豊かな希少動物の生息地として知られています。

また近年は高品質なワインの産地としても注目されています。あまり知られていませんが、タスマニア全体のワイナリー(ブドウ畑)の数は約230にものぼり、それぞれで独自のワイン造りが行われているのです。なお、タスマニアがワイン産地として発展した理由としては、以下のような要素が挙げられます。

◇冷涼な気候
タスマニアは緯度が高く、フランスやドイツの一部地域と同じ「海洋性気候」に属する、オーストラリアのなかでも冷涼な気候のワイン産地です。ブドウの熟成が進むといわれる秋の期間が長く、自然な酸味を持つ高品質なブドウを生み出せるといわれています。

◇水はけのよい土壌
タスマニアは水はけのよい粗粒玄武岩の堆積物が広く分布していて、ブドウの長期熟成に適した土壌となっています。

◇害虫や病気が少ない環境
周囲を海に囲まれた島であるタスマニアは、ほかからの影響を受けにくく、ブドウ栽培の敵である害虫や病気などが少ないという地の利があります。19世紀末に世界中で猛威を振るった「フィロキセラ」による被害も少なく、樹齢の長いブドウの木も多く存在しています。

タスマニアのワイン造りの歴史

タスマニアでは、19世紀前半にはブドウ栽培が開始されていたという記録が残っています。しかし気候が涼しすぎるため、ブドウ栽培に適さないと判断され、長らく本格的なブドウ栽培が行われていませんでした。

ところが、1970年代になってタスマニア各地の気候の調査が進むと、北部のパイパーズ・ブルック地区がワイン造りに適していることがわかりました。タスマニアでは地形の影響により各地で気候が異なり、地域によってはブドウ栽培に適していることが明らかになったのです。

その後タスマニアは、おもにスパークリングワインのベースとなるベースワイン用のブドウの産地として知られるようになりました。また近年では、タスマニアで造られた質の高いスティルワイン(赤・白・ロゼ)も人気となっています。

タスマニアは地球温暖化でワイン産地として注目されるように

近年、タスマニアがワインの産地として注目されている理由のひとつとして、地球温暖化の影響も挙げられます。

温暖化によって、北欧の国々などかつてはブドウ栽培には寒すぎるとされていた地域でもワイン造りが行われるようになってきました。その一方で、もともと造られていた地域で、従来のワインの味わいが変わってしまうという事態も生じています。

オーストラリアでも温暖化によってブドウの熟成のスピードが早まり、収穫時期が早まったり糖度が上がったりといった影響が出ています。とくにフレッシュな酸が魅力のブドウ品種にとって、望ましくないものとなっているようです。

このように世界のワイン産地の状況が変化するなか、繊細で豊かな酸を持つワインが生産できる産地として冷涼な気候であるタスマニアが注目されるようになったのです。

タスマニアワインの魅力と特徴

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