メスカルはテキーラと同じくメキシコ産の蒸溜酒。テキーラとの違いは?
メスカルは、テキーラと並んでメキシコを代表する蒸溜酒です。日本ではまだあまりなじみがないかもしれませんが、本場・メキシコやアメリカを中心に、世界的なブームが到来しつつあります。今回は、そんな要注目のお酒、メスカルの魅力を紹介します。
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目次
- メスカルはどんなお酒?
- メスカルとテキーラはどう違う?
- メスカルの魅力を知ろう
メスカルはどんなお酒?
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メスカルはメキシコ産の蒸溜酒
メスカルはテキーラと同じくメキシコ産の蒸溜酒で、「アガベ」と呼ばれる多肉植物を原料としています。アガベの葉を切り落とした「ピニャ」と呼ばれる球茎部分を蒸し焼きにし、搾り取った汁を発酵させ、さらに蒸溜して造られます。
メスカルは、シャンパンやコニャック、テキーラなどと同様に、特定の原産地のものだけが呼称を許される「原産地呼称」のお酒です。現在はメキシコの9つの州(オアハカ、ドゥランゴ、サカテカス、タマウリパス、グアナファト、サンルイスポトシ、ミチョアカン、ゲレロ、プエブラ)で造られているものだけが「メスカル」と呼ばれます。
メスカルの原料、アガベとは?
メスカルの原料となる「アガベ」は、アロエの仲間である多肉植物。「竜舌蘭(りゅうぜつらん)」とも呼ばれ、メキシコやアメリカ南部に多く見られます。
ひと口に「アガベ」といっても、地域ごとに数多くの種類があり、それぞれ特徴が異なります。現在、メスカルに使用されるアガベは50種類以上もあり、これらを組み合わせて、それぞれ異なる味わいを持ったメスカルが造られています。
メスカルとテキーラはどう違う?
Edgar Xolot/ Shutterstock.com
メスカルは「テキーラの母」
メスカルとテキーラは、どちらもアガベを原料とした蒸溜酒のため、よく混同されます。じつは、テキーラはメスカルの一種。メスカルのなかでも、特定地域で栽培される「アガベ・アスール・テキラーナ(別名ブルーアガベ)」を使って、その地域で造られるものだけが「テキーラ」と呼ばれます。
メスカルは、約500年前からメキシコ各地で造られてきました。メキシコには、それ以前からアガベの汁を使った「ブルケ」という伝統的なお酒があり、16世紀にスペイン人によって蒸溜技術がもたらされたことで、ブルケを蒸溜したメスカルが生まれたのです。
その後、約200年前に産業革命を迎えると、メスカルの一種であったテキーラが大量に生産され、世界各地で認知されるようになりました。メスカルが「テキーラの母」と呼ばれるのは、こうした歴史を踏まえてのことです。
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