「バーレーワイン」はワインじゃなくてビール!? おいしい飲み方やおすすめの銘柄も紹介
「バーレーワイン(バーレイワイン)」というお酒を知っていますか? 「ワイン」という名前がついていても、じつはビールの一種です。今回は贅沢な造りの「バーレーワイン」にフォーカス。原料や製法、おすすめの銘柄を紹介するとともに、その魅力に迫ります。
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目次
- なぜ「バーレーワイン」はビールなのに「ワイン」なのか?
- 「バーレーワイン」の味わい方は?
- 「バーレーワイン」のおすすめ国産銘柄
なぜ「バーレーワイン」はビールなのに「ワイン」なのか?
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「バーレーワイン」は大麦で造る酒の意味
「バーレーワイン」とは、「大麦(barley:バーレー)で造る酒(ワイン)」という意味で、イギリスで生まれたビアスタイル(ビールの種類)のひとつ。エールビールと同じ上面発酵で、長期熟成させて造るのが特徴です。
「バーレーワイン」のような長期熟成ビールの発祥時期には諸説ありますが、18~19世紀ころとする説が有力。イギリスは冷涼な気候なため、ワインの原料であるブドウ栽培にはあまり適していません。そのため、ヨーロッパ各地でワインが造られ人気を集めるなかで、ワインに対抗できるお酒を目指して造られるようになったといわれています。
「バーレーワイン」という名称の始まりとは?
「バーレーワイン」の名が本格的に広まったのは、20世紀に入ってからのことです。それまで長期熟成ビールは、「モルトワイン」「オールドエール」「ストロングエール」「ストックエール」などと呼ばれていたそう。
1903年、イギリスのビールメーカー・バス社が「バス No.1 バーレーワイン」という名のビールを販売します。バス社のエールビールのなかでもっともハイアルコールで、ワインと同等くらいのアルコール度数のため、この名前がつけられたとか。これが「バーレーワイン」という名称の始まりといわれています。
「バーレーワイン」は手間暇かけて造られる贅沢なビール
「バーレーワイン」は長期熟成と瓶内二次発酵という手法で、手間暇かけて造られるビールです。それぞれの特徴を紹介しましょう。
【長期熟成】
ふつうのエールビールの熟成期間は数日から数週間程度ですが、「バーレーワイン」は樽の中で少なくとも半年から1年、長いもので10年ほどじっくり熟成させます。そのため高アルコールのビールに仕上がるのが特徴。一般的なビールのアルコール度数は5%前後なのに対して、「バーレーワイン」は7~14%ほどとワイン並みです。