「酒の肴」とは? 読み方や語源、「あて」「おつまみ」との違いなどを紹介

「酒の肴」とは? 読み方や語源、「あて」「おつまみ」との違いなどを紹介
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「酒の肴(さかな)」とは、お酒とともにたのしむ食べ物のことです。今回は、酒の肴の意味や読み方、語源、「肴」の正しい使い方、「あて」や「つまみ」との違いをくわしく解説。日本酒のタイプ別におすすめしたい酒の肴や、低カロリーの酒の肴も紹介します。

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さっそく酒の肴がどういうものかみていきましょう。

「酒の肴」はどんな意味?

酒の肴の概要

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「酒の肴」とは、お酒とともにたのしむ食べ物を意味する言葉です。

酒の肴にはもうひとつ、酒の席を盛り上げるための話題や事柄という意味もあります。たとえば、「学生時代の思い出話を酒の肴にして飲む」といった使い方をします。

どちらも、お酒を飲む際に添えられるものという意味合いがありますが、今回は食べ物のほうの「酒の肴」について紹介していきましょう。

「酒の肴」の語源は?

酒の肴の語源

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「酒の肴」の「肴」の語源は、酒を意味する「さか」と、副食物の総称の「な」を組み合わせた「さかな」という言葉に、中国から伝わった、骨つきの肉などの意味を持つ漢字の「肴(こう)」をあてたものと考えられています。次からくわしくみていきましょう。

「肴」の読み方は?

「肴」の読み方は「こう」「な」「さかな」で、「酒の肴」の「肴」は「さかな」と読みます。

なお、「酒肴」と書いたときは「しゅこう」と読み、「酒の肴」または「酒と肴」を表します。

肴の読み方

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「肴」の語源とは?

前述したように、「肴」の語源は、酒を意味する「さか」と、副食物の総称の「な」を組み合わせた「さかな」という言葉に、骨つきの肉などの意味を持つ漢字の「肴(こう)」をあてたものとされています。

「さかな」というと、魚類を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、魚類を指す言葉としてはもともと「イヲ」や「ウヲ」が用いられていました。魚類を「さかな」と呼ぶようになったのは江戸時代以降のことのようです。

一方、「酒の肴」の意味での「さかな」は、1300年ほど前の奈良時代の地誌『常陸風土記(ひたちふどき)』にみられ、そこではすでに「肴」が使われています。長い歴史を有する言葉なのです。

酒の肴は本来誤用

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「酒の肴」は日本語的には間違っている!?

「酒の肴」という表現は、日本語としては正しくありません。

漢和辞典の『普及版 字通』(白川静著/平凡社)によれば、「肴」はこの一字だけで「酒に添えるつまみのもの」という意味を持っています。

「酒の肴」とすると二重表現となり、意味も「酒の酒に添えるつまみもの」というおかしなものになってしまいます。

とはいえ、「酒の肴」と表現されていることもしばしばみられ、辞書によっては見出し語にもなっています。誤用が定着した例といえるでしょう。

正しい日本語を求められたときに「肴」と表現するのはもちろんですが、くだけた場などで慣用的に「酒の肴」を使う分には、許容される現状があるのです。

酒の「肴」と「あて」「つまみ」の違いとは?

肴とあての違い

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「肴」と「あて」「つまみ」は、いずれもお酒とともにたのしむ食べ物を意味する言葉ですが、「あて」は関西の方言、「つまみ」は肴のうち、つまんで食べられるようなかんたんなものを指すという違いがあります。

「肴」と「あて」は何が違う?

「肴」と「あて」の違いは、「あて」が関西で使われる方言というだけで、どちらもお酒とともにたのしむ食べ物という意味を持っています。

関西ではなぜ「肴」のことを「あて」と表現するのか、その理由について、一説には「酒席にあてがうおかず」が語源とされていますが、はっきりとしていないようです。

肴とつまみの違い

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「肴」と「つまみ」は何が違う?

「肴」と「つまみ」の違いは、「肴」がお酒とともにたのしむ食べ物全般を指すのに対して、「つまみ」は「肴」のうち、スルメや枝豆、エイヒレなど、つまんで食べられるかんたんなものを意味している点にあります。

「つまみ」は漢字で「摘み」と書き、接頭語をつけたていねいな言い方である「おつまみ」という言葉も一般的となっています。

編集部おすすめの「酒の肴」を一挙紹介!

おすすめの酒の肴

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まずは、日本酒に合う酒の肴をタイプ別に紹介します。

日本酒のタイプ別におすすめしたい酒の肴

酒の肴は、日本酒との相性に注目して選ぶとよいでしょう。さっそく、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が考案した、4つの日本酒のタイプ別におすすめしたい酒の肴をチェックしていきます。

【薫酒(くんしゅ):香りが高いタイプ】

大吟醸酒、吟醸酒などに多い、フルーティーで華やかな香りと軽やかな味わいが特徴の「薫酒」には、白身魚の刺身やマリネ、変わったところでは生春巻きなど、素材の持ち味を活かした、比較的あっさりとした味わいの酒の肴がよく合います。

【爽酒(そうしゅ):軽快でなめらかなタイプ】

本醸造酒、生酒などに多い、香りが控えめでキレのよい軽快な飲み口の「爽酒」には、そばや野菜のテリーヌなどシンプルな味わいの酒の肴がおすすめ。また、キレが油脂分を洗い流してくれるため、鶏の唐揚げやサンマの塩焼きなどとも好相性です。

【醇酒(じゅんしゅ):コクのあるタイプ】

純米酒や生酛(きもと)系のお酒に多い、旨味たっぷりな飲み口が特徴の「醇酒」には、ブリ大根やおでん、牛肉のステーキなどしっかりとした旨味のある酒の肴がぴったり。生酛系のお酒にはグラタンなど乳製品を使った料理もおすすめです。

【熟酒(じゅくしゅ):熟成タイプ】

古酒や熟成酒など、複雑な香りや重厚な味わいを特徴とする「熟酒」には、山椒風味のウナギの蒲焼きやフォアグラのソテーなど、スパイスを利かせた酒の肴や油脂成分の多い料理がおすすめ。また、甘味が強い熟酒には、チョコレートやナッツ類などを使ったデザートと合わせるのもよいでしょう。

日本酒と酒の肴との相性は温度もポイントのひとつ。たとえば、すっきりさわやかにたのしめる冷酒は、刺身など冷たくてさっぱりした料理とよく合います。

一方、まろやかな飲み口を堪能できる燗酒は、鍋料理や煮込み料理など、温かな料理と合わせるのがおすすめです。

(参考資料)
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)

低カロリーの酒の肴

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体重が気になる人へ!低カロリーの酒の肴

比較的低カロリーの酒の肴としては、野菜やキノコ、豆腐、タコやイカ、ホタテなどの魚介類などを使った料理がおすすめです。

油脂類や調味料を使って調理するとカロリーが増える傾向があるので、できるだけシンプルな形で食べるのがポイントとなりそうです。

「文部科学省 食品成分データベース」によると、たとえば、ドレッシングなしの冷やしトマトや、焼き鳥屋さんなどでも出される生キャベツなら20キロカロリー(以下、すべて可食部100グラムあたりの数値)。焼いたエリンギなら41キロカロリーしかありません。

もともとカロリーが低い野菜については、塩分の摂りすぎに気をつけながら、漬け物として食べるのもよいでしょう。ゆでたもので13キロカロリーしかないハクサイは、キムチにしても27キロカロリー、生で13キロカロリーのキュウリは、ぬかみそ漬けにして28キロカリーという低カロリーぶりです。

タンパク質も豊富な豆腐は、種類によってカロリーが異なりますが、絹ごし豆腐は56キロカロリー、木綿豆腐は73キロカロリーといずれも低カロリー。ネギやカツオ節をぱらりとかけた冷ややっこも、低カロリーな酒の肴といえるでしょう。

魚介類では、75キロカロリーの蒸したマダコ、79キロカロリーのヤリイカの刺身、82キロカロリーのホタテガイの貝柱の刺身などがおすすめです。

ちなみに、精米したうるち米を炊いたご飯のカロリーは156キロカロリー。上で挙げた低カロリーな酒の肴のカロリーと比較してみてくださいね。

なお、気をつけたいのは食べ過ぎです。一つひとつのカロリーが低くても、食べれば食べるほど摂取カロリーは増えてしまいます。低カロリーの酒の肴であっても山ほど食べることがないよう、適度な量を心がけましょう。

日本酒は和食との相性がよい一方、タイプによって、洋食や中華料理、エスニック料理など、さまざまな料理との組み合わせがたのしめるお酒でもあります。おおまかな傾向は上述のとおりですが、組み合わせをいろいろ試して、自分好みの酒の肴を探してみてくださいね。

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