アルコール度数9パーセントのビール!? 高アルコールビールの魅力

アルコール度数9パーセントのビール!? 高アルコールビールの魅力
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一般的なビールのアルコール度数は4.5〜5パーセントが主流ですが、6〜7パーセントや、なかには9パーセントという高い度数の銘柄もあります。高アルコールビールはなぜ登場したのでしょうか。今回は、その理由や魅力、たのしみ方を探っていきましょう。

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高アルコールビールの魅力とは?

高アルコールビールの魅力とは?

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「もの足りない」を解消する高アルコールビール

アルコール度数の高いビールは、「ストロングビール」とも呼ばれています。近年、大手ビールメーカーやクラフトブルワリーから次々と高アルコールビールが登場し、注目を集めています。

高アルコールビールの度数は約7〜9パーセントと高め。これは、やや弱めのワインと同じくらいの度数です。

そもそも通常のビールは、ほかのお酒と比べてアルコール度数が低いので気軽に飲みやすいのが利点ですが、一方で、「もの足りない」と考える人もいます。そんな人たちのニーズに応えるために、高アルコールビールが生まれたのです。

高アルコールビールには2タイプある

高アルコールビールには、大きく分けて2つの種類があります。

ひとつは、アルコール度数の高さを前面に押し出したもので、醸造工程で、アルコール度数の高いスピリッツ(蒸溜酒)を加えて造られるもの。発泡酒や新ジャンルのビールで「ストロング」と謳っているものは、この方法で醸造されているものが多いようです。

もうひとつは、ベルギーやドイツなどの伝統的なビールの製法で造られたもの。たとえば、「オールドエール」や「バーレイワイン」といったビアスタイル(ビールの種類)は、ワインのように半年から数年をかけて熟成させて造ります。そうすることで、アルコール度数が高いだけでなく、豊かな風味と麦の甘味がより強く感じられるようになるのです。

後者の方法は、おもにクラフトブルワリーが造るビールに見られ、濃厚で高アルコール度数ならではの味わいが追究されています。

高アルコールビールのたのしみ方

高アルコールビールのたのしみ方

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9パーセント前後の高アルコールビールはちびちび飲む

普通のビールは、液体を一気にのどに流し込み、ゴクゴクと飲み干すのが醍醐味といえます。しかし、アルコール度数9パーセント前後のビールは、ちびちびと少しずつ飲むのがおすすめ。1杯のビールに1時間ぐらいかけてもよいほどです。

そうすると、時間の経過にともなって、香りや味が変化していくのをたのしめます。リラックスしながら、落ち着いた雰囲気でお酒を飲みたいときに、高アルコールビールを選んでみてはいかがでしょう。

9パーセント前後の高アルコールビールでビアカクテルを作ってみる

高アルコールビールでビアカクテルを作ってみるのもおすすめ。通常のビールよりもアルコール度数が高いので、ジュースを加えてもしっかりとした味わいのカクテルが作れます。

たとえば、次のようなビアカクテルに挑戦してみてはいかがでしょう。

【レッドアイ】

グラスの半分までトマトジュースを注ぎ、その上から、ジュースとビールの割合が1:1になるようにビールを注ぎます。お好みで塩やコショウ、レモンを加えてもOK。

【グレープフルーツパナシェ】

グラスの半分までグレープフルーツジュースを注ぎ、ジュースとビールが1:1になるようにビールを注げばできあがり。

ビールはあとから注ぐのがポイント。そうすると泡立ちのよいビアカクテルになります。

また、カクテルではありませんが、オレンジやグレープフルーツといった柑橘系のジュースで氷を作ってグラスに入れ、高アルコールビールを注いで飲むのもおすすめ。氷が溶けるとともに、ビールにさわやかな味わいが加わりますよ。

高アルコールビールのおすすめの銘柄

高アルコールビールのおすすめの銘柄

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濃厚な味わいと香りが魅力の「アサヒ スタウト」

イギリスの伝統的な製法で造られる「スタウト」というビアスタイルのビールです。アルコール度数は8パーセント。日本で発売されているビールの多くがラガータイプですが、これは濃厚な味わいと豊かな香りをたのしめるエールタイプのビールです。

見た目はスタウトならではの黒色。モルトの香ばしい香りとエステル香、さらには醤油やシェリーを思わせる香りも漂います。しっかりとした苦味があり、酸味も強く複雑な味わいです。

スタウトは、あまり冷さないのがおいしく飲むコツ。おおよそ12度くらいが飲みごろなので、冷蔵庫から出して、10分ほどしてから飲むのがよいでしょう。

ワインのような重みの「やばいやばい ストロングスコッチエール」

静岡県のクラフトブルワリーが造る「やばいやばい ストロングスコッチエール」は、アルコール度数8パーセントの高アルコールビール(季節限定商品)。フルボディのワインのように重みがあり、口に含むと高アルコールビールならではの熱さを感じます。ポートワインやシェリーのようなほのかな酸味もあり、後味も余韻が長く続くのが魅力です。

ちなみに、スコッチエールは、スコットランドのエディンバラで開発されたビアスタイルで、おもにベルギーへの輸出用として開発されました。エール・ビールとはいえ、比較的低い温度で発酵させて造るため、糖分がほどよく残り、丸みのある味わいに仕上がるのが魅力です。

麦芽の味わいを堪能したい「プレミアムロック・ボック」

「プレミアムロック・ボック」は、山梨県のクラフトビールメーカー・八ヶ岳ブルワリーが造る高アルコールビールです。アルコール度数は7パーセント。

ボックは、ドイツのアインベックで生まれたビアスタイル。ラガー・ビールの一種で、濃厚で芳醇な味わいが特徴です。

「プレミアムロック・ボック」は、ドイツ、カナダ、イギリス産の3種の麦芽をふんだんに使い、麦芽の味に奥行きを持たせています。厳選したチェコ産ファインアロマホップとドイツ産のビターホップを大量に投入して上品な苦味を加味。さらに、約9週間の長期にわたり熟成を行うことで、コクと旨味のあるビールに仕上げています。

飲み口が小さいチューリップ型のグラスで飲むと、よりこのビールの風味を堪能できます。

※各商品の情報は2020年9月時点のものです。

7~9パーセントの高アルコールビールは、アルコール度数の高さに目がいきがちですが、通常のビールとは異なる風味にも注目したいところ。こだわりの製法で造られているものも多いので、じっくり時間をかけて堪能してみてはいかがでしょう。

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