「ストロングビール」が若者を中心に人気!

「ストロングビール」が若者を中心に人気!
出典 : Dusan Petkovic/Shutterstock.com

「ストロングビール」と呼ばれるビールが、近年、若い世代を中心に注目を集めています。まだ明確な定義はありませんが、一般的にはアルコール度の高いビールが「ストロングビール」と呼ばれているようです。なぜそうしたビールが登場し、人気を集めているのか、その背景や魅力を探ってみましょう。

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「ストロングビール」とはどんなビール?

「ストロングビール」とはどんなビール?

Zaneta Baranowska/Shutterstock.com

「ストロングビール」とは、高アルコール度数のビール

「ストロングビール」と呼ばれるビールが、近年、大手メーカーやクラフトブルワリーから次々と登場し、注目を集めています。
「ストロングビール」とはどんなビールか、まだ明確な定義があるわけではありませんが、一般的には、通常のビールよりもアルコール度数の高い、言わば“アルコールの強いビール”を「ストロングビール」と呼んでいるようです。
なお、通常のビールではアルコール度数が4.5~5パーセントですが、「ストロングビール」は、商品にもよりますが、7~9パーセント程度で、少し弱めのワインと同じくらいです。

「ストロングビール」が注目を集める理由は?

「ストロングビール」が近年、若者を中心に人気を集めている大きな理由は、そのアルコールの強さにあります。
そもそもビールは、ほかのお酒と比べてアルコール度数が低めで、「とりあえずビール」と言われるように、お店や自宅で気軽に飲めるお酒とされています。その一方で、お酒好きのあいだでは「もの足りない」「コスパがよくない」という印象もあったようなのです。
アルコール度数の高い「ストロングビール」は、こうした不満を抱えていた人々のニーズに合致し、じわじわと人気を拡大しています。

「ストロングビール」には2つの潮流が

「ストロングビール」と一口に言っても、大きく2つの潮流があり、それぞれ製造方法が異なります。
ひとつは、高アルコール度数そのものを目的としたようなもので、ビール(正確にはビールテイスト酒類)の製造過程でアルコール度数の高いスピリッツ(蒸溜酒)などを付加する方法で造られるものが多いようです。発泡酒や新ジャンルのビールテイスト飲料などで「ストロング」とうたわれているものの多くは、このケースだと思われます。
もうひとつの潮流は、ベルギーやドイツなどの伝統的な製法を受け継ぎ、濃厚かつ高アルコール度数な味わいを追求したもの。麦芽などの主原料を通常よりも多く使用して造られるぜいたくなもので、おもにクラフトビールのブルワリーで行われています。

「ストロングビール」の開発に力を入れる大手ビールメーカー

「ストロングビール」の開発に力を入れる大手ビールメーカー

El Nariz/Shutterstock.com

「ストロングビール」に見られる大手ビールメーカーの戦略

「ストロングビール」を含め、アルコール度数の高い「高アルコール飲料」が、近年、コンビニやスーパーのお酒コーナーに数多く並んでいます。
その背景には、若い世代を中心とした、よりコストパフォーマンス(ここでは価格に対するアルコール量の多さ)の高いお酒へのニーズの高まりがあります。ストロング系缶チューハイの人気を受け、こうしたニーズに応えるべく登場したストロングビールを大手ビールメーカーが開発・販売する状況が生まれ、「ストロングビール市場」という新たな小カテゴリーが生まれたのです。

「ストロングビール」の代表銘柄を紹介

大手ビールメーカーによる代表的な「ストロングビール」としては、キリンビールからはアルコール度数7パーセントの新ジャンル「キリン のどごしSTRONG」が、アサヒビールからはアルコール度数8パーセントのビール「アサヒ スタウト」などが販売されています。サントリーやサッポロビールも、最近まで「ストロングビール」を販売していましたが、現在の商品ラインナップには入っていないようです。
ただし、「ストロングビール」は新しいカテゴリーだけに、商品の入れ替えが激しく、期間限定の商品も多いので、今後も新たな「ストロングビール」が開発される可能性はありそうです。

※2020年1月時点の情報です。

「ストロングビール」を生み出す全国各地の多彩なブルワリー

「ストロングビール」を生み出す全国各地の多彩なブルワリー

Kirill Z/Shutterstock.com

クラフトビールはアルコール度数が高め?

「ストロングビール」は、前述したように、クラフトビール業界でも注目されています。
もともとクラフトビールは、大手メーカーが造る、飲みやすいラガービール一辺倒の状況へのアンチテーゼとして発展してきたという一面も。ラガービールの「ライトな味わい」に対し、より濃厚で飲み応えのある「ストロングな味わい」を志向する傾向もあり、香りや苦味、コクだけでなく、アルコール度数が高いビールも数多く登場しています。
実際、多くのブルワリーで、「ペールエール」や「IPA(インディアペールエール)」「スタウト」「ボック」など、さまざまなスタイルの「ストロングスタイルなビール」が造られ、人気を集めています。

クラフトビールのブルワリーによる「ストロングビール」

日本のクラフトブルワリーが手掛けるストロングビールとしては、全国的に有名なベアードビール(静岡)の「ストロングスコッチエール」をはじめ、八ヶ岳ビール(山梨)が手掛ける長期熟成の「プレミアムロック・ボック」、ひでじビール(宮崎)の「宮崎ひでじビール 栗黒」、箕面ビール(大阪)の「W-IPA」など、全国各地に数多くの銘柄が存在します。
「ストロングビール」好きの人は、ぜひいろいろと探してみてください。

ひと口に「アルコール度数が高いビール」といっても、さまざまなスタイルのビールがあります。みなさんも、お気に入りの「ストロングビール」を見つけて、気分よく酔えるとよいですね。

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