初心者でも失敗しない! ワインの開け方&コルク栓の抜き方を指南

初心者でも失敗しない! ワインの開け方&コルク栓の抜き方を指南
出典 : Yulia Grigoryeva/ Shutterstock.com

ワインの味を覚えたら、スマートにたのしみたくなるもの。飲み方や注ぎ方はもちろんのこと、コルクの抜き方も身につけておきたいものです。今回は、ワインボトルのコルク栓にフォーカスして、初心者でも失敗しない、スマートな開け方を紹介していきます。

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ワインの栓には種類がある

ワインの栓には種類がある

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ワインボトルの栓は多種多様

ワインの栓というと、円筒形のコルクを思い浮かべる人が多いと思いますが、実際はマッシュルーム型のものもあれば、キャップ型のものなど多種多様。コルク以外の素材で作られたものも多く、プラスティックなどの合成コルクやガラス栓、ワイン専用のスクリューキャップ「ステルヴァン」、王冠など、さまざまな材質・形状の栓が使われています。

近年は、手軽に飲めるようにとの配慮から、ワインオープナーがなくても開け閉めができるガラス栓やスクリューキャップを採用するワインも増えていますが、今も多くのワインにコルク栓が使われています。

コルク栓の種類を知ろう

ワインのコルク栓にはいくつか種類があります。代表的なものを見ていきましょう。

【天然コルク】

ギリシャ・ローマ時代から栓として使われていたのが、コルク樫の木の皮から円筒状に打ち抜いて作られる天然のコルクです。高級なワインほど樹齢を重ねた木目の細かいものが使われます。近年は質のよいコルク樫の調達が難しく、またコルク成形後に行う塩素消毒がもと(諸説あり)で、稀に「ブショネ(ブッショネ)」と呼ばれるコルク臭が発生する可能性があることから、合成コルクやスクリューキャップに移行するケースもあるようです。

【圧搾コルク】

20世紀初頭から使われ始めたのが、圧搾(あっさく)コルク。コルク樫の樹皮から天然コルクを型抜きした残りの部分を粒状に砕いて円筒形に固めたもので、「テクニカルコルク」とも呼ばれています。目地が均一で天然コルクのような木目はありませんが、安価で、密閉性があるのが特徴で、ワイン栓のほかに、キャンディポットなどのフタなどに使われることもあります。ただし、圧搾コルクは天然ものよりももろく、またコルク臭の問題とも無縁ではありません。

【一部天然・一部圧搾コルク】

圧搾コルクの両端に天然コルクを貼ることで強度や耐久性を高めたもの。天然コルクに近い高級感と手ごろな価格が魅力です。

【合成コルク】

別名「樹脂製コルク」。20世紀終盤に登場し、アメリカやオーストラリアを中心に人気を集めたプラスティック性のコルク栓です。21世紀以降はヨーロッパにも浸透し、日本でも複数のメーカーが採用しています。おもにカジュアルラインのワインに使用されています。

【スパークリングワイン用コルク】

スパークリングワインには、ズシッと重みのある密度の高いコルクが使われます。ポンと音を立ててボトルから抜けたときはマッシュルーム型をしていますが、打栓前はワインのコルクと同じ円柱形をしています。スパークリングワインに含まれるガスが抜けてしまわないよう専用の機械で圧縮して打栓するため、マッシュルームのような形に変形してしまうそう。

ワインにコルク栓が使われる理由

ワインにコルク栓が使われる理由

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コルクに関する基礎知識

コルクの原料は、コルク樫(コルクガシ)というブナ科の常緑高木。原産地はポルトガルやスペイン、イタリア、フランスといった地中海沿岸地域です。

コルク樫は、樹齢20年ほどに育つと幹のまわりに厚さ4〜5センチほどのコルク層が形成される木で、それを剥ぎ取り、型抜きまたは粉砕してワイン栓に使用します。一度コルク層を剥ぎ取っても数年後には再びコルク層を生成するため、最初の収穫後は9〜12年ごとに収穫が行われます。1本のコルク樫から約12回にわたってコルク層の収穫ができるそう。

ワインボトルにコルク栓が使われる理由

コルクは弾力性や柔軟性に富んだ材質と、液体や空気を通さない性質がワインの熟成に向いていることから、17世紀末ごろよりワイン栓として用いられるようになりました。

かつてはその密閉性と酸や腐敗に強い性質から、ワイン栓に最適と考えられていましたが、良質なコルクの減少とスクリューキャップの普及により、その地位が揺らぎ始めているのも事実。また、一時はコルクが微量の空気を通すことでボトル内のワインが呼吸をして、熟成が促されるといった説もありましたが、これには賛否あるようです。

ワインオープナーを選ぼう

ワインオープナーを選ぼう

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ワインオープナーの種類と使い方

ワインオープナーには、大きく分けて5種類あります。それぞれの特徴を紹介します。

【ウイング式】

美しいデザインと開けやすさで選ぶなら「ウイング式」がよいでしょう。スクリュー部分をコルクに回し入れてボトルの口に固定し、左右のウイングを両手で下げると、テコの原理でコルクが引き上がります。若干大きめですが、初心者にも手軽に使えるうえ、インテリアにもなじむので日常使いにおすすめです。

【スクリュープル】

ボトルにセットしてスクリューをコルクに刺し、ハンドルを時計回りにくるくると回すだけ。力を加えなくても自然とコルクが上がってくるので、最近人気のオープナーです。

【ソムリエナイフ】

ソムリエが使用するワイン専用のオープナー。フックがひとつのシングルアクションと、フックが2つのダブルアクションの2種類あり、後者のほうが難易度は低めです。いずれもテコの原理を活用するものですが、ちょっとしたテクニックの習得が必要です。

【T字型】

もっとも古典的なものが、スクリューとハンドルがTの字に組み合わされたこのタイプ。スクリューをコルクの中央に回し入れ、手の力で引き上げるだけのシンプルな仕組みです。難易度はやや高め。

【はさみ型】

コルクに穴を開けずに開栓できるのが、このタイプ。長さの異なる2枚の刃をコルクと瓶の間に差し込み、左右に振りながら根元まで押し入れたら、あとはレバーを回転させながら引き抜くだけ。年代物のワインの開栓にも役立ちます。別名「プロングタイプ」。

このほか、電動でコルクを抜くオープナーもあります。失敗なくたのしみたい人は、こちらも選択肢に加えるとよいでしょう。

ワインオープナーの選び方

ワインオープナーはタイプによって使い勝手が異なります。コルクワインの開栓に初めて挑戦する人や、失敗せずに開けたいという人はウイング式を、握力に自信のない人はスクリュープルからスタートしてみてください。

格好よく開栓したい人やワイン上級者は、ソムリエナイフを選ぶとよいでしょう。それなりにテクニックや慣れが必要になりますが、同席する人にスマートな印象を与えられます。

なお、コルクがもろくなった年代物のワインを開ける場合は、はさみ型がおすすめです。

同じ種類のオープナーのなかにも形状の異なるタイプがあるので、比較検討のうえ、自分に合ったものを選んでください。

ワインのコルク栓をスマートに開けるコツ

ワインのコルク栓をスマートに開けるコツ

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キャップシールの開け方

コルクタイプのワインはアルミやプラスティック製のキャップシールで口が覆われています。開栓する際は、まずこれを剥がさなければなりません。

ワインオープナーにナイフがついていれば、ナイフでボトルネックのくびれ(注ぎ口近くの出っ張りの下部分)に沿って、ぐるりと切り込みを入れます。とくに年代物のワインの場合はボトルを極力動かさず、半周ずつナイフを持ち換えてカットするのがポイント。それから、縦に切り込みを入れ、ナイフの刃先で取り外します。

オープナーにナイフがついていない場合は、スクリューの先端を使ってキャップシールに縦方向の切り込みを入れ、手指で丸ごと剥ぎ取ってしまいましょう。

コルク栓をスマートに開けるコツ

ワインの開け方はオープナーの種類やタイプによって異なりますが、スクリューのついたオープナーを使用する場合は、コルク上面に対して垂直に回し入れるのがポイント。曲がらないようにうまく差し込めれば、コルクが割れてしまう心配もなく、開栓できるでしょう。

また、テクニックが必要なソムリエナイフでも、テコの原理をうまく利用すれば、最小限の力でコルクを抜くことができます。

コルクが抜けないときの対処方法

コルクがなかなか抜けないときは、慌てず静かにボトルを横に寝かせてみてください。コルクが水分を含んで、少しは抜けやすくなるはずです。

万が一、コルクが割れてしまった場合は、スクリューを垂直ではなく斜めに差し込み、やや瓶口側(手前)に力を加えて引き上げてみてください。それでもうまくいかないときは、壊れたコルクをボトルの中へ押し込み、コーヒーフィルターなどで濾(こ)しながらカラフェに移すのも手。この際、コルクの匂いがワインに移らないよう、時間を空けずに行ってください。

ワインオープナーがないときのコルクの抜き方

「ワインを開けようと思ったのに、肝心のワインオープナーがない!」というときも、慌てることはありません。オープナーがなくてもコルク栓を開ける方法はいくつかあります。ここでは2つの方法を紹介しましょう。

ひとつは、コルクが壊れた際の対処法と同じく、ボトルの中へコルクを押し込むやり方。コルクが落ちたら、すぐにカラフェやデカンタ(デキャンタ)へ移せば、おいしくいただけます。

もうひとつは、先端のとがったネジなどをコルクに刺し、ペンチ、ハサミなどのツールを使って引き上げる方法。テコの原理を活用すれば、あまり力を入れなくても開栓可能です。

いざというときに、試してみてください。

スパークリングワインのコルク栓を開けるコツ

スパークリングワインのコルク栓を開けるコツ

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スパークリングワインの基本的な開け方

スパークリングワインは、オープナーを使わず手で開栓します。その手順を紹介しましょう。

【事前準備】

スパークリングワインを開栓する前に、冷蔵庫または水と氷を入れたアイスペールでよく冷やしておきます。冷蔵庫なら約4時間、氷水なら30分ほどが目安です。

【開栓直前の準備】

瓶口を覆っている薄いアルミを剥がし、ワイヤーキャップを緩めましょう。その際、コルクがポンと飛び出さないよう布などをかぶせ、上部を親指でしっかりとおさえながら行うのがポイント。

【開栓】

ボトルを斜め45度程度にそっと傾け、布の上からコルク栓を親指で押さえたままボトル側をゆっくりと回すと、ガス圧でコルクが自然に上がってきます。
コルクにかけた力は抜かずにその手をわずかに傾け、コルク栓と瓶口の隙間から炭酸ガスを逃がします。このとき、ガスが抜けるシュッという音が聞こえますが、「淑女のため息」と称されるこの開栓音は、小さければ小さいほどよいといわれています。音をほとんど出さずに開栓するのは難しく、ソムリエの腕の見せどころとなっています。
ガスがほどよく抜けたら、コルク栓を外しましょう。

スパークリングワインのコルク栓を開けるときのコツ

スパークリングワインを開けるときにポイントになるのは、コルクに加える力加減です。

ボトル内のガス圧は3気圧以上あり、シャンパーニュの場合は5〜6気圧にも上ります。1気圧とは1平方メートルに10トンの力がかかった状態のことなので、5〜6気圧というと相当なもの。力の加減を間違えると、ポンという音とともに勢いよくコルク栓が飛び出したり、F1グランプリの表彰式で見られるシャンパンシャワーのように中身が勢いよく噴射したりすることもあるため、注意が必要です。

スマートに開けるには、コルク栓を無理に引き抜くのではなく、飛び出さないように押さえるイメージで、開栓の手順を試してみてください。

コルク栓をスマートに開けられたときのワインは、ひときわおいしく感じられるもの。自分に合ったワインオープナーを見つけて、開栓のテクニックを極めてみてはいかがでしょう?

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