ビールは酸っぱいほうがおいしい!? サワービールの魅力に迫る

ビールは酸っぱいほうがおいしい!? サワービールの魅力に迫る
出典 : Benoit Daoust / Shutterstock.com

近年は「サワービール」と呼ばれる酸っぱいビールが人気です。ビールといえば「苦い」イメージがありますが、世界には「酸っぱい」ビールもたくさんあります。どんな種類があって、なぜ酸味が立つのでしょうか。今回は、酸っぱいビールの魅力に迫ります。

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酸っぱい「サワービール」ってどんなビール?

酸っぱい「サワービール」ってどんなビール?

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サワービールは野生酵母や乳酸菌を加えて造る

「サワービール(サワーエール)」とは、いわゆる「酸っぱい」ビールのこと。ビールの種類によっては、わずかに酸味を含むものもありますが、それらは該当しません。あくまで、酸っぱさを全面的に押し出したビールを「サワービール」と呼びます。

一般的なサワービールは、「野生酵母」や「乳酸菌」を使用して造られます。ただ、ひとくちに「酸っぱいビール」といっても、その種類は多種多様。製法についても、野生酵母のみを用いて醸造したり、果物やピューレなどをビールに漬け込んで発酵させたりと、それぞれに違った方法が用いられています。

酵母や菌などの種類や組み合わせ、製法などを変えることで、さまざまな酸っぱさのビールが造られているのです。

サワービールは飲みやすさから人気上昇中

サワービールは、2017年ごろにアメリカで火がつき、世界中のビール好きに注目されるようになりました。これは「第2次クラフトビールブーム」とも呼ばれています。

なぜ、サワービールに人気が集まったのかというと、大きな理由のひとつに「飲みやすさ」が挙げられます。「酸っぱいビール」と聞くと、飲んだことのない人には「飲みにくそうなビール」と思われそうですが、サワービールの酸味にはバリエーションがあります。

たとえば、酸味が弱かったり、醸造の際に果物を使ってフルーツフレーバーを漂わせたり、赤ワインのようなアロマを感じさせたりと、意外に飲みやすいものも多いのです。

ビール特有の苦味が少なく、フルーツ由来の赤色やピンク色といった色合いのキレイな銘柄もあるので、ビールが苦手な人でも受け入れやすいかもしれません。

「サワービール」にもいろいろ種類がある

「サワービール」にもいろいろ種類がある

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もっとも有名なサワービールは「ランビック」

「サワービール」の世界は奥深く、種類も豊富にありますが、大きく分けると以下の3つに分類できます。

◇アメリカンスタイル
◇ジャーマンスタイル
◇ベルジャンスタイル

このなかでもとくに有名なビアスタイルが、ベルジャンスタイルの「ランビック」です。

ランビックはベルギーの伝統的なビアスタイルで、人の手によって培養されていない野生酵母を使い、自然発酵で醸造するのが特徴。この方法は、ビール造りにおいてもっとも古典的な手法といわれています。

なお、ランビックはベルギーの首都ブリュッセルとその近郊のレンベークで醸造されていますが、「ランビック」という呼称が使えるのは、この地域で造られたビールのみです。

「ランビック」のさまざまなサワービール

ランビックは、醸造方法の違いなどによって、さらに細かく分けることができます。代表的なものを紹介しましょう。

【グーズ(グース)・ランビック】

熟成したランビックと若いランビックをブレンドし、二次発酵させて造るビール。金色や琥珀色の液体で、濁りがあるのが特徴です。ドライな口当たりで、革製品のような野性味のあるフレーバーを感じさせます。

【クリーク・ランビック】

ランビックにクリーク(サワーチェリー)を漬けて二次発酵させたピンク色のビール。フルーティーな味わいと、サクランボの種由来の香ばしさが特徴です。

【フルーツ・ランビック】

フランボワーズ、ピーチ、カシスなどのフルーツを漬けて二次発酵させたビール。レシピはたくさんあり、どんなフルーツを用いるかで、色や香り、味わいが異なります。

それでは、次の章で具体的な銘柄を見ていきましょう。

「酸っぱいビール」のおすすめ銘柄を紹介

「酸っぱいビール」のおすすめ銘柄を紹介

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有機農法による原料を使用した「カンティヨン・グーズ」

ベルギーのカンティヨン醸造所が造るグーズ・ランビック。有機農法で収穫した原料を100%使用し、年代の異なる3種類のビールをブレンドして造られます。ほかのランビックと比べて酸味が強いのが特徴。レモンやオレンジのようなフルーティーな香りも魅力的で、リフレッシュしたいときなどに飲みたいビールです。

ラベルには、片手にビールを持った、ベルギーのシンボルの小便小僧があしらわれています。赤いケシの花は、カンティヨン醸造所のシンボルマーク。「農薬を使っている土壌では栽培できない植物」の象徴とされています。

サクランボの風味が魅力の「ブーン・クリーク」

ベルギー・ブリュッセルにあるブーン醸造所が造るクリーク・ランビック。ランビックの入ったオーク樽の中に、6週間から1年間ほどサワーチェリーを漬け込んで造られるため、液体の色は濃いピンク色をしています。

フレッシュなサクランボと、カラメルのような甘いアロマが印象的。サクランボの酸味とほのかな甘味のバランスも絶妙で、さわやかな味わいが口いっぱいに広がります。

ラベルにサクランボの収穫年が記されているため、収穫年ごとに異なる風味をたのしむこともできます。

トロピカルな風味の「ブルックリンベルエアサワー」

アメリカの有名なクラフトビールメーカーであるブルックリン・ブルワリー社が造る、乳酸菌で発酵させたサワービール。アメリカで高い人気を誇る銘柄です。ここ日本でも2020年春より限定発売が開始されました。

トロピカルフルーツのような独特の香りが漂い、さわやかな酸味が口の中に広がるのが特徴。飲み口はスパーリングワインのように軽やかで、ビールの新しい魅力を堪能できます。

また、スイーツやフルーツとの相性が抜群で、とくにグレープフルーツやライムといった酸味のある柑橘系果物と一緒にたのしむと、ビールの味わいが引き立ちます。

ラベルには「B」のロゴが象徴的にあしらわれていて、ピンク色と水色のパステルカラーで彩られたカラーリングが、いっそう「トロピカル」な雰囲気を醸し出しています。

サワービールには、私たちがふだん親しんでいる「苦い」ビールとは一味違う魅力が詰まっています。この機会にぜひ「酸っぱい」ビールにもチャレンジしてみてください。

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