日本酒イベント「二十歳からの日本酒」に、日本酒好きな20代100名が大集合!
日本酒造組合中央会が主催する「二十歳からの日本酒in渋谷スクランブルスクエア」が2020年2月8日(金)に開催されました。参加者は、20歳代の男女計100人。 参加者は、各々日本酒に対する熱い想いを持っていて、若者発信の新しい日本酒ムーブメントの盛り上がりが予感できるイベントとなりました。
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目次
第一部は「SAKEの魅力や愉しみ方を知る」をテーマにしたセミナー
会場は、2019年11月にオープンした渋谷スクランブルスクエアの15階。20歳代限定で100名が参加するという珍しい日本酒イベントで、参加者は学生から社会人までさまざまでした。
イベントでは、ゲストパネラーのセミナーや参加者同士のワークショップ、いろいろなタイプの日本酒の試飲や日本酒と料理のペアリング体験も行われました。
第一部のセミナーには、日本酒通として知られるフリーアナウンサーの福澤朗さんと、冬場は蔵人、夏場は「日本酒を醸す全ての蔵をめぐる旅」を行っている20代の代表 立川哲之さん、蔵元からは石鎚酒造㈱専務取締役の越智浩さんが登壇され、テーマ「SAKEの魅力や愉しみ方を知る」について、それぞれの想いを語られました。
福澤朗さんのコメント
いま、皆さんは幸せです。今、日本酒が一番美味しい時です。ですので、どっぷり日本酒にはまってください。そして日本酒の奥深さを感じて、勉強してください。
日本酒は毎日飲んでいます。錫(すず)のちろりとお猪口で飲む日本酒は、味わいをマイルドにしてくれ、更に日本酒が美味しくなります。是非、覚えておいてください。
今年の夏には、多くの海外の方々が来日します。日本に来たら、日本食を食べて、それに合う日本酒を嗜むはずです。日本酒は「日本」という国名を背負ったお酒です。日本の伝統、文化、暮らしに密接にかかわっているのが日本酒です。皆さんが日本酒についてある程度詳しくないと恥ずかしいので、知れば知るほどたのしくなる日本酒を勉強していただきたいと思います。
立川哲之さんのコメント
全国の酒蔵をすべて訪問しようと夏場は酒蔵巡りをしています。きっかけは、年々酒蔵が減り続けるなか、自分が大好きな日本酒蔵を何とか、どうにかしたいという想いを持って、訪問を続けています。現在、19都道府県の627蔵を訪問しました。日本全国の1,500の酒蔵には1,500通りのストーリーがあります。そして、酒蔵がある1,500の街に1,500の街の飲み手(地元のファン)がいます。いま、日本酒が美味しい時なので、ぜひ、日本酒を飲んで欲しいと思います。
越智浩さんのコメント
私は、日本酒造りに携わっています。日本酒の原料は、米と水。その土地の気候、風土をお酒にしっかりと反映させるのが私たちの仕事です。いま、海外では日本酒が非常に人気があります。今年の夏のスポーツイベントでは、海外から多くの方々が来日されるので、日本酒を知っていただく絶好の機会になります。
日本の四季の旬の味わいに寄り添うのが日本酒。季節を感じながら日本酒をたのしんで欲しいと思います。日本酒自体も、冬はしぼりたてを、夏は冷酒ですっきりと、秋は少し温めてなどと、味わい自体でもたのしめるのが日本酒です。日本には、各地に地元の料理があるので、その土地のお酒と合わせてたのしんでください。
第一部の最後には、20代のみなさんに向けたメッセージの発表がありました。
福澤さんからのメッセージ
いま、安くて美味しい日本酒がたくさんあります。先輩や、上司や、両親に対して「日本酒を飲ませてよ」と言って、一緒に美味しい日本酒を飲んで欲しいと思います。
20代の人たちには、とくに40~50歳代の方々に日本酒を飲むことを勧めてもらいたいです。彼らに「日本酒の美味しい味わいを気づかせる」という喜びを伝える人になって欲しいと思います。
立川さんからのメッセージ
いまから50年後に、自分が70歳代になった時に、同世代の人たちと美味しい日本酒が飲めたらな、と思います。日本酒を飲まない人がいたら、おススメして欲しいです。
越智さんからのメッセージ
日本酒の「香り」「味わい」「バランス」など、日本酒の美味しさを感じていただき、益々日本酒を好きになって欲しいです。
第二部は「私と日本酒の“今”と“未来”」をテーマにしたワークショップ
第二部は、参加者を10のグループに分けてワークショップを展開しました。ワークショップをリードするのは、参加者と同世代で、日本酒業界のさまざまな場面で活躍しているオピニオンリーダーたち。
テーマは「私と日本酒の“今”と“未来”」。
リーダーの手際よい進行で、参加者からどんどんと意見が出てきます。
20代の参加者から出てきたおもな意見
◇飲食店で日本酒を飲んでもらうためには、メニューをわかりやすくする必要がある。
メニューの日本酒の銘柄が読めない時は、読める銘柄を選んでしまう。また、読みにくい銘柄には、ふりがなをふってもらえると、もっとたのしくなるのに。ラベルも可愛いものがあってもよい。
◇旅行した南米のクラブでは、テキーラをみんなが飲んでいた。日本のクラブには日本酒
を!
◇4合瓶(720ml)は大学生にとってはハードルが高い。1合瓶(180ml)や300ml瓶入りの日本酒がもっと増えると買いやすくなってよい。小さな瓶をコレクションしてみてもよいと思うので、可愛いデザインのものがあると嬉しい。
◇3年後までに、自分のお気に入りの1本を見つけたい。
◇日本酒に合うおつまみを極めたい。
◇日本酒にはまったのは、初めて飲んだ日本酒が美味しかったから。この次も飲んでみよう
と思うようになった。出会いが重要だと思う。
◇通の人は、夏でも燗酒を飲んでいる。未来の私も夏に燗酒を飲んでいるかも。
◇日本酒を飲むシーンの敷居を下げることで、日本酒好きな人を増やすことができるのでは。例えば、ちゃんとしたおつまみを用意して日本酒と合わせるのではなく、チョコレートと合わせてみるとかも、日本酒を口にする敷居を下げることに繋がると思う。
◇酒販店で格好よく日本酒を買いたい。
◇蔵元訪問やイベントなどで、蔵元さんと話をすることで、もっと日本酒が好きになる。
◇日本酒は、外国人の方とのコミュニケーションツールになる。
第二部では、入場時に配布された「3年後の自分へのはがき」に、3年後に日本酒とどう向き合い、どのような飲み手になっているかを、参加者各々がはがきに記入しました。このはがきは、3年後に各自の家に届くそうです。
第三部は「日本酒の魅力を体験する!」をテーマとした立食パーティー
第三部は、第一部、第二部で学んだことや同世代の日本酒に対する想いなどを知った後に、実際に、タイプ別に分類された日本酒を試飲したり、日本酒と日本酒に合う料理のペアリングを体験したりして、参加者すべての人たちと交流する懇親会が開催されました。
体験ブースでは、日本酒の4タイプの
①軽快でなめらかタイプ
②フルーティーなタイプ
③コクのあるタイプ
④熟成タイプ
の試飲体験ができ、それぞれの日本酒のタイプに合うように調理されたおつまみとのペアリングもたのしめました。
また、フローズン酒やお燗酒などの、温度帯の変化をたのしむ体験もでき、新しいたのしみ方を再発見した参加者も多かったのではないかと思います。
参加者がみな同世代ということや、ワークショップなどでそれぞれの日本酒に対する想いなどを聴くことができたためか、懇親会では初めて会ったと思えないくらい、互いに仲よく会話している姿も数多く見かけました。
今回、参加した20代の若者は、日本酒に対する想いが非常に強いみなさんたちでした。
参加者のなかには、すでにSNSやYouTubeを使った日本酒の情報発信や、日本酒の会を主宰している人、蔵巡りをたのしんでいる人、日本酒の飲み歩きをたのしんでいる人もいて、参加者の今後の日本酒に向けた情報発信や活動が非常にたのしみです。
【開催概要】
1.開催日時
2020年2月8日(日) 15:00~18:50
2.場所
渋谷スクランブルスクエア 15F
SCRAMBLE HALL(スクランブルホール)
3.参加人数
100名
4.対象
20歳~29歳までの学生、社会人、外国人
5.参加費
一人1,000円(税込)
※各種日本酒、おつまみ(ペアリング料理)、二十歳からの日本酒BOOK、お猪口付き
6.主催
日本酒造組合中央会
https://www.japansake.or.jp/