芋焼酎の香りや味わいを左右する「芋」の種類を知ろう

芋焼酎の香りや味わいを左右する「芋」の種類を知ろう
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芋焼酎の個性は、麹の種類や蒸溜方式、貯蔵・熟成方法など、さまざまな要素に影響されますが、その品質や味わいを大きく左右するのが、主原料となるサツマイモの種類です。ここでは、芋焼酎造りに使われる「芋」にフォーカスして種類ごとの魅力に迫ります。

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芋焼酎の芋の種類はさまざま

芋焼酎の芋の種類はさまざま

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芋焼酎の原料芋は、焼酎向けに開発された品種が主流

芋焼酎の原料に使われるサツマイモのなかでも、主流となるのが「黄金千貫(コガネセンガン)」や「ジョイホワイト」など、焼酎用に開発された品種です。
それぞれ異なる個性を持ちますが、アルコール発酵のもととなるデンプンを多く含み、病害虫にも強いのが特徴。サツマイモならではの甘味がたのしめつつも、クセを抑えたスッキリとした焼酎に仕上がる傾向があります。

スイーツ向けや食用のサツマイモを原料とした芋焼酎も

芋焼酎の原料に使われるのは、芋焼酎用に開発された品種だけとは限りません。
スイーツに使われる「安納芋」や「金時芋」、焼き芋にして食べてもおいしいホクホク系の「紅さつま」など、食用のサツマイモを用いた芋焼酎も多数。品種によって甘味や香りが異なるので、それぞれの原料芋の特徴を知っておくと、芋焼酎選びに役立つでしょう。

芋焼酎の大定番「黄金千貫(コガネセンガン)」の魅力

芋焼酎の大定番「黄金千貫(コガネセンガン)」の魅力

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焼酎用サツマイモと言えば「コガネセンガン」

「コガネセンガン」は昭和41年(1966年)に九州の試験場で生まれた、近年、もっともポピュラーな焼酎用サツマイモです。
黄金色の外皮と、一度に大量の収穫が見込めることから、この名がつけられたと言われています。

「コガネセンガン」で造る芋焼酎の魅力

「コガネセンガン」は、ほかの芋と比べてデンプン質の含有量が多くアルコールを生成しやすいことから、多くの焼酎の原材料に使われています。
もちろん、その魅力は生産性だけではありません。「コガネセンガン」は食用でもおいしく食べられる甘味と舌触りのよさがあり、これを原料に仕込むと、ふんわりと甘い香りと、まろやかな口当たりの焼酎ができあがります。

芋焼酎をフルーティーに仕上げる「ジョイホワイト」

芋焼酎をフルーティーに仕上げる「ジョイホワイト」

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芋焼酎の新たな主力「ジョイホワイト」

「ジョイホワイト」は、1994年に宮崎県で開発された、焼酎原料としては比較的、新しい品種のサツマイモです。
熱を通しても甘くならないため食用には向きませんが、害虫に強く、「コガネセンガン」よりデンプン質が豊富なことから重宝されています。

「ジョイホワイト」が開く、芋焼酎の新たな可能性

「ジョイホワイト」の魅力は、何と言ってもフルーティーな甘味。
近年、これまでの芋焼酎のイメージを覆す、スッキリとした軽やかな飲み口の芋焼酎が増えていますが、その多くが「ジョイホワイト」を用いています。飲みやすい芋焼酎を好む人には、とくにオススメです。

芋焼酎の味わいの違いをたのしむならこの芋

芋焼酎の味わいの違いをたのしむならこの芋

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芋焼酎に使われる原料芋は40種類以上もある!

芋焼酎の原料に使われるサツマイモの品種は、なんと40種以上。ここでは、そのなかから近年、人気の原料芋を紹介します。

【白豊(シロユタカ)】

「白豊」は、焼酎用に開発された、デンプン質を多く含む品種。甘い香りと糖度の高さが特徴で、焼酎にするとまろやかですっきりとした味わいになります。

【紅さつま】

「紅さつま」は強い甘さとホクホクとした食感が特徴で、“サツマイモの王様”の異名を持つ鹿児島県を代表する芋。この芋で仕込むと、上品でやさしい甘さの焼酎になります。

【紅あずま】

「紅あずま」は焼き芋にすると文句なしのホクホク感がたのしめる関東地方で人気の食用芋。この芋で造った芋焼酎は、素材ならではの甘さとコクがたのしめます。

【安納芋(あんのういも)】

アイスやお菓子で人気沸騰中の「安納芋」は、しっとりした食感と濃厚な甘さが特徴の食用芋。この芋を使った焼酎は、芳醇な香りと上品な甘味が魅力です。

【金時芋】

“サツマイモの女王”とも呼ばれる「金時芋」は、きんとんの材料として重宝される品種。ほどよいキレと香りがたのしめる、ほのかな甘味の芋焼酎に仕上がります。

芋焼酎を造る蔵では、原料芋の栽培から手がけたり、原産地を厳選したり、複数の芋をブレンドしたりと、それぞれ芋に独自のこだわりを持つことで、個性ある芋焼酎を生み出しています。原料芋に着目して飲み比べてみれば、芋焼酎の新たな魅力に気づけるかもしれませんね。

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