アンテナショップでちょい呑みがブーム! ~表参道・銀座編~
ここ最近、店内にバーカウンターを設置したアンテナショップが増えています。スタイリッシュな雰囲気で、地域の地酒が豊富に揃い、おつまみメニューには地元で親しまれている珍味やソウルフードが。地酒ファンの秘かな人気スポットとして話題を呼んでいるアンテナショップ企画、第二弾は「表参道・銀座編」です。
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表参道のおしゃれエリアで情報発信「新潟館ネスパス」
「表参道ヒルズ」の一本裏側の道沿いにあり、地下鉄駅に近く多くの人が行き交うエリア。
酒どころ新潟県の地酒が豊富に揃う立ち呑みBAR
日本酒のボトルがずらりと並んだ立呑みカウンター。
地下鉄表参道駅を出てすぐそばの「表参道ヒルズ」へ向かう途中、一本奥の通りに見えてくる大きな施設が「新潟館ネスパス」。22年前のオープン以来、「食」を中心とした新潟県産品の販売や、観光情報・Uターン就職情報など、新潟県の新鮮な情報を発信し続けています。
1階の奥のスペースでひと際賑わいを見せているのが、昨年8月にオープンした「立ち呑みBAR COCO」。日本を代表する酒処、新潟県産の日本酒を数多く揃え、グラス1杯から気軽にたのしめることで人気の、新潟清酒ファンにはたまらないスポットです。
ワンコインを支払い「日本酒3杯飲み比べ」をオーダーすると、グラスを3つ渡され、日本酒サーバーから好きな3種類のお酒を自分で注いで味わうことができます。
鮮度のよさを保つ酒サーバーには、常時8種類のお酒が並んでいます。
米どころ新潟のお酒を味わう
東京都内で“生ビール”で味わえるお店はほとんどないという「エチゴビール」。
日本酒を味わう前にいただいたのが、「エチゴビール」。なんと、“日本で第1号の地ビール”だそう。新潟県産のコシヒカリを使用した「こしひかり越後生ビール」は、スッキリとした喉越しで、キレのよい味わい。お米の風味を感じ、苦味が少なく飲みやすいビールです。
こちらに合わせていただいたのは、豚の軟骨を山桜で燻製にした「なんこつくんせい」。
コリコリとした食感と塩味がビールとよくあい、箸が止まらなくなるおいしさ。メニューが充実しているBARのおつまみは、すべて新潟館で販売しており、この燻製は購入して帰る方も多いとか。
ビールにピッタリの「なんこつくんせい」は一皿290円(税込)
日本酒はお店のおすすめ、樋木酒造「鶴の友」、青木酒造「雪男」、玉川酒造「イットキー」の3種類。それぞれ個性が違い、飲み比べるたのしみが。
一緒にオーダーした「ご当地おつまみセット」の4つのおつまみとの相性をたしかめながら飲んでいるとペースも早くなり、あっという間に飲み干してしまいます(笑)。
グラス1杯40mlで3種類味わえる飲み比べセットは500円(税込)
お酒はすべて新潟館の売り場で購入できます。
お酒がすすむおつまみが豊富な新潟
人気の「ご当地おつまみセット」は690円(税込)
米処、酒処のイメージが強い新潟県ですが、山や海、川に囲まれているのでさまざまな食材が揃い、地域によって食文化も異なることから、お酒のおつまみのバリエーションはかなり豊富だそう。
この日のおつまみも、「鮭とば」や「いごねり」とよばれる海藻、「ジャンボ油揚げ」や「お漬物」など、淡麗辛口の新潟酒に合う酒肴をいただきました。
「新潟はお酒もおつまみも、知れば知るほど魅力があります」。と語るのは、お店の山崎泰平さん。「母が新潟出身というのもあって以前から親しみはありましたが、新潟のお酒は知ると本当に奥が深い。昔から飲んでいる方はもちろん、初めて新潟のお酒を味わう方にも喜んでもらえるような提供をしていきたいですね」。
「自分がおいしいと思ったお酒を、自信を持っておすすめしています」と山﨑さん。
今後は酒蔵の方にお店に立ってもらい、お客さんと直接話しをする機会を設ける予定もあるそう。新潟のお酒を応援している日本酒ファンにはぜひ立ち寄っていただきたいお店です。
今後は酒蔵の方にお店に立ってもらい、お客さんと直接話しをする機会を設ける予定もあるそう。新潟のお酒を応援している日本酒ファンにはぜひ立ち寄っていただきたいお店です。
新潟館ネスパス
https://www.nico.or.jp/nespace/
新潟清酒 立ち呑みBAR COCO
月~金 11:00~19:30(L.O19:00)
土日祝 10:30~19:30
新潟清酒 立ち呑みBAR COCO
月~金 11:00~19:30(L.O19:00)
土日祝 10:30~19:30
新感覚のアンテナショップ「銀座NAGANO」
銀座5丁目の「すずらん通り」にある「銀座NAGANO」。
オシャレなインテリアショップのような佇まい。
銀座で感じられる信州の魅力
入口正面のカウンターには、産地直送の新鮮な野菜や果物が。
銀座四丁目の交差点から歩いてすぐ、オシャレなブティックや飲食店が並ぶすずらん通り沿いにあるのが2014年10月にオープンした「銀座NAGANO」。
店内に入ると、正面には長野県から直送された旬のフルーツや野菜が並び、豊富な品揃えの特産品売り場の奥には、ワインや日本酒のコーナーがあり、さながら高級スーパーのような雰囲気。
信州の上質な暮らしを感じられる充実したアイテムが揃っています。
数量・季節限定の珍しい銘柄も随時入荷している酒類の売り場は、首都圏でも類のない充実度。
バルカウンターで味わう長野ワイン
お酒やおつまみのほか、ランチタイムには旬の食材を使用した軽食もたのしめます。
店内のカウンターでは、ワイン、日本酒、クラフトビールなどが、信州ならではのおつまみとともにたのしむことができ、ソムリエとチーズプロフェッショナルの資格を持つ長野県出身の齋藤富士子マネージャーが解説を添えて提供してくれます。
「長野県はワイナリーも日本酒蔵も、どちらも全国で2番目に多い県なので、多くの魅力的なお酒があります。食材も、信州の気候風土で育まれたバラエティに富んだものが揃っているので、食に興味がある方たちの注目度が高いのを感じています。」
高校時代まで南信州にいたという齋藤さん。
「故郷を離れて、改めて長野の食文化の魅力を再認識しています。」
ワインや日本酒はグラス1杯から気軽にオーダーができますが、どちらも飲み比べができるセットが人気だそう。
長野の食材の“バックストーリー”を伝えていきたい
齋藤さんにセレクトをお任せして、3種類のワインを選べる「テイスティングセット」をオーダーしたところ、ボトルとともに、3つのグラスが目の前に並びました。
ワインのテイスティングセットは1,200円(税込)。
銘柄は随時変わるので、行く度にたのしみが。
一番左のボトルにはリンゴの絵のエチケットが。
「長野県は今、リンゴを原料に醸造した“シードル”の生産に力を入れています。さまざまな味わいのものがあってとても面白いんですよ」。
この日は、飯綱町の廃校を活用したシードル専門の醸造所「林檎学校醸造所」の“1組”という名のシードル。しっかりとした酸を感じる辛口の味わい。日本酒用の酵母を使用した珍しいシードルでした。
三種盛りのおつまみは500円(税込)。
この日は南信州のソーセージやお漬物3種、清水牧場のチーズ「バッカス」。
おつまみに3種盛りをお願いしたところ、「ソーセージ」「野沢菜」「チーズ」が。
長野県といえばやはり“お漬物”。しかし、ワインに合うものかと齋藤さんにお聞きしたところ、「この安曇野ワイナリーのシャルドネのフレッシュな酸ととてもよく合うんですよ。」
たしかに、みずみずしくシャキシャキとした食感のお漬物と、驚くほどよい相性でした。
ワインや日本酒を通じて地域の食全体を盛り上げていこうとする動きがとても盛んな長野県。
造り手を招いたイベントも積極的に行っているそう。
「カウンターで向かい合うお客様に“バックストーリー”を伝えていきたい」と齋藤さん。
長野県の食に魅了される人たちは、今後も銀座を拠点に増えていきそうです。
銀座NAGANO
https://www.ginza-nagano.jp/
営業時間 10:30~20:00
瀬戸内の魅力が溢れる「ひろしまブランドショップ TAU」
JR有楽町からも近く、食材も豊富で多くの人で賑わう店内。
お好み焼きなど広島ならではのグルメを味わえるお店も入店しています。
広島カープファンが集うアンテナショップ
銀座一丁目駅から徒歩1分の場所にある、「ひろしまブランドショップTAU」は、1、2階にショッピングや飲食店、情報発信のフロア、地下と3階に広島の食材を堪能できる和食とイタリアンのレストランがあり、瀬戸内・広島の魅力を存分に味わえるアンテナショップ。
1階の売り場奥の階段を上がると目に飛び込んでくるのは、プロ野球チーム「広島東洋カープ」の応援グッズ。真っ赤に染まった売り場には子どもから大人までたのしめるさまざまな商品が並び、連日多くのファンが訪れています。
グッズを買い求めに来るカープファンで賑わう売り場。
商品ラインナップがとても豊富です。
同じ2階のフロアにあるのが、「広島酒工房 翠」。日本酒をはじめ、ワインや焼酎、地ビールなど、広島県産のさまざまなお酒を350種類近く取り揃え、カウンターでは有料試飲を行っています。
アンテナショップとは思えないほどの広さと品揃え。
新鮮な魚介をテイクアウトでおつまみに
1階の奥にはスーパーの鮮魚コーナーのような売り場が。
入荷した魚の問い合わせや、刺身の予約があることも。
立ち呑みができるカウンターでは、1階のショッピングフロアで購入した食品を持ち込むことができ、好きなおつまみと一緒に味わうことができます。(レシートチェック有り)
「牡蠣のオイル漬け」や、「ホルモン揚げ」など、広島ならではのおつまみを選んで持ち込む方が多いそうですが、“知る人ぞ知る裏ワザおつまみ”が、鮮魚のお刺身。
なんと、ショッピングフロアの一角にある、瀬戸内海から直送された新鮮な海の幸が揃う鮮魚コーナーでは、毎日15時から職人さんが目の前で魚を捌き、お刺身として販売しており、それを2階のカウンターに持ち込んでお酒のアテにできるそう。なんとも驚きのテイクアウトです。
この日の黒鯛は1パック650円(税込)。
カワハギやコチなど、その時期の広島の旬の魚が入荷するそう。
この日は福山近郊でとれた黒鯛のお刺身をいただきましたが、箸や醤油などはすべてお店からお借りできるので、お刺身のパックを購入するだけの手軽さで、鮮度がよくおいしいお刺身と一緒に日本酒を味わえました。
「店長おまかせ 3杯飲み比べセット」は700円(税込)
この日は「弥山」「龍勢」「花酔」を。
お猪口一杯からでも味わえます。(250円(税込)~)
“広島らしいクラフトジン”はロックで
焼酎や日本酒、ウィスキイーなどを造る中国醸造(株)の「桜尾」。
落岩さんのおすすめの飲み方は「ロック」。1杯250円(税込)
お店の落岩さんにおすすめのお酒をお聞きしたところ、“広島らしいジン”を意識した、中国醸造(株)の「SAKURAO GIN ORIGINAL」を用意してくれました。
“広島らしいジン”を意識して、原料に地元の柑橘類をたくさん使用しており、フルーティーな香りが特長のフレッシュな飲み口。夏におすすめの味わいです。
「ひろしまブランドショップTAU」の副店長を勤める落岩祐希斗さん。
「きき酒師」の資格をお持ちです。
お店では、応援グッズを購入し、カウンターで一杯飲んでから試合の応援に行くカープファンも多いそうで、「僕もカープファンなのでお客さまとの会話は弾みます。広島出身の方が多いと、自然に会話も広島弁になりますね(笑)。」
毎月蔵元が交代で来館する試飲販売や、秋には銀座一丁目のアンテナショップと一緒に地酒巡りのスタンプラリーなど、広島のお酒をもっと多くの人に味わってもらえるイベントを企画している落岩さん。
「蔵元の皆さんはユニークで温かい人柄の方ばかりなので、お客様にはその部分もぜひお伝えしていきたいです」。
広島カープが優勝した時には、日本酒の鏡割りと振る舞い酒があったそう。
カープファンも日本酒ファンも目が離せないアンテナショップです。
ひろしまブランドショップ TAU
http://www.tau-hiroshima.jp/
「広島酒工房 翠」
http://www.tau-hiroshima.jp/shop/2f/sui
営業時間 10:30~20:00
アンテナショップでちょい呑みがブーム~日本橋編~は、こちら
https://tanoshiiosake.jp/5286
※紹介した商品情報は記事執筆時点のものです。購入・サービス利用時に変更になっている場合がありますのでご注意ください。
ライタープロフィール
阿部ちあき
全日本ソムリエ連盟認定 ワインコーディネーター