焼酎は“流行”から“定着”へ! 焼酎の流行を改めて検証
焼酎の流行は一過性のものではなく、一時のブームを経て、今ではすっかり人々の生活に定着したと言えるでしょう。ここでは、焼酎が流行し始めた当初から、現在の流行の飲み方まで、焼酎人気の変遷をたどることで、その魅力を再確認してみましょう。
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焼酎の流行はいつ頃から始まった?
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焼酎の流行が全国に及んだのは近年のことですが、焼酎そのもの歴史は古く、戦国時代と呼ばれる1500年代には、鹿児島で米焼酎が造られていたという記録が残っています。
その後、江戸から明治、大正、昭和と、いくつもの時代を経て、焼酎造りの技術はさまざまに進化しながら、現代まで受け継がれてきました。
最初の焼酎ブームと呼ばれたのは、TVのコマーシャルから火がついた、1970年代のお湯割りブームです。その後、1980年代に入ると、手軽で飲みやすい缶チューハイ(焼酎の炭酸水割り)が流行し、居酒屋のメニューにもチューハイが浸透していきました。
1990年代にはビールやワイン人気に押され気味だった焼酎ですが、2000年代になって本格焼酎ブームを迎えます。
本格焼酎とは、芋焼酎や麦焼酎などの乙類焼酎のなかでも、一定の基準を満たした焼酎のこと。質の高さに加え、メディアで取り上げられた焼酎の健康イメージも追い風となり、2003年には課税数量で日本酒を超えるまでに浸透していったのです。
焼酎の流行はハイボールからサワー・焼酎カクテルへ
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焼酎の流行の飲み方も、時代とともに変遷しています。
70年代のお湯割りブームから、80年代のチューハイブームを経て、2000年代の本格焼酎ブームでは、芋や麦など原料本来の味わいがたのしめるロックや水割り、お湯割りが流行しました。
2000年代後半になると、ウイスキーをソーダで割ったハイボールの人気が急上昇しましたが、これにともない、かつて「チューハイ」と呼ばれた焼酎ハイボールの人気が再燃。年配の世代にとっては懐かしく、若い世代にとっては飲みやすくレトロ感もたのしめる焼酎ハイボールが「下町の味」として脚光を浴びました。
近年では、焼酎人気の定着とともに、焼酎の飲み方も多様化。ロックやお湯割り、水割り、ソーダ割りに加えて、さまざまな飲料と合わせてカクテルとしてたのしむ飲み方も、若者や女性を中心に流行しつつあります。
流行の兆しを見せつつある変わりダネ焼酎
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焼酎が何度かの流行やブームを経て、社会に定着した現在、焼酎ファンの拡大とともに、好みが多様化しつつあります。
新しい味、新しい魅力を求める焼酎ファンの要望に応えるため、焼酎の造り手は、焼酎の品質に磨きを掛ける一方で、新たな挑戦にも取り組んでいます。
その成果として麦、芋、米といった定番の焼酎だけではなく、変わりダネ素材を原料とした焼酎が流行の兆しを見せています。
たとえば、鹿児島や北海道ではトウモロコシを主原料にした焼酎が造られていて、深いコクとまろやかさのある飲み口が人気です。
また、熊本では地元産の新鮮な牛乳と米、温泉水で造った牛乳焼酎も登場。甘い香りとスッキリとした味わいが特徴で、飲むだけではなく、髪や肌にもローションとして利用できます。
そのほかにも、ニンジン、大根、ピーマン、トマト、カボチャなど野菜を原料にした焼酎や、パンやお茶類などを使った焼酎まで、焼酎の可能性は広がり続けています。気になる焼酎を見つけたら、ぜひトライしてみませんか?
今や焼酎は、お店でも家庭でも定番のお酒。素材も飲み方も、さらに広がっています。自分の好みでさまざまなたのしみ方のできる自由度の高さも、焼酎の大きな魅力と言えるでしょう。