「壱岐(いき)」世界が認めた産地指定の麦焼酎【長崎の焼酎】
「壱岐」は麦焼酎発祥の地・長崎県壱岐市で受け継がれてきた伝統的製法で造られる甘味が特徴の本格焼酎。かめ貯蔵をはじめ、樫樽やタンクでじっくり熟成されたなめらかな味わいは、国内のみならず世界中で愛されています。
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「壱岐」は産地呼称焼酎の代表的銘柄
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「壱岐」が生まれた壱岐島は、長崎県北部にある玄界灘の離島。自然に恵まれたその土地では、古くから九州でも有数の穀倉地帯として知られており、16世紀頃から豊富に獲れる米と麦を活かした独自の焼酎造りが行われてきました。
主原料となる麦と、甘味をもたらす米麹とを2:1の割合で配合し、ミネラル豊富な島の地下水で仕込むという、壱岐特有の製法で造られた焼酎は、この島の名産品として九州はもちろん、全国的な知名度を誇っています。
現在では、WTO(世界貿易機関)によって地理的表示の産地指定を受け、フランスのボルドーワインやコニャック、シャンパーニュ、英国スコットランドのスコッチ・ウイスキー、アメリカ合衆国のバーボン・ウイスキーなどと並んで、「壱岐焼酎」という産地呼称が認められています。
麦焼酎発祥の地の名を冠した「壱岐」は、世界がその製法や品質、社会的評価を認めた「壱岐焼酎」ブランドのなかでも代表格ともいうべき人気銘柄。国内外の品評会で高い評価を得ていることからも、その実力をうかがい知ることができます。
「壱岐」の蔵元、玄海酒造とその銘柄の歴史
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「壱岐」は、500年の伝統をもつ壱岐独特の製法で造られた本格焼酎。その造り手は、壱岐島で現在、焼酎造りを続けている7軒の焼酎蔵のひとつ、玄海酒造です。
玄海酒造は、明治33年(1900年)、壱岐の島でもっとも標高の高い「岳の辻」のふもとに創業しました。蔵を構える地は、岳の辻を源とする湧き水が豊富なことから「タケズミ」と呼ばれており、そこから名をとった「瀧泉(たきいずみ)」という銘柄で焼酎造りを開始したといわれています。
戦前までは島内での消費がほとんどでしたが、戦後になって島外へも市場を開拓するようになると、銘柄を「玄海」と改めます。さらに、昭和50年(1975年)には郷土発展への貢献をめざし、麦焼酎発祥の地・壱岐を強調して「壱岐」と改称し、現在に至ります。
2度にわたる改名はあったものの、玄海酒造の酒造りの方針に変わりはありません。「壱岐焼酎」ならではの原料配分により、米麹の天然の甘味と、大麦の香ばしさとが絶妙なバランスで溶け合っています。加えて、「壱岐」シリーズの特徴である貯蔵熟成が、まろやかさをもたらし、飲みやすい焼酎に仕上がっているのです。
「壱岐」のなかでも一度は飲みたい貯蔵熟成酒
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「壱岐」を造る玄海酒造の大きなこだわりが“貯蔵熟成”です。もともとは伝統的なかめ壺で貯蔵していましたが、昭和後期からはワインやウイスキーのような樫樽貯蔵にも挑戦、近代的なタンク貯蔵も含め、品種に応じてさまざまな手法で熟成させています。
こうした「壱岐」の貯蔵熟成酒のなかでも、高い人気を誇るのが「壱岐スーパーゴールド」。「壱岐」の香味のすぐれた部分だけを抽出し、スペインでシェリー酒造りに使われたホワイトオーク樽で貯蔵・熟成させた琥珀色の1本です。
まろやかで雑味のないその味は、刺身や煮物、揚げ物などの和食をはじめ、どんな料理にもなじむ絶品。のどごしもよく、さっぱりとしているので、麦焼酎を飲み慣れていない人でもたのしめます。
アルコール度数22度とアルコール度数33度の2タイプがあり、どちらもロックやストレート、水割りがおすすめです。
「壱岐」シリーズには、定番の「むぎ焼酎 壱岐」をはじめ、「壱岐グリーン」「壱岐オールド」などこだわりの壱岐焼酎が多数。価格は比較的リーズナブルなので、機会があったらぜひ飲みくらべてみてください。
製造元:玄海酒造株式会社
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