生中の量ってどのくらい? 知っておきたいビールジョッキのサイズと容量

生中の量ってどのくらい? 知っておきたいビールジョッキのサイズと容量
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中ジョッキとは、居酒屋などでおもに生ビールの酒器として使われる取っ手つきのガラス容器のこと。注文時は「生中」や「中生」と呼ばれることもあります。今回は、中ジョッキのサイズやビールの容量、中ジョッキ以外のさまざまな酒器の容量について紹介していきます。

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中ジョッキに入るビールの量は何ミリリットル(ml)?

中ジョッキに入るビールの量は何ミリリットル?

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ビール好きなら一度は手にしたことのあるジョッキ。その語源は、「柄つきのつぼ、広口の水差し」を意味する「jug」にあり、英語の発音ではジャグ。それがなまってジョッキと呼ばれるようになりました。ここでは、居酒屋でおなじみの中ジョッキに焦点を絞って、サイズやビールの容量などの基本情報を紹介します。

生ビール・ジョッキのビールの量や値段はお店によって違う

ビールのジョッキの容量は、全国どこでも同じというわけではありません。ビールのジョッキの容量には厳密な基準値がないため、お店によって量も値段もさまざま。以下は容量の目安です。

◇小ジョッキ:200〜300ミリリットル
◇中ジョッキ:350〜500ミリリットル
◇大ジョッキ:700〜800ミリリットル

ジョッキのビールの量や値段はお店によって違う

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中ジョッキの平均的な量は?

生ビールをオーダーするときに「生中(なまちゅう)」や「中生(ちゅうなま)」と呼ばれる中ジョッキは、選ぶ人が一番多いとされる人気のサイズでもあります。容量は350〜500ミリリットルと幅があり、居酒屋が個別に仕入れている大手ビールメーカーのジョッキによっても、その容量には違いがあります。

もちろん、ジョッキの容量と同量のビールが注がれるわけではありません。ビールはジョッキに移すことで泡が立つため、注ぎ方で泡がどれくらいになるかによって、中ジョッキに入るビールの量は変わってきます。

ビールと泡のバランス的には、7:3が黄金比といわれていますが、注いだときの表面張力や運ばれる間に泡が落ち着くことなども考慮に入れると、中ジョッキの容量の8割弱がビールというのが現実的なライン。これをもとに算出すると、泡を除いた中ジョッキのビールの量は、280〜400ミリリットル(弱)程度になると考えられます。

もちろん、不慣れな人が注いだ場合は、大きく増減する可能性もあります。

中ジョッキの平均的な量は?

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メーカーのロゴ入りジョッキも容量はさまざま

キリン、アサヒ、サントリー、サッポロの大手4社の中ジョッキに焦点を絞っても、その種類は多種多様。同じ会社でもブランドごとのジョッキを展開しているケースもあれば、同じブランドロゴが入った中ジョッキでも異なる2サイズで展開している場合もあります。

興味深いのは、すべてのメーカーが435ミリリットルという容量の中ジョッキを取り扱っている点です。日本の缶ビールの主流は350ミリリットル缶。ジョッキに注ぐ際に泡が立つことを想定すると、350ミリリットル缶をまるごと注いで美しく収まるサイズが435ミリリットルの中ジョッキなのかもしれません。

ビールのジョッキの容量が法律で決まっている国も!

ジョッキに注ぐビールの量が法律で決まっている国もある

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ジョッキのビールの量は店によって異なると説明しましたが、それはあくまでも日本での話。国によっては、ジョッキに注ぐビールの量が法律で定められているところもあります。

代表的なのがドイツです。お店で出すジョッキやグラスから、使い捨てのコップにいたるまで、すべての容器に目盛りがついていて、この目盛りまでがビール、そこから上が泡、と厳密に法律で定められているのだとか。

加えて、ドイツでは『ケルンの「ケルシュビール」は200ミリリットルのグラスで』など、ビールの種類ごとに使用する容器も決められているようです。さすがは世界有数のビール大国ですね。

ちなみに、ドイツには「大ジョッキ」よりもさらに大きい「メガジョッキ」も存在しています。「マース」と呼ばれる容量1リットルのジョッキで、ミュンヘンで開催されるビールの祭典「オクトーバーフェスト」で使用されることで有名です。片手で持つのがやっとというほどの重さで、とても飲みごたえがあります。

中ジョッキのサイズ・容量をさまざまな角度から検証

中ジョッキのサイズや容量をさまざまな角度から検証

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中ジョッキを基本サイズとして、容量がわかりやすくイメージできるよう、ジョッキ以外で飲むときのビールや、大ジョッキ、小ジョッキ、ジョッキ以外の器と比べてみました。

瓶ビールや缶ビールの容量と比較

国内メーカーの瓶ビールはサイズが決まっていて、小瓶が334ミリリットル、中瓶が500ミリリットル、大瓶が633ミリリットルとなっています。

中ジョッキに注がれるビールの容量は、泡以外で約280〜400ミリリットルだとすると、中瓶より小瓶に近い量ということになります。

スーパーやコンビニでよく目にする缶ビールの容量は、おもに350ミリリットルと500ミリリットル。つまり、350ミリリットル缶が中ジョッキに近い容量といえそうです。

小ジョッキや大ジョッキ、メガジョッキの容量と比較

定番とされる中ジョッキの350〜500ミリリットルを、小ジョッキの200〜300ミリリットル、大ジョッキの700〜800ミリリットルと比較すると、中ジョッキは小ジョッキの1.5〜1.6倍、大ジョッキは中ジョッキの1.6〜2倍。つまり、中ジョッキはサイズ的には小ジョッキ寄りの印象です。

ただし、メーカーが出すジョッキのサイズのバリエーションはかなり多く、600ミリリットル、1,000ミリリットルといったサイズのジョッキも存在しているため、大中小というサイズからは判断できないのが実情です。

1,000ミリリットルは間違いなく、メガジョッキという称号に相当するサイズ。600ミリリットルは、扱う居酒屋次第で中ジョッキか大ジョッキか、位置づけが変わる微妙なラインです。

中ジョッキの容量を小ジョッキや大ジョッキ、メガジョッキと比較

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ジョッキ以外のビールの酒器と比較

ジョッキ以外にも、グラス、タンブラー、マグ、ゴブレットなど、ビールの酒器にはバリエーションがあります。大中小のサイズ展開だと、中まではジョッキで、小はジョッキではなくグラスで提供するケースも。

中ジョッキと同じくらいの容量のグラスやタンブラーもあるので、必ずしもグラスよりもジョッキの容量のほうが多いというわけではありません。

ただし、中ジョッキが存在したうえでの小である場合は、ビールの容量は300ミリリットル以下ということになるでしょう。

ビールをジョッキで飲む理由とは?

ビールをジョッキで飲む理由とは?

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ビールをジョッキで飲むことによって、なんともいえない爽快感を得ることができます。その理由を深堀りしながら、家でも居酒屋でも、おいしくビールを飲む方法を身につけていきましょう。

日本におけるビールジョッキの歴史

日本では、すでに明治時代にはビアホールなどで、ジョッキでビールが提供されていました。昭和50年代までのビールジョッキは現在のものに比べてサイズが大きく、500ミリリットルのものや、1,000ミリリットル(1リットル)ほどのメガジョッキサイズのものが広く使われていたそう。

60代以降の人からすると、今の中ジョッキは小さく感じられるのかもしれません。

ジョッキで飲むビールがおいしく感じられる理由

ジョッキで飲むとビールがおいしく感じられるのはなぜでしょう。理由は大きく2つ考えられます。

ひとつは、ジョッキ特有の厚みにあります。ジョッキはグラスやコップ、タンブラーに比べると、明らかに飲み口のガラスが厚くなっていて、それが味覚にも影響を与えています。

ジョッキの理想の厚みとは、ビールを飲む人が口を半開きにした(唇の力を抜いた)ときと同程度。自然と飲み口がそうなるような厚みが、ジョッキに共通する特徴なのです。

もうひとつは、保冷能力の高さ。ジョッキには持ち手があり、さらにガラスに厚みがあるので、手の温度や場所の温度がビールに伝わりにくくなっています。そのため、ほどよい冷たさが保たれ、時間をかけておいしいビールがたのしめるのです。

ビールをジョッキにおいしく注ぐコツ

ビールをジョッキにおいしく注ぐコツ

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最後に、ビールをジョッキに注ぐときのポイントを紹介します。

まずはよく冷やしたジョッキをテーブルに置き、少し高めの位置からジョッキの半分くらいまで、勢いよくビールを注ぎます。泡が落ち着いてきたらジョッキを傾けて、今度は注ぎ口を近づけて9分目あたりまで静かに注ぐのがコツ。

ここでも泡が落ち着くまで少し時間をおき、泡が盛り上がるよう、ゆっくりと注いで完成です。

ビールと泡の理想的な比率は、7:3。ビールを3回に分けて注ぐ「3度注ぎ」によって、よりきめ細やかな泡に仕上げることができます。泡の完成度はビールの種類やグラスの形なども影響しますが、理想の泡を目指して何度か練習すれば、すぐにコツをつかむことができるはずです。

ビールジョッキの量など、ちょっとした豆知識を知っておくと、ふだん飲んでいるビールがよりおいしく感じられることでしょう。中ジョッキは家飲みに最適な大きさ。瓶や缶からジョッキに注いで、より深くビールをたのしんでみてください。

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