「タリスカー」の魅力。アイランズ・スコッチを代表するシングルモルトを味わおう

「タリスカー」の魅力。アイランズ・スコッチを代表するシングルモルトを味わおう
出典 : Harald Schmidt/ Shutterstock.com

タリスカーは、個性豊かなアイランズ・スコッチのなかでも、ひときわ強烈な風味をもつ逸品です。荒々しい北の海を象徴するかのようなタリスカーの味わいは、タリスカーを育んだスカイ島の環境を知ることで、より深くたのしむことができるでしょう。

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タリスカーが含まれるアイランズ・スコッチの魅力とは?

タリスカーが含まれるアイランズ・スコッチの魅力とは?

Tyler W. Stipp/ Shutterstock.com

タリスカーは、かつて北欧の海に活躍したバイキングの荒々しさを感じさせるような、強烈な海の香りが漂うシングルモルトウイスキーの逸品です。
タリスカーは、その産地から「アイランズ・スコッチ」に分類されます。アイランズというのは、スコッチウイスキーの主要生産地のひとつ。スコットランドの北西に点在する島々(アイラ島だけは「アイラ」とした独立した産地に分類)で造られるウイスキーの総称が、アイランズ・スコッチというわけです。

タリスカーやアイランズ・スコッチの魅力を語る前に、まずはスコッチウイスキーの魅力についておさらいしましょう。
スコッチウイスキーが、世界5大ウイスキーのなかでも「ウイスキーの代名詞」と呼ばれる大きな理由は、ウイスキー造りに適した風土にあります。

イギリス北部のスコットランドは、ウイスキーの原料となる大麦の一大生産地です。また、年間を通じて冷涼な気候は、ウイスキーの熟成に最適です。さらに、ウイスキーのスモーキーなフレーバーのもととなるピート(泥炭)を育む湿地帯も多いなど、あらゆる面でウイスキー造りに適した、まさに「ウイスキー王国」といえる土地柄です。

じつは、スコットランドの面積は北海道よりも少し狭い程度。にもかかわらず、世界で流通するウイスキーの約6割を生産しているというのだから驚きです。
さほど広くはないスコットランドですが、地域ごとに自然環境が大きく異なります。そうした地域ごとの特性が、スコッチウイスキーの多彩な個性につながっているのです。

現在、スコットランド全土で稼働している蒸留所は100近くもあり、それらは6つの地域に分類されています。「ハイランド」「ローランド」「スペイサイド」「キャンベルタウン」「アイラ」、そして「アイランズ」です。

そのなかでも、とくに個性派のウイスキーがそろっているといわれるのがアイランズ・スコッチです。その理由は、島特有の気候の厳しさに加えて、島ごとの風土の違いが影響して、タリスカーをはじめ、個性的な香りや味わいのウイスキーが造られているからです。

それぞれの島のウイスキーを飲み比べることで、まるで島々を巡るような感覚がたのしめるでしょう。

ウイスキーの甘い誘惑⁈アイランズ・スコッチ「ハイランドパーク」と「スキャパ」

タリスカーの荒々しい個性を育んだスカイ島の自然

タリスカーの荒々しい個性を育んだスカイ島の自然

出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社サイト

タリスカーを生んだスカイ島は、スコットランド北西の近海にあるインナーヘブリディーズ諸島のなかでも最大の面積をもつ島です。
スカイ島という名前から「空=Sky」を思い浮かべるかもしれませんが、正しいつづりは「Skye」。バイキングの言葉で「翼の形をした島」という意味なのだとか。

その名の通り、いくつもの入り江が切り込んだ複雑な海岸線を有しており、沿岸の岩肌には荒々しい波が打ち寄せます。
また、霧が生じやすく、しばしば濃霧に覆われることから「霧の島」とも呼ばれています。
タリスカーの個性である荒々しい潮の香りは、こうしたスカイ島の厳しい自然のなかで育まれたものだといえます。

タリスカー蒸留所が設立されたのは1830年のこと。日本の歴史でいえば、江戸時代の終わり頃にあたります。
「タリスカー」というのは創業者であるマカスキル兄弟が住んでいた家の名前に由来していますが、これはバイキングの言葉で「傾いた岩山」を意味するのだとか。タリスカーの荒々しい個性にピッタリのネーミングです。

タリスカー蒸留所が設立された当時、スカイ島には数十もの蒸留所が操業していましたが、その後、世界恐慌や世界大戦の影響を受けて、ほとんどの蒸留所が閉鎖。経営者を変えながらも、唯一、残ったのがタリスカー蒸留所でした。

スカイ島でもっとも歴史のある蒸留所として、スカイ島ならではのウイスキー造りを続けてきたタリスカー蒸留所。タリスカーがウイスキー愛好家から「孤高のシングルモルト」と呼ばれるのは、その強烈な個性に加えて、こうした歴史的な背景があるからかもしれません。

タリスカーを「KING OF DRINKS」と評した文豪・スティーブンソン

タリスカーを「KING OF DRINKS」と評した文豪・スティーブンソン

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タリスカーの味わいを表現する際に、よく使われる表現が「舌の上で爆発するような潮の香り」というもの。まさに、スカイ島周辺の荒れ狂う海や濃い霧を象徴するような、強烈な潮のフレーバーこそ、タリスカーの最大の特徴です。

だからといって、それだけがタリスカーの魅力ではありません。美しい金色のなかには、潮の香りに加えて、豊かなピートがもたらすスモーキーさと黒胡椒の風味、さらには麦やドライフルーツの甘さが一体となって溶け合っています。
自然のもつ荒々しさと、芸術品のようなエレガンスさを同時に味わうことができるのが、タリスカーの魅力なのです。

こうしたタリスカー独特の味わいに魅了されたウイスキー愛好家は数知れませんが、なかでも著名なのがスコットランド生まれの文豪、ロバート・ルイス・スティーブンソン(1850~1894)です。
タリスカーをこよなく愛した彼は、「酒の王者として思いつくのはタリスカー」と語り、“KING OF DRINKS”の称号を与えました。

スティーブンソンの代表作「宝島」は、現在も世界中で読み継がれていますが、その面白さの核となる「海への憧れ」と「冒険心」は、まさにタリスカーの魅力そのもの。
かつて「宝島」を読んで胸躍らせたという方には、ぜひ、タリスカーを飲んでいただきたいもの。かつて本のなかに感じた潮の香りが、ワクワクするような想いとともに甦ってくるはずです。

タリスカーの荒々しさはストレートでこそ味わえる

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