自分にとっての「うまいビール」を見つける方法
冷えたビールならなんでもおいしい!という人もいれば、ビールの苦味がちょっと・・・という人も。でも、もっとビールのことを知っていれば、自分が好きな味が見つかるかも。お好みのビールを探す手がかりを見つけましょう。
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どんなビールが好み? ビアスタイルを知ろう
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日本ではビールの種類のことを「タイプ」などといったりしますが、世界的には「スタイル」というのが一般的です。ビールのスタイルは、大きく分けて3つの発酵方法で分けられます。
低温で発酵するスッキリした「ラガー(下面発酵ビール)」、下面発酵より高めの温度で発酵する香り高い「エール(上面発酵ビール)」、野生酵母で造る「自然発酵ビール」です。最近では、下面酵母を常温で発酵させた上面酵母と下面酵母を併用する方法などで作られている「ハイブリッド・ビール」も登場しています。
日本ではスッキリした味わいのラガービールがポピュラーですが、クラフトビール市場を中心に、フルーティーな味わいのエールビールの数も増えてきています。
世界には100種類以上のビアスタイルがありますから、まずはいろいろ試してみましょう。
好みの香りを見つけよう
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ビールのおいしさは、さまざまな要素がバランスよく合わさって出来上がっています。ビールのおいしさの要素を表現するものは、色、香り、味、泡、香味の5つ。今回はそのうち、香りと味についてお話します。
ビールの香りの成分には、原料の麦芽やホップに由来するものと発酵に由来するものがあります。ビールの香りは、複数の成分の相互作用で生まれ、ビールのスタイルや飲み方によっても造り出されていきます。
ちなみに、ビールの香りを表現する言葉に「アロマ」があります。アロマは、口から飲む前に鼻から感じる香りのこと。香りを表現する言葉をいくつか紹介します。
◆エステル/フルーティーな香り
◆フェノーリック/クローブを思わせるスパイシーな香り(マイナス要素を表す場合も)
◆ダイアセチル/バタースコッチキャンディのような甘い香り
◆カラメル/砂糖を焦がしたときの香ばしい甘い香り
◆DMS/クリームコーンや野菜を煮たような香り
◆イースト/酵母、麹、酒蔵の香り
◆トースト/焼けたパンの香り
◆スモーク/いぶされた香りや煙の香り
あなたはどんな香りが好みでしょうか?
お好みの味わいはスッキリ? 苦味?
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シュワッとした炭酸の適度な刺激と、爽やかな苦味や甘味などが一般的に、ビールの旨味となります。ビールの味は、味と香りのふたつが融合しあって生まれ、ビール特有の苦味のほか、酸味や甘味なども感じられるはずです。酸味は発酵時に生まれる有機酸、甘味は酵母に取り込まれずに残った多糖類などによるものです。
ビールが苦手な人は、どうしても特有の苦味が気になるようですが、この苦味はホップ由来のもので、いつまでも口に残るような苦さではなく、すっと消える苦味の場合が多いです。
最近では、酸味や甘味を強調したビールや、苦みを抑えたビールもたくさん! これなら、ビールが苦手な人でも、奥に潜むわずかな苦味をおいしいと感じるのではないでしょうか。
どうしても苦味が苦手な人には、フルーツやスパイスを加えた「フレーバードビール」というものもあります。レストランやビアパブなら、まずは好きな香りと味わいを伝えて選んでもらうのもいいかもしれません。ぜひ、自分好みの1本を見つけてください。