地ビールとクラフトビール。何が違うの?
近年、日本各地にクラフトビールのブルワリーが増えています。お店や通販などでビールを販売する大きなブルワリーもありますが、小さな「マイクロブルワリー」も多くその土地でしか味わえないビールのおいしさに注目が集まっています。
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地ビールとクラフトビールの誕生
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最近は「クラフトビール」と呼ぶことが多いようですが、「地ビール」と何が違うのでしょうか?
戦後、日本のビール作りは大手主要ビール会社がメインでした。1994年には、ビール製造免許の生産量基準の緩和により、小規模ブルワリーが全国に誕生、日本酒の「地酒」のように「地ビール」と名付け大ブームになりました。ところが、ブルワリーが乱立することで経験不足などから質の伴わないブルワリーも散見されるようになり、しかも、大手ビール会社のように大量生産できないことからビールの値段も高くなりました。そのため、「地ビールは、お土産には最適だけれど、品質にばらつきがある」というイメージが広まってしまいました。また、大手ビール会社のピルスナータイプのビールを飲みなれた人には、地ビールのさまざまなタイプのビールに親しめず、離れていった人も多くいました。
ブームが去りいくつかのブルワリーが廃業に追い込まれたなか、地道に本当においしいビールを追求してきたのが現在も活躍するブルワリーです。「地ビール」から、職人がひとつひとつ造る工芸品を思わせる「クラフトビール」へと呼称も変わっていきました。今では、品質も高く個性的なクラフトビールが注目の的となっています。
クラフトビールのこだわり
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現在、各地のブルワリーはさまざまなこだわりを持ってビール造りを行っています。原材料の栽培まで手掛ける、地元の名水を仕込み水に、また本場ドイツやベルギー、チェコなどからマイスターを呼んで技術向上を行うなど、様々な取り組みを行っています。
その結果、醸造量は少ないですが、その土地でしか味わえないクラフトビールも生まれ、ネットや口コミで聞きつけたビール好きがクラフトビールのブルワリー巡りをするようになっていきました。
日本各地にあるクラフトビールブルワリー
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日本全国には現在450以上のブルワリーがあります。その注目度の高さは世界にもおよび、ワールド・ビア・カップを始め世界各地の世界大会の受賞も増えてきました。世界大会での受賞歴は、クラフトビールの注目度を上げ、かつビール職人の技術向上にもつながっています。
マイクロブルワリーのなかには、レストランやパブを併設しているところも多くあるので、個性豊かな味わいのクラフトビールをその場で味わえると人気があります。また、小さいながら工場見学も行っているので、ぜひ、近くのブルワリーを調べて訪れてみてはいかがでしょうか?