どんな味わい? 日本酒の熟成酒
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熟成酒とはどんな日本酒か?
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ウイスキーやブランデー、焼酎、ワインには、長期間熟成した「○○年もの」と表示されたお酒があります。できたてのフレッシュな味もおいしいですが、長期熟成された酒には複雑な深い味わいが隠されています。そして、意外に思うかもしれませんが、日本酒にも長期熟成されたものがあるのをご存じですか?
「熟成酒」もしくは「熟成古酒」は、一般的には製造後1年以上経ったお酒を指します。なかには10年、20年以上もの長期間熟成させているものもあります。「米でできた日本酒を熟成させたら、劣化してしまうのでは?」と思われそうですが、光を遮断して温度管理された貯蔵庫で静かに寝かせることで、まるでウイスキーのような色合いで深い味わいの日本酒が生まれます。
熟成庫の温度などによって熟成のスピードや質が変わるので、同じ熟成年数でも色合いや味わいは様々なのもおもしろい点。
熟成してもおいしいの?
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日本酒というと、透明で華やかな香り、淡麗でフレッシュ、フルーティーな味わいのものを思い浮かべませんか? もちろん、それも間違っていませんし、様々な銘柄をたのしむことができます。でも、日本酒の魅力はそれだけではありません。
熟成酒は、今までの日本酒の概念を覆すような色と味わいを持ちます。長く熟成することで、透明な酒にはほんのり色がつき始め、10年以上になると琥珀色へと変化していきます。
香りは、銘柄によって様々ですが、甘い芳醇な香りであったり、酸味を感じたりします。見た目もですが、味わいも「これが日本酒?」と思うことでしょう。
熟成酒の代表を紹介
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ここでは「熟成酒を飲んでみたい」と思っている人に、いくつか代表的な銘柄を紹介します。
◆達磨正宗 十年古酒/白木恒助商店
1835年創業の白木恒助商店は、昭和40年から熟成古酒に取り組んでいる酒蔵です。10年以上じっくり寝かせた酒蔵の古酒の代表「達磨正宗 十年古酒」。ドライフルーツのような甘さとスパイシーな香り、どっしりした中にほんのり甘味を感じさせる味わい。とろけるような味は、温度によっても変化し様々な顔を感じることができます。
達磨正宗(白木恒助商店)
◆百々登勢 五年 長期熟成 純米酒/福光屋
歳月を重ねて山吹色に熟成した醇味と、奥行のある柔らかな芳香が豊かに調和します。濃い味付けの食事や、ドライフルーツやチョコレートなど甘いものとの相性も抜群。食前酒やデザート酒にもおすすめです。
百々登勢の蔵元、株式会社 福光屋
熟成した芳醇な香りと複雑な甘味や酸味が混ざり合う熟成酒をぜひ、試してみてください。
長期熟成酒研究会