日本酒だけどワインのよう…発泡清酒について知ろう
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発泡清酒は、製法によって3種類ある
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心地よい泡とワインのように軽やかな味わいが女性や初心者にも人気の発泡清酒。いわゆるスパークリング日本酒とはどんなお酒なのでしょう? 簡単にいうと「炭酸ガスを含む日本酒」なのですが、製造方法によって以下の3つに分類されます。
◆瓶内二次発酵系日本酒/
ワインのシャンパーニュと同様、アルコール発酵途中の日本酒を生の状態で瓶詰めしたもの。瓶内でさらに発酵を進めることで、炭酸ガスを瓶内に閉じ込める方法です。
◆炭酸ガス注入系日本酒/
日本酒に人工的に炭酸ガスを注入したもので、一般の炭酸飲料などで用いられる方法。安定した品質が特徴で、比較的安価に造ることができるので、値段も手ごろなものが多いです。
◆活性にごり系日本酒/
発酵途中のお酒を、ろ過せず瓶詰めします。酵母が生きている状態なので瓶の中で発酵が進み、発泡したにごり酒になります。炭酸の量が多くなると栓が抜けて中身が吹き出す可能性があるので、ふたに空気穴が開いているものもあります。
発泡清酒が日本酒初心者に人気のわけ
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日本酒初心者の中には、日本酒独特の味わいや香りが苦手な人も多いかもしれません。でも発泡清酒なら、ほのかな甘さやスッキリとした爽快感があり、スパークリングワインと同じような感覚でたのしめるでしょう。通常の日本酒よりアルコール度数も低いものが多く、女性ユーザーを意識したボトルデザインもスタイリッシュで、見ためも華やかです。
日本酒の人気銘柄「獺祭」からは、スパークリング日本酒(「発泡にごり酒スパークリング50」)が登場しており、幅広い人気を博しています。
「SAKE COMPETITION 2017」でゴールドに輝いた注目銘柄
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出品酒世界最多、唯一日本酒だけを審査する「SAKE COMPETITION」。2017年度は全国、海外から1730点が出品され、純米から吟醸、ラベルまでの7部門で審査されました。中でも注目のゴールドに選ばれた発泡清酒を紹介します。
◆1位「南部美人 あわさけ スパークリング」株式会社南部美人 (岩手)
シャンパンのようなボトルに入った瓶内二次発酵のスパークリング。心地よい吟醸香、アルコール度数は通常の日本酒同様14~15%ありながら、口当たりは優しく、軽やかな味わいのあとに、しっかりとした米の旨味を感じるバランスのよさが魅力です。
◆2位「発泡清酒 SHU SHU」黄金井酒造株式会社 (神奈川)
一段仕込みによって濃厚で酸の強い原酒を製造することで、炭酸ガスを添加しても味わい豊かでバランスのよい酒質を保つことに成功。サッパリした甘酸っぱさとシュワシュワとした爽快感が心地よいお酒です。
◆3位「一ノ蔵 発泡清酒 すず音」株式会社一ノ蔵 (宮城)
瓶内二次発酵によって生まれる自然な炭酸で、米の優しさとやわらかな甘酸っぱさがゆっくりと広がります。アルコール度数5%でお酒に強くない人にも親しみやすいでしょう。鈴の音のように可憐で軽やかな味わいを目指しているそう。ファンが多いロングセラー商品です。
2017年から新設された「発泡清酒」部門。日本酒の「乾杯酒」として世界からも注目されています。受賞酒は、売り切れていたり、入手が困難だったりする場合がありますが、見かけたらぜひ味わってみたいですね。