【ウイスキーフロート】2層のグラデーションが美しいカクテル! キレイに作るコツとは?
ウイスキーフロートは、水の上に琥珀色のウイスキーが浮かぶ2層のカクテル。飲むたびに移りゆく味わいをたのしめるのが魅力です。今回はウイスキーフロートの特徴や作り方、おいしい飲み方、キレイなグラデーションを作るコツなどについて紹介します。
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ウイスキーフロート(WHISKY FLOAT)の概要や作り方をみていきます。
ウイスキーフロートってなに?
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ウイスキーフロートは、水の上にウイスキーを浮かべた(フロートさせた)シンプルなウイスキーカクテル。琥珀色のウイスキーと透明の水が織りなす2層のグラデーションが、飲む人の気分を盛り上げます。
見た目もたのしめるウイスキーカクテルの一種
ウイスキーフロートは見た目の美しさが特徴ですが、「なぜ同じ液体なのにウイスキーが水の上に浮かぶの? 」と、疑問に思う人もいるかもしれません。その理由はずばり、ウイスキーと水の比重が違うから。ウイスキーは水よりもわずかに比重が軽いため、水の上に浮かびやすいのです。
比重差を利用したフロートスタイルのカクテルは、ウイスキーフロートのほかにもいくつかあります。たとえば、「アイリッシュコーヒー」は砂糖とコーヒー、アイリッシュウイスキーの上に生クリームをのせて作ります。リキュールを何層にも重ねた「プース・カフェ」という虹色のカクテルもあり、作り手にはフロートの技術が問われます。
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ウイスキーフロートのカクテル言葉は?
カクテルには「カクテル言葉」というものがあります。ウイスキーフロートのカクテル言葉は、「たのしい関係」。スタイリッシュな一杯は、仲間と語らいながら飲むのにぴったりです。
カクテル言葉はカクテルごとに存在していて、見た目や味わい、誕生のエピソードなどに由来するさまざまな意味が込められています。例を挙げると、ハイボール(ウイスキーソーダ)のカクテル言葉は「誕生」、ジントニックは「強い意志」。いくつか覚えておくと、お酒の席が盛り上がりそうです。
ちなみに、ウイスキーフロートは4月22日の誕生酒で、酒言葉は「生きていることに幸せを感じる純粋な人」です。身近な人の誕生日が4月22日なら、手作りの特別な一杯をプレゼントしてみてはいかがでしょう。
ウイスキーフロートの作り方
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ウイスキーフロートの作り方の手順と、ウイスキーを上手に浮かべるコツを紹介します。
ウイスキーフロートの基本レシピ
ウイスキーフロートの材料は、基本的に水割りと同じで、ウイスキーと天然水(ミネラルウォーター)、氷の3つだけ。氷は硬くてとけにくい市販の氷がおすすめです。
作り方は、氷を入れたグラスに冷やした天然水を6~7分目くらいまで注いで混ぜ、ウイスキーをバースプーンやマドラーの背に沿わせながら静かに注ぎ、キレイな2層になれば完成です。
ウイスキーと水の割合は、タンブラーなどのロンググラスなら、横からみたときに4:6から3:7を目安にするとキレイに仕上がります。ロックグラスなどの場合は1:3くらいを目安に、適宜調整します。
なお、ウイスキーフロートには氷なしで作るレシピもあります。氷を入れないだけでフロートの方法は同じなので、興味のある人は試してみてください。
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2層のグラデーションを作るコツ
ウイスキーを注ぐときは、バースプーンをなるべく寝かせるようにして、スプーンの先を水面とグラスの接点に置くことが成功への第一歩。そうすることで、注いだウイスキーによる振動で水面が揺れにくくなり、美しい層を作りやすくなります。
また、ウイスキーを水面に均等に伸ばすようにして、できるだけゆっくり注ぐことも上手に層を作るコツです。その際、ウイスキーのボトルから直接注ぐと勢いよく出やすいため、小さめのメジャーカップなどの容器に移してから注ぐことを推奨します。注ぎ口つきの容器は、ウイスキーを注ぐスピードを調整しやすく液だれもしにくいので使いやすいです。
ウイスキーフロートが完成したら、氷が動いて層が壊れないように、慎重にテーブルまで運ぶことも大切なポイントです。
ウイスキーフロートのおいしい飲み方
ウイスキーフロートを飲むときは、まずグラスを慎重に持ち上げて香りを堪能し、そっと口をつけてストレートに近いウイスキーの味わいをたのしみます。次にほんの少しグラスを傾けてロックの風味を満喫します。最後に、軽く揺らしてグラスを深く傾け、すっきりした水割りを味わいます。
氷なしで作ったウイスキーフロートでは、ストレートウイスキーからトゥワイスアップ(ウイスキー:常温の水=1:1)のような味わいへの変化をたのしめます。ウイスキーの香りを感じやすいのもこの飲み方なので、ぜひ香りにも注目してみてください。
なお、どちらも飲み始めはアルコール感が強めですが、ウイスキーと水が混ざり合うことでだんだんと薄まっていきます。最初はアルコール濃度が濃いので、少しずつ飲み進めることをおすすめします。
このようにウイスキーフロートは一度にさまざまなウイスキーの魅力に出会えるカクテルです。飲むたびに香りや味が移りゆくのが持ち味なので、せっかくなら風味の変化を意識しながら味わってみてくださいね。
ウイスキーフロートをアレンジ
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基本のウイスキーフロートをアレンジしてたのしむ方法を紹介します。
ハイボールのウイスキーフロートもおすすめ
ハイボールをウイスキーフロートにする飲み方もあります。
まず薄めのハイボールを作り、バースプーンやマドラーに沿わせながらウイスキーを静かに注ぎます。
一般的なハイボールは、ウイスキーと炭酸水の割合を1:3から1:4を目安にして作りますが、ウイスキーフロートのベースではそれよりも濃度を薄めに作るのがポイントです。そうすることで、ベースのハイボールとフロートしたウイスキーの色のコントラストがわかりやすくなります。
炭酸水をグラスに注ぐときは、できるだけ氷に当てないように静かに注ぐのもコツです。泡立ってしまうと、ウイスキーがフロートしにくくなって失敗の原因に。水より炭酸水に浮かべるほうが難しいので、基本のウイスキーフロート作りに慣れてから挑戦してもよいかもしれません。
ちなみに、ハイボール用のウイスキーとフロートするウイスキーは別々でもOKです。たとえばブレンデッドウイスキーでハイボールを作り、シングルモルトウイスキーをあとからフロートさせるレシピもあります。同じ蒸溜所の種類が異なるウイスキー同志や、ブレンデッドウイスキーとそのキーモルトを合わせるなど、相性のよさそうな組み合わせを考えるのもたのしいですよ。
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いろいろな炭酸飲料で作れる
割り材を変えれば、ウイスキーフロートのバリエーションが広がります。最後に応用編として、炭酸水(ソーダ)やコーラ、ジンジャーエールなどの炭酸飲料でウイスキーフロートをたのしむ方法を紹介します。
炭酸水で作るウイスキーフロートは、炭酸水を冷やして氷入りで作る場合と、常温のまま氷なしで作る場合とでは、味わいが違って感じられます。ひと味違うウイスキーフロートを飲み比べてみるのもおもしろいです。
ウイスキーフロートに使うウイスキーはどんな種類でもかまいませんが、とくにコーラで作る場合は、アメリカのバーボンウイスキーやテネシーウイスキーがイチオシです。コーラで作るウイスキーフロートは、飲み進めるとウイスキーコーラやコークハイのような風味を堪能できます。コーラの色が濃いのでグラデーションはみえにくいかもしれませんが、一杯でいろいろな味をたのしみたいときに最適です。
ジンジャーエール(ジンジャエール)には甘口のドライタイプと辛口のゴールデンタイプ、無糖タイプがあります。ジンジャーエールの種類を変えれば、いろいろなジンジャー風味のウイスキーフロートを満喫できますよ。
ウイスキーフロートは、天然水や炭酸飲料にウイスキーを浮かべた、シンプルながら奥深いカクテル。ウイスキーをフロートさせるにはコツが入りますが、おうちでも作れるのでぜひ試してみてくださいね。