ビールの世界を広げよう!個性派ビールのアメリカンスタイルIPAとは?

ビールの世界を広げよう!個性派ビールのアメリカンスタイルIPAとは?

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アメリカビールの歴史

日本でアメリカのビールといえば、飲みやすい淡色のピルスナースタイルのライトビールがポピュラーです。しかし、近年では小規模醸造所(マイクロブルワリー)が全米で6000以上誕生し、特徴のあるクラフトビールが人気を集め始めています。

そもそも、北アメリカは酒作りの文化をもたない地域でした。そのため、ビール作りはヨーロッパからの入稙者が母国のスタイルを元にして始めました。

開拓時代には、安い蒸留酒が広まりアルコール依存症が社会問題となります。そのため、各地で禁酒運動が活発になりました。第一次世界大戦のころには禁酒運動が加速し始め、1920年に禁酒法が施行されました。ビールは、ニア・ビールと呼ばれるアルコール度0.5%未満のもののみが製造、販売を許されたそうです。

その後、密輸入や密造、地下酒場などが横行したことで禁酒法に批判が集まります。1932年には禁酒法廃止の第一弾としてアルコール度3.2%のビールが許可されます。その同じ年には、禁酒法そのものが廃止になりました。

大手ビールが幅を利かせていたアメリカ

日本でアメリカのビールとして親しまれているビールは、喉ごしがよく苦味も少ない下面発酵ビール(ラガー)のピルスナースタイルが主流です。ごくごく飲んで喉の渇きを癒やす、飲みやすいビールです。

このライトビールを醸造する会社は比較的大手が多く、1876年に生まれたアンハイザー・ブッシュ社のバドワイザーが始まり。低温殺菌をいち早く取り入れ冷蔵コンテナで全米にチルド輸送する体勢を作り、1901年には全米首位となります。禁酒法廃止後は、地元の醸造所が廃れた地域に輸送力のあるバドワイザーがさらに浸透していきます。

このほか低カロリーブームを起こしたミラー社や東海岸のクアーズ社も力を伸ばしていきます。
こうして、大手が人気のある飲みやすいピルスナースタイルのライトビールを大量生産することで、圧倒的なシェアを占めてきました。
ここではアメリカの代表的なラガービールを紹介します。

◆アメリカン・ラガー/
軽い飲み口の淡色のラガー。アルコール度数が低い「ライトラガー」が主流で、濃色の「アーバンラガー」などもあります。

◆カリフォルニア・コモンビール/
本来低温で発酵させる下面発酵酵母を常温発酵させる特殊な製法。シャープな飲み口に。ガスがビールに溶けきらずに残り、栓を抜くとプシューッと蒸気機関のような音を立てるため「スチームビア」とも呼ばれています。

大手ビールが幅を利かせていたアメリカ

Odelia Cohen/shutterstock.com

個性派ビール登場!

大手のライトビールが主流だったアメリカも、近年、クラフトビールの波が押し寄せています。2017年時点で6000以上のマイクロブルワリーが誕生し、とくに西海岸には急成長をとげたブルワリーが多くあります。アメリカ産ホップを使った上面発酵ビール(エール)のペールエールやIPA(インディアペールエール)などウエストコーストスタイルと呼ばれるビールがそれです。アメリカのホップは、グレープフルーツを思わせる柑橘系やトロピカルフルーツの香りがはっきりしているものが人気です。

アメリカのマイクロブルワリーは、レストランを併設しているところが多く、リゾート地や町中で営業しています。地元の料理をつまみにクラフトビールを生でたのしむことができ、その味も様々。個性的なビールを各地で味わうことができるようになりました。
ここではアメリカの代表的なエールビールを紹介します。

◆アメリカンスタイル・ペールエール/
イギリス発祥のペールエールをアメリカンホップを使って仕上げたビール。フルーティかつフローラルな柑橘系の香り、ほど良い苦味と爽やかな口当たりが特徴。。

◆アメリカンスタイル・IPA(インディアペールエール)/
イギリスから支配地のインドへ船でビールを輸送していた18世紀末頃、劣化防止のために大量にホップを入れてアルコール度数も高くしたビールに由来するのがIPA。そのホップをアメリカ産に変更。苦みが強く、柑橘系などの華やかな香りが際立つドライなビールです。このアメカンスタイル・IPAの影響を強く受けたスタイルのクラフトビールが、いま日本で大人気となっています。

アメリカを旅したら、ぜひ、一度はマイクロブルワリーを訪れてみてください。ビールの世界が広がりますよ。

大手のライトビールが主流だったアメリカも、近年、クラフトビールの波が押し寄せています。

Jacob Billings/shutterstock.com

メキシコのビールといえばこれ!

メキシコのビールというと、透明な瓶に入った淡色の「コロナ」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか? コロナのような軽くて爽やかな味わいのビールに、ライムやレモンを絞って飲むスタイルが有名。でも実は、メキシコはビールのスタイルが豊富なビール大国。20種類以上の国産ビールが存在しています。メキシコには、アルコール度数が高く濃色の個性的なビールもあります。

ビールは光の影響を受けると変質や日光の臭いがつくため、茶色の瓶が採用されることが多いのですが、コロナは透明な瓶。日光臭と呼ばれる不快な臭いがつくため、メキシコ特産のライムを入れて飲み始めたのではないかといわれています。

爽やかな飲み口は、暑い日にぴったり。苦味も少ないので、ビールの苦手な人にもおすすめです。

メキシコのビールというと、透明な瓶に入った淡色の「コロナ」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか? コロナのような軽くて爽やかな味わいのビールに、ライムやレモンを絞って飲むスタイルが有名。でも実は、メキシコはビールのスタイルが豊富なビール大国。20種類以上の国産ビールが存在しています。メキシコには、アルコール度数が高く濃色の個性的なビールもあります。

Billion Photos/shutterstock.com

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