知っておきたい「ビール」と「プリン体」の関係
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プリン体が悪役になってしまう理由
ビールは飲み過ぎると太る、カロリーが高い、プリン体が多いなどネガティブに語られることがあります。でも、どんな飲料や食品でも飲み過ぎたり、食べ過ぎたりすれば何かしら健康を害することがあります。何でも「適量」が、おいしくたのしく、しかも健康でいられる秘訣です。
ビールがネガティブに語られる中でも、「プリン体」について、実はあまりよく知られていないかもしれません。プリン体とは、窒素と炭素の化合物で人に必要な物質ですが、過剰に摂取すると尿酸値が上がり、痛風の原因になるといわれています。
痛風とは尿酸が体の中にたまり、それが結晶になり激しい関節炎を伴う症状の病気です。放置しておくと激しい関節の痛みを繰り返し、肝臓にも悪影響を与える重大な病気でもあります(公益財団法人痛風財団「痛風とはどんな病気?」より)。
プリン体の多い食品と、ビールについて
プリン体は、ビール特有の物質ではなく、多くの食品に含まれています。レバー、白子、エビ、イワシ、カツオなどはとくにプリン体が多く含まれています。
アルコール飲料については、蒸留酒より醸造酒に多く含まれています。ビールは100ミリリットルあたり、一般的に4.4~6.8ミリグラムのプリン体が含まれます。1缶350ミリリットルのビールには、12~25ミリグラム。レバー類(210~320ミリグラム/100グラムあたり)やエビ(210~270ミリグラム/100グラムあたり)などに比べれば量的に多くはないのですが、尿酸値への影響を最低限に保つ目安量として、ビールは500ミリリットル以内、日本酒でいえば一合(180ミリリットル)以内が望ましいとの報告があります(「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」食品中のプリン体含有量より)。
「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」には、「1日400ミリグラムを目安にしたプリン体の摂取制限」が示されています。おいしくビールをたのしみ続けるために、食事とのバランスや飲み過ぎには気をつけましょう。
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適正飲酒の心得
たのしくおいしくビールを飲み、かつ健康に過ごすにはビールとの正しい付き合い方を知る必要があります。「公益社団法人アルコール健康医学協会」では適正な飲み方とマナーを「適正飲酒の10か条」として標語にまとめています。
1・談笑し 楽しく飲むのが基本です
2・食べながら 適量範囲でゆっくりと
3・強い酒 薄めて飲むのがオススメです
4・つくろうよ 週に二日は休肝日
5・やめようよ きりなく長い飲み続け
6・許さない 他人(ひと)への無理強い・イッキ飲み
7・アルコール 薬と一緒は危険です
8・飲まないで 妊娠中と授乳期は
9・飲酒後の運動・入浴 要注意
10・肝臓など 定期検査を忘れずに
適正飲酒の心得を実践して、おいしくたのしくはもちろん、健康にも気を配る飲み方をしたいですね。
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