カベルネ・ソーヴィニヨンは人気の黒ブドウ品種! 香りや味わいの特徴、メルロとの違いにも注目
カベルネ・ソーヴィニヨンは世界中で栽培されている黒ブドウ品種です。テーブルワインから高級ワインまで幅広く造られていて、高い人気を誇ります。今回はカベルネ・ソーヴィニヨンの概要や、ワインにしたときの香りや味わいの特徴などについて紹介します。
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目次
世界で愛される赤ワイン用ブドウ品種、カベルネ・ソーヴィニヨンの魅力について詳しくみていきます。
カベルネ・ソーヴィニヨンはポピュラーな赤ワイン用ブドウ品種
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人気の黒ブドウ品種、カベルネ・ソーヴィニヨンについて、知っておきたいポイントを紹介します。
カベルネ・ソーヴィニヨンは赤ワイン用の国際品種
カベルネ・ソーヴィニヨンはフランス・ボルドー地区が原産の赤ワイン用黒ブドウ品種で、世界中で栽培されている国際品種です。DNA解析から、ボルドーの代表的なブドウ品種であるカベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの交配品種であることがわかっています。一目瞭然ですが、「カベルネ・ソーヴィニヨン」の名は、両親の品種名に由来します。
カベルネ・ソーヴィニヨンを使ったワインは、デイリーワインから高級ワインまで幅広く造られています。どっしりとした濃厚な味わいで高い人気を誇り、「赤ワイン用ブドウ品種の王者」「黒ブドウの王」などと称され世界中で愛されています。
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黒ブドウ品種カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴と生育環境
黒ブドウ品種カベルネ・ソーヴィニヨンの房は小ぶりで、じつは小粒、種が大きめで果肉が少なく、果皮は青黒くて厚めといった特徴を持っています。
一般的に、カベルネ・ソーヴィニヨンでワインを造ると、色が濃く凝縮した味わいで、果皮や種子由来のタンニン(渋味)が豊富な、しっかりとした骨格のワインに仕上がります。
カベルネ・ソーヴィニヨンは環境適応力の高いブドウ品種で、栽培面積は世界トップクラスを誇ります。発芽や成熟が遅い晩熟種なので、冷涼な地域では成熟しにくいものの、比較的暖かい気候で水はけのよい土地であればどこでも生育可能。その土地ごとに、個性あふれるブドウが育ちます。
カベルネ・ソーヴィニヨンで造った赤ワインの香りや味わいの特徴
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カベルネ・ソーヴィニヨンの香りの特徴と、カベルネ・ソーヴィニヨンで造ったワインの味の特徴をみていきます。
多彩なアロマが魅力! カベルネ・ソーヴィニヨンの香りの特徴
カベルネ・ソーヴィニヨンの香りは、産地や造り手によって大きく異なり、さらに長期熟成により複雑な香りが現れます。香りのバリエーションが豊富なのも、カベルネ・ソーヴィニヨンの持ち味です。
特徴的な香りとしては、カシスやブルーベリーなど黒系果実の力強い香りや、ハーブやスミレ、針葉樹など清涼感のある香りが挙げられます。また、温暖な地域で育ったカベルネ・ソーヴィニヨンのワインには熟した果実香があり、冷涼な地域で育ったブドウや未熟果から造られたワインには、ピーマンのような青いニュアンスが感じられます。アメリカやチリなどニューワールドのカベルネ・ソーヴィニヨンには、チョコレートのような香りも伴います。
また、樽熟成によって、モカやカカオ、トーストのような香りが加わり、熟成するにつれてドライフルーツや葉巻、皮革のような熟成香や、黒コショウ、クローブなどのスパイシーな香りが現れます。
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カベルネ・ソーヴィニヨンはフルボディ? 味わいの特徴
カベルネ・ソーヴィニヨンのワインといえば、しっかりとした酸味とタンニン(渋味)が特徴です。一般に、タンニンが豊富なブドウからはフルボディのワインが生まれやすいといわれますが、カベルネ・ソーヴィニヨンも例外ではなく、深みのある色合いの、重厚で飲みごたえのあるフルボディに仕上がります。
産地によって少し性格が異なり、温暖な地域のカベルネ・ソーヴィニヨンで造ると果実味が強くて酸やタンニンは少なめに、冷涼な地域のカベルネ・ソーヴィニヨンで造ると酸やタンニンがしっかりしたワインになる印象があります。
カベルネ・ソーヴィニヨンのワインは、熟成していなくても力強く深みのある味わいをたのしめますが、熟成が進むにつれて酸味や渋味が和らいで旨味が増し、驚くほどまろやかな味に変化するのも魅力です。
カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロの違い
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メルロもカベルネ・ソーヴィニヨンと同様に、赤ワイン用黒ブドウ品種で、世界中で栽培されている人気の国際品種です。近年のDNA解析によって、カベルネ・フランとマドレーヌ・ノワール・デ・シャラントが両親であることがわかりました。つまり、メルロはカベルネ・ソーヴィニヨンと片親が同じ、きょうだいのブドウなのです。
メルロのおもな産地は、フランス・ボルドーのサンテミリオン地区やアメリカ・カリフォルニア州、イタリア、チリ、日本などで、比較的早熟タイプのためカベルネ・ソーヴィニヨンに比べて寒い地域でも完熟します。
メルロは果実味たっぷりの親しみやすい味わいが特徴で、カベルネ・ソーヴィニヨンよりも酸やタンニンによる渋味は穏やかです。
なお、ボルドー地区では左岸と右岸でワインの味わいが大きく異なり、左岸(ドルドーニュ川からジロンド川の東側)ではカベルネ・ソーヴィニヨン主体の力強い味わいのワインが、右岸(ガロンヌ川からジロンド川の西側)ではメルロ主体の穏やかな味わいのワインが造られています。
メルロ主体のワインとしては、フランスの名門シャトー・ペトリュスが手がける「ペトリュス」が有名です。
カベルネ・ソーヴィニヨンの銘醸地とおすすめ銘柄
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カベルネ・ソーヴィニヨンの銘醸地とおすすめの銘柄を紹介します。
フランス・ボルドー
フランスのボルドーはカベルネ・ソーヴィニヨンの原産地といわれ、とくに水はけのよい左岸地区のメドックやグラーブなどで栽培されています。
ボルドーはカベルネ・ソーヴィニヨンの生育に適した地域ですが、天候などの影響を受けるリスクを避けるため、カベルネ・ソーヴィニヨン100%ではなく、品質を安定させるためにメルロなど早熟のブドウとブレンドして造るのが一般的です。
ボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨン主体のワインは、引き締まった味わいの、長期熟成タイプのワインが多い傾向にあります。
カベルネ・ソーヴィニヨン主体のワインといえば、「シャトー・ラフィット・ロートシルト(シャトー・ラフィット・ロスチャイルド)」をはじめとしたボルドー5大シャトーですが、「オー・メドック・ジスクール」(メドック格付け第三級、シャトー・ジスクールのサードワイン)などもおすすめです。
アメリカ・カリフォルニア
アメリカでは、カリフォルニア州のナパ・ヴァレー(ナパ・バレー)を中心に、ワシントン州などでも栽培されています。
ナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンは大きく2タイプに分けられ、谷間の平地で育ったブドウからは果実味たっぷりのワインが、山の斜面で育ったブドウからは引き締まった重厚なワインが造られています。デイリーワインからプレミアムワインまであり、総じて高品質なのも特徴です。
ナパで有名な造り手といえば、カリフォルニワインに大きく貢献したロバート・モンダヴィ・ワイナリーです。創業者であるロバート・モンダヴィ氏は「カリフォルニアワインの父」と称される人物で、この地でカベルネ・ソーヴィニヨンを根づかせました。
ナパ以外では、「ウェンテ ヘイズ・ランチ カベルネ・ソーヴィニヨン」などもおすすめです。
なお、カリフォルニアではカベルネ・ソーヴィニヨン100%のワインから、「オーパスワン」のようなボルドータイプのブレンドワインまで幅広く造られています。
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チリ
チリでは、アンデス山麓のセントラル・ヴァレーやマイポ・ヴァレーなどで高品質のカベルネ・ソーヴィニヨンが栽培されています。カベルネ・ソーヴィニヨン100%のフルボディのワインが主流で、フルーティーで飲みやすく、比較的リーズナブルな価格が魅力です。日本でも質の高さとコスパのよさで人気を博し、「チリカベ」の愛称で親しまれてきました。一方で、近年は高級なプレミアムワインも造られています。
手ごろなチリカベとしては、ルイス・フェリペ・エドワーズ(LFE)の「ダンシングフレイム カベルネソーヴィニヨン」などがおすすめです。
ほかにも、モンテスやコノスルなどさまざまな造り手が高コスパのワインを生産しているなかでも、チリ最高峰のプレミアムワインとして注目されているのが「アルマヴィーヴァ」。ボルドーのバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社とチリのコンチャ・イ・トロ社のコラボレーションで生まれた、パワフルでエレガントなブレンドワインです。
なお、カベルネ・ソーヴィニヨンは、チリ以外の南米各国でも造られています。
オーストラリア
オーストラリアの赤ワイン用黒ブドウ品種といえばシラーズですが、それに次いで栽培されているのがカベルネ・ソーヴィニヨンです。南オーストラリア州クナワラなどで、高品質のカベルネ・ソーヴィニヨンが栽培されています。
カベルネ・ソーヴィニヨン100%のワインからシラーズとのブレンドワインまで、さまざまなワインが造られていますが、一般的に、熟したカシスやブラックチェリーのようなしっかりとした果実味と、ミントを感じる清涼感、適度な酸のあるパワフルな味わいが特徴です。
おすすめ銘柄は、オーストラリアトップクラスのワイナリーが造る「ウルフブラス イエローラベル カベルネソーヴィニヨン」や「ウルフブラス レッドラベル シラーズ・カベルネ」。ほかにも、パーカー・クナワラ・エステートが手がける、カベルネ・ソーヴィニヨン100%のワインなどもあります。
カベルネ・ソーヴィニヨンは世界的に栽培されている黒ブドウの王。ボルドータイプのブレンドワインやカベルネ・ソーヴィニヨン100%のワインなどいろいろなタイプがあるので、濃厚さや酸味や渋味などに注目して、ぜひ飲み比べてみてくださいね。