ボルドーワインに欠かせない「メルロ」とはどんなブドウ?
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赤ワイン初心者にもおすすめ! メルロー種の特徴とその味わい
メルロは、フランス、ボルドー地方原産の黒ブドウ品種。世界中で広く栽培されており、日本の長野県や北海道でも多く作られています。カベルネ・ソーヴィニヨンと比べると、果実はやや大きく、果皮は薄く、タンニンは柔らかめ。果実味が強くラズベリーやチェリーを思わせる香りがあります。若いうちはマイルドでフルーティー、熟成するとトリュフや土、プルーンのような香りが現れ、まろやかでふくよかな味わいになります。
保湿性が高く、冷たい土壌を好むため、ボルドーでもサンテミリオン地区などの粘土質土壌で威力を発揮しやすく、このエリアではメルロの高級ワインが多く造られています。
原産地フランスでは、ボルドーワインに欠かせない存在
フランスの南西部に位置するボルドーで作られるワインの主体となるブドウは、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、そしてメルロの3つ。それぞれ味わいに魅力があり、これら数品種をブレンドして作られるのがボルドーワインの特徴です。
なかでもメルロは、カベルネ・ソーヴィニヨンの最高の相方の品種として欠かせません。一般的にカベルネ・ソーヴィニヨンが骨格を作り、メルロが肉付きを与えるといわれており、これらをブレンドすることによりワイン全体の厚みや複雑さを生み出しています。もちろんメルロ単体でも、親しみやすく、ふくよかで口当たりのやさしいワインなります。
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イタリアやアメリカで人気が花開いた理由
ワインをブドウ品種で区分けするようになったのは、じつはこの数十年のこと。アメリカやオーストラリアなどの新興勢力によってその概念は定着しました。
単一ブドウ品種でワインを造る場合、カベルネ・ソーヴィニヨン単体では気品が高く、少し気難しい雰囲気に仕上がる傾向があります。一方メルロはまろやかで、まるで陽気で気さくなカリフォルニアっ子のような味わいに仕上がる傾向があります。こういった味わいの違いから、アメリカでメルロに人気が集まったのは想像に難くありません。
また料理に合わせることを前提にしたイタリアでは、くせが少なく丸みのあるメルロは、魚介から肉料理まで幅広くマリアージュが楽しめることで人気を集めています。
ラベルにカベルネ・ソーヴィニヨンと書かれた赤ワインを飲んで「ちょっと渋いかな?」と感じた方は、メルロ種のワインを試してみるのもおすすめです。
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