ウイスキーボンボンとはどんなスイーツ?アルコール度数や、ドライバーや子供は食べても大丈夫なのかを紹介
ウイスキーボンボンとは、ウイスキー入りのチョコレート菓子のこと。1粒あたりのアルコール分は少ないですが、車の運転前の摂取は避けるべきです。今回はウイスキーボンボンのアルコール度数や、ドライバーや子供が食べる場合の注意点などについて紹介します。
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ウイスキー入りのチョコレート菓子、ウイスキーボンボンを食べたときの影響なども含めてみていきます。
ウイスキーボンボンとは? 味や特徴、名前の由来もチェック
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まずウイスキーボンボンはどんなお菓子なのか、特徴や名前の由来などを確認していきます。
ウイスキーボンボンはウイスキー入りのチョコレート菓子
ウイスキーボンボンとは、ウイスキーを入れたシロップをチョコレートでコーティングした一口サイズのチョコ菓子のこと。日本では、洋酒や日本酒などの入ったチョコレートボンボン(ボンボンショコラ)がよく知られていますが、そのなかでもウイスキー入りのものを「ウイスキーボンボン」と呼びます。
日本で初めてウイスキーボンボンを作ったのは、神戸発祥のお菓子ブランド「ゴンチャロフ」で知られるゴンチャロフ製菓。ゴンチャロフの創業者は、ロシア・ロマノフ王朝(1613~1917年)の宮廷菓子職人だったマカロフ・ゴンチャロフ氏です。ゴンチャロフ氏は、それまで培った職人技を活かして当時の日本では珍しかったウイスキーボンボンやファンシーチョコレートなどを生み出しました。
魅力的なチョコ菓子は人気を博し、1970年代にはブームになりました。
なお、ウイスキーボンボンの形状は、ボトル型のものもあれば、丸い形のものもあり、メーカーや商品によってさまざまです。
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ウイスキーボンボンの「ボンボン」はどんな意味?
「ボンボン」の語源はフランス語で「おいしい」を意味する「bon(ボン)」。これを2つ重ねた「ボンボン」は幼児語で、「うまうま」といったニュアンスを持ちます。
そもそも「ボンボン」はキャンディーの一種で、ウイスキーに限らず、ブランデーやリキュール、果汁などを入れたシロップを、砂糖やチョコレートで包んだお菓子のことを指します。日本では「ボンボン菓子」ということもあります。
フランスではより広い意味で使われていて、洋酒などを包んだお菓子だけでなく、小さなキャンディーや一口サイズのチョコレートも含めて「ボンボン」や「ボンボン・ア・ラ・リキュール」と呼ぶこともあるようです。
ちなみに、洋酒などをチョコレートで包んだチョコレートボンボンのことを、フランスでは「ボンボン・オ・ショコラ」、ベルギーでは「プラリーヌ」、ドイツやスイスのドイツ語圏では「プラリーネン(プラリネ)」と呼びます。
なお、チョコレートボンボン(ボンボンショコラ)自体は、ベルギーが発祥だといわれています。 チョコレートの老舗でベルギー王室御用達の「ノイハウス」が、1912年に生み出しました。
チョコレートの中身は、ガナッシュやプラリネ、ヌガー、マージパンなどさまざま。なにが出てくるのかわからないところも魅力となっています。
ウイスキーボンボンのアルコール度数と摂取時の注意点を確認
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ウイスキーボンボンの中に入っているウイスキーのアルコール度数はどのくらいなのか、摂取時の注意点を含めて確認します。
ウイスキーボンボンを食べたあとの車の運転は?
一般的に、ウイスキーボンボンのアルコール度数は約2~3%といわれています。 ウイスキーボンボン1個あたりの重量は10グラム前後なので、アルコール含有量は少ないかもしれませんが、お菓子だからといって侮れません。いくつも食べてしまえば、通常の飲酒と同じように酔ってしまいます。
実際に、ウイスキーボンボンを数個食べた直後にアルコール検査に引っかかってしまった事例もあるため、ひとつでも食べたら車を運転するのはNGです。
なお、酒気帯び運転の罰則が適用された場合は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられることになります。当然のことながら、前歴や累積点数がなくても一発で免停(90日間の免許停止)です。
また、自転車の飲酒運転も道路交通法違反となるので注意してください。
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子供がウイスキーボンボンを食べても大丈夫?
ウイスキーボンボンはお酒ではなくお菓子なので、子供が食べても未成年者の飲酒として罰せられることはありません。ただし、お酒が入っていることに変わりはないので、健康面からいうと未成年者が食べることはおすすめできず、とくに小さい子供には与えないようにしましょう。
「子供が食べないように、パッケージに注意書きはないのか?」と思う人もいるかもしれません。酒税法で酒類は「アルコール分1度以上の飲料」と定義されていて、食品表示法に準じて必要事項を表示することが義務づけられています。しかし、飲料ではない菓子類は酒類に該当しないため、酒類に必要な表示義務はありません。
とはいえ、全国チョコレート業公正取引協議会は、独自に作成した「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」において、「製品中にアルコール分が1パーセント以上含まれるものは、そのアルコールの含有率を表示すること」と謳っています。
つまり、日本で造られたチョコレート菓子で、アルコール分1%以上のものについては「注意」などの表示があるはずなので、ウイスキーボンボンの購入時などに確認してみてください。
もちろん、アルコール分1%に満たなくてもお酒入りのお菓子は子供に与えないほうが安心です。注意書きなどが表示されていないお菓子で心配な場合は、店頭などで確認するようにしてくださいね。
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妊婦さんや授乳中の人はウイスキーボンボンを食べてもよいの?
妊婦さんや授乳中の人がウイスキーボンボンを1個食べるくらいなら「問題ない」と考える人もいるかもしれませんが、摂取したアルコール分が少量でも、胎児や赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があり注意が必要です。
妊娠中にアルコールを摂取すると、胎児や乳児が低体重や脳障害などを引き起こす恐れがあります。
また授乳中にアルコールを摂取すると、母乳を作るのに必要なホルモンが分泌されず、母乳の量が減るともいわれています。アルコールが抜けないうちに母乳を与えれば、赤ちゃんの体や脳の発達に影響が出ることもあります。
やはり、妊娠中や授乳中の人がウイスキーボンボンを食べるのは避けたほうがよいでしょう。
お酒に弱い人がウイスキーボンボンを食べる場合
同じウイスキーボンボンでも、商品によってアルコール濃度が異なります。なかには3%を超えるものもあるので、パッケージなどの注意書きをよく見て、食べても大丈夫かどうかを判断してください。
ただ、前述のとおり、注意書きがないものもあるので、お酒に弱い人がウイスキーボンボンを食べるときは慎重を期すべきでしょう。
ウイスキーボンボン以外にもお酒を使った食品がある
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アイスクリームやケーキ、ゼリー、チョコレート、プリン、和菓子、焼き菓子、蒸しパン、酒粕で作った甘酒や奈良漬けなど、チョコレートボンボン以外にもアルコールが含まれる菓子類や食品はたくさんあるので、ドライバーや妊婦さん、お酒に弱い人などは食べる前に確認したいもの。
蒸しパンを例に取ると、酒粕入りの「酒粕蒸しパン」はわかりやすいですが、コンビニなどで販売されている蒸しパンにも「酒精」という食用アルコールが含まれていることがあるため気をつける必要があります。
プロのドライバーを抱えるバス会社のなかには、蒸しパンなどのパン類や発酵食品のキムチ、栄養ドリンク、うがい薬などもアルコール探知器でアルコール検知されることがあるため、乗務前にこれらを飲食することを禁じているところもあるそう。
また一般の人でも、「チョコレート菓子をアルコール入りと気づかずに食べて、酒酔い状態になってしまった」という事例もあります。
うっかり口にするのを避けるためには、原材料名欄に「酒精」や「洋酒」「粉末酒」など、「酒」を含む文字が表示されていないかどうか確認することを習慣化しておくとよいかもしれません。
ただ、先述のとおり菓子類には「酒類」の表示義務がないので、過去に食べたことのない食品でお酒が入っている可能性のあるものは口にしないほうが安心です。
お酒入りのお菓子は、思いのほかたくさんあります。ウイスキーボンボンはおいしいチョコ菓子ですが、ウイスキーが入っているので、ドライバーや小さな子供、妊娠中や授乳中の人は食べないように注意してくださいね。