ワインは料理でも大活躍! 使い方のポイントから白ワイン・赤ワインがないときの代用調味料の話題まで紹介
白ワインや赤ワインは料理用ワインの代わりに使え、料理にコクなどを出すのに重宝します。今回は、飲用と料理用ワインの違いや、飲用ワインを料理に使うメリット、使い方のポイント、ワインがないときに代用できる調味料などについて幅広く紹介します。
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目次
飲んでおいしいだけでなく、料理の味つけや香りづけなどでも活躍するワインの実力に迫ります。
飲用ワインと別に、料理用ワインがあるのはなぜ? 成分の違いは?
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料理用ワインは、料理に使いやすいように成分調整されたワインです。飲用ワインも料理に使えますが、それとは別に料理用ワインがあるのはなぜなのでしょうか。
料理用ワインがある理由は、料理の味を引き立たせることができるため。料理用ワインの白は、飲用ワインに比べて糖度や酸度が低めに調整されていて、赤は酸度が少し高めに造られる傾向があります。
料理用ワインは飲まれることよりも調理効果に重きを置いているため、飲んでも通常のワインのようなおいしさは期待できません。
また、料理用ワインには「果実酒」に分類されるものと「発酵調味料」に分類されるものがありますが、発酵調味料として販売される料理用ワインは、そのままでは飲めないよう塩などを加えて不可飲処置を施している場合があります。
なお、「果実酒」に分類される料理用ワインは酒税がかかりますが、不可飲処置をした料理用ワインは酒税法が定める酒類に該当しないため、酒税はかかりません。
飲用ワインは、開栓後に冷蔵庫に保管していても日々、味わいが変化していきますが、料理用ワインは1週間ほど長持ちします。
ワインを料理に使うメリットは? 飲用ワインも料理に使える?
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料理用ワインや通常のワインを料理に使うメリットは、ワインに含まれるアルコールや有機酸によって肉や魚介類の臭み消しや、肉をやわらかくするのに役立つこと。ワインの旨味が料理のコクを引き出し、ワインのよい風味も加わります。また酸やタンニンが、料理の甘味を抑えて味を引き締める効果も得られます。
当然ながら、ワインを使った料理は、ワインとペアリングしやすいので、上手に組み合わせればおいしいマリアージュが生まれます。マリアージュの基本は、食材の色やできあがった料理の色と、使用する料理用ワインの色、飲むワインの色を合わせること。たとえば、白ワインには白ワインを使った料理がよく合います。
なお、調理効果の差は多少あるものの、料理用ワインでも飲用ワインでも同じような効果が得られるので、わざわざ料理用ワインを買わなくても自宅にあるワインを料理に活用できます。なかには飲用ワインを使ったほうがコクや風味が豊かに仕上がる場合もあるので、料理にワインを気軽に使ってみましょう。
白ワインを料理に使うときのポイントと白ワインを使った料理
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白ワインを料理に使うときのポイントと、白ワインを使った料理を紹介します。
白ワインを使うときのポイント
白ワインは、おもに白ブドウを原料に果皮や種子を除いて果汁だけを発酵させて造るので、渋味はほとんどありません。基本的には、淡泊な白身魚や鶏肉のほか、野菜や乳製品を使ったあっさりした料理によく合います。
料理に白ワインを使う場合は辛口タイプがおすすめですが、甘口の白ワインも活用できます。ただ、甘味が強く感じられることもあるため、甘味を活かせるデザートや料理に意図的に甘さを加えたいときに使うのがポイントです。
白ワインを使った料理
白ワインは以下のような料理に活用できます。
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魚介料理
「白いブイヤベース」とも呼ばれる、フランスブルターニュの郷土料理「コトリヤード」は、エビやイカ、タラなどの魚介を煮込む際に白ワインを加えて作ります。白身魚をニンニクとオリーブオイルで焼きつけ、アサリやトマトなどと一緒に水と白ワインで炊くイタリア料理「アクアパッツァ」も、白ワインの風味が魅力的な一品です。
豚肉や鶏肉料理
さっぱりした味つけの豚肉・鶏肉料理を作るときに白ワインが活躍します。フライパンで焼いた鶏肉と野菜を白ワインで煮込む「白ワイン煮込み」は、白ワインのコクとやさしい酸味がたのしめるメニュー。豚肉や鶏肉の「トマト煮込み」に白ワインを加えれば、味に奥行きが出るだけでなくお肉がやわらかく仕上がります。煮込み以外にも、白ワインを使ったソースは、「ローストポーク」などに合います。
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バスタやリゾット
アサリを使ったパスタ「ボンゴレビアンコ」には白ワインが必須です。ペペロンチーノなどのオイル系パスタにもよく使われています。またミートソースなども、白ワインで煮込むと本格的でやさしい味わいになります。ミラノ風リゾットを作るときにも、炒めたお米をブイヨンだけでなく白ワインも加えて炊きます。
ゼリーやグラニテなどのデザート
白ワインはデザートに活かすこともできます。市販の粉ゼラチンでゼリーを作るときに、白ワインとレモン果汁を加えれば、大人向けのさっぱりとしたゼリーに。白ワインとレモン果汁、グラニュー糖、水を混ぜ合わせて凍らせれば、シャーベット状の氷菓「グラニテ」が作れます。
赤ワインを料理に使うときのポイントと赤ワインを使った料理
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赤ワインを料理に使うときのポイントと、赤ワインを使った料理を紹介します。
赤ワインを使うときのポイント
赤ワインは黒ブドウを原料に、果汁や果肉とともに果皮や種子も丸ごと発酵させて造るため、ブドウの果皮や種子に含まれるタンニンなどのポリフェノール成分が豊富に含まれているのが特徴です。
タンニンには、肉の生臭いにおいを抑える効果や、肉をやわらかくする効果が期待でき、煮込み料理などにうってつけ。赤ワインは基本的にこってりした料理に合い、調味料として加えればコクや深みが増します。
赤ワインを使った料理
赤ワインは以下のような料理に活用できます。
牛肉などの煮込み料理
赤ワインは牛肉やひき肉、鶏肉などを使った煮込み料理で活躍します。「牛肉の赤ワイン煮込み」や「鶏肉の赤ワイン煮込み」のほか、「煮込みハンバーグ」も赤ワインを使えば本格的で深みのある味わいに。
魚料理やきのこ料理
ブリをしょうゆとみりん、赤ワインを合わせたタレに漬け込んでから焼けば、おなじみのブリの照り焼きが一味違った仕上がりに。また、きのこのバターソテーに赤ワインを加えてアルコールを飛ばすように炒めれば、赤ワインに合うおつまみになります。
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カレーやハヤシライス
赤ワインはビーフカレーやチキンカレー、ハヤシライスの隠し味にもなります。市販のルーで作るときも赤ワインを入れて煮込めば、牛肉などの具がやわらかくなって、コクや豊かな風味が加わり本格的な仕上がりになります。
コンポートなどのスイーツ
リンゴや洋梨、桃などの果物をシロップで煮て作る「コンポート」に赤ワインを使えば、大人のデザートに。そのまま食べてもおいしいですが、ヨーグルトやアイスクリームに添えるのもおすすめです。
白ワインがないとき、赤ワインで代用できる?
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白ワインがないときに、赤ワインで代用することもできます。ただ、基本的に白ワインと赤ワインは造り方が異なり、色も風味も違うため、使うときは少しコツが必要です。
たとえば、色をつけたくない魚料理や、「白ワイン蒸し」のような白ワインが決め手となる料理などに赤ワインを使うのは避けたほうがよいでしょう。逆もしかりで、「赤ワイン煮」など赤ワインが決め手となる料理に白ワインを使うのは避けたほうが無難です。
とはいえ、このようなケースを除いて、料理に少し加える程度なら問題ありません。料理の仕上がりに対して求める効果を理解できていれば、白・赤互いに代用可能です。
白ワインがないときに代用できるお酒と調味料
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白ワインがないときに代用できるお酒と調味料を紹介します。
スパークリングワイン
スパークリングワインの白は、白ワインの代わりに使うことができます。風味はほぼ変わらず、スパークリングワインの炭酸は加熱すると飛ぶので、白ワインの代用に適しています。
料理酒+レモン汁
日本酒に塩分や糖分を加えて作られる「料理酒」でも代用可能です。魚介類の生臭さをとる効果が期待でき、レモン汁を加えることで白ワインにある酸味がプラスされ、白ワインのように使えます。
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清酒(日本酒)
白ワインの代用として日本酒を使用すれば、アミノ酸によって素材の旨味やコクを引き出せます。日本酒の種類は純米酒がおすすめです。
みりんなど発酵(醸造)調味料
みりんも白ワインの代用として使えます。ただ、白ワインよりも糖分が多めで、商品によっては塩分が含まれるものもあるため、代用する際は甘味や塩分を考慮して量を調整する必要があります。
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ブランデーやラム酒
ブランデーはブドウなどの果実酒から造られる蒸溜酒。ラムは、サトウキビから造られる蒸溜酒です。甘い香りが特徴なので、料理よりもお菓子の香りづけなどに代用できます。ウイスキーも代用できます。
その他の酒類
焼酎も代用可能ですが、日本酒と比べて旨味が少なく、種類によっては独特の風味やクセがあるので、代用する場合は少量がベター。料理の下準備で、肉をやわらかくしたり、食材に味を染み込みやすくするために使うことをおすすめします。
また、梅酒も料理によっては白ワインの代用になります。甘味があるので煮込み料理やスイーツに向いています。
赤ワインがないときに使える身近な代用品
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赤ワインがないときに代用できる食品を紹介します。
ブドウジュース
赤ワインと同じ原料のブドウで作られるブドウジュースは、赤ワインの代用に適しています。なかでも黒ブドウ100%のジュースはタンニンも豊富で、肉をやわらかくするなど赤ワインに似た効果を期待できます。
クランベリージュース
赤ワインと同じようにタンニンが含まれるクランベリージュースも代用可能です。肉をやわらかくするなどの効果が期待できますが、赤ワインよりも酸味が強めなので、使う場合は味を見ながら調整してみてください。またクランベリー100%ではなく加糖タイプを使う場合は、糖分の加減が必要です。
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バルサミコ酢や赤ワインビネガー
同じくブドウから作られるバルサミコ酢や赤ワインビネガーも赤ワインの代用に適しています。バルサミコ酢には白ブドウを原料としたタイプもありますが、黒ブドウで作ったもののほうが、より赤ワインに近い風味を期待できます。ブドウを煮詰めて木樽で熟成させたバルサミコ酢はソースなどにぴったり。赤ワインビネガーは酸味があるので、適宜味を見ながら量を調整してください。
その他
肉をやわらかくする目的ならば、ビールやコーラ、リンゴ、ヨーグルト、玉ねぎなども代用可能。さらに臭みも消したい場合は、黒酢やみりん、料理酒などを使うのがおすすめです。
(結論)ワインを切らしていても、身近なお酒や調味料、食材で代用できる
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飲用ワインや料理用ワインがなくても、常備しているお酒や調味料、食材などで代用できます。代用する際は、用途に合わせて適したものを選ぶのがポイント。白ワインと赤ワインでは代用できるものに少し違いがあり、料理によっても合う・合わないがあります。
たとえば、白ワインがない場合はおもにワイン以外のお酒で代用しますが、赤ワインの代用はジュースのほうがより適しているようです。また代用品によっては、白ワインや赤ワインよりも甘味や酸味が目立つものや、逆に風味が足りないもあるので、味を確かめながら加減することが大事です。
白ワインや赤ワインは、飲むだけでなく料理にも使えて便利。料理用ワインがなくてもおいしい料理を作れます。ワインがないときは身近なもので代用できるので、今回紹介したお酒や調味料などをいろいろと試してみてくださいね。