ワインビネガーとは? 種類・特徴・製造方法から、料理での活用方法や代用手段まで紹介

ワインビネガーとは? 種類・特徴・製造方法から、料理での活用方法や代用手段まで紹介
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ワインビネガーは、ブドウ果汁をアルコール発酵させ、さらに酢酸菌で発酵させた果実酢のこと。フランスなど欧州のワイン産地では古くから調味料として親しまれてきました。今回はワインビネガーの種類や特徴、製造方法、料理での活用方法などを紹介します。

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ワインビネガーは料理の風味づけや味つけに欠かせないものとして重宝されています。ワインビネガーはどんな種類の酢なのか、見ていきます。

ワインビネガーとはブドウが原料の果実酢

ワインビネガーの原料はブドウ

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ワインビネガーとは、ブドウを原料とした果実酢のこと。フランスのほか、スペインやポルトガル、イタリアなど、おもにヨーロッパのワイン銘醸地で古くから調味料として親しまれてきました。

ワインビネガーの「vinegar(ビネガー)」は、「酢」を意味する英語で、フランス語の「vinaigre(ヴィネーグル)」が変化したものといわれています。さらに紐解くと、「Vin」は「ワイン(ブドウ酒)」、「aigre」は「すっぱい」の意味なので、「vinaigre」は「すっぱいワイン」を意味することがわかります。

ワインビネガーの誕生は、酸味が増した古いワインを料理に使っていたことに由来するといわれています。また、貯蔵していたワインが発酵して酢になったという説もあるようです。

ビネガーの種類

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ビネガーの種類

ビネガーなどの食酢は「醸造酢」と「合成酢」に大別され、このうちの醸造酢は大きく「果実酢」と「穀物酢」の2種類に分けられます。

果実酢には、ワインビネガーのほかに、リンゴを原料としたリンゴ酢や、ブドウを原料としたバルサミコ酢などがあります。

一方の穀物酢には、大麦麦芽を原料としたモルトビネガーや、米を原料とした米酢などがあります。なお、さまざまな穀物を原料に造られるものも「穀物酢」と呼ばれ、一般的に使われている食酢はこれにあたります。このほか、トウモロコシなどの穀物を原料にした醸造用アルコールから造られる、ホワイトビネガー(アルコール酢)という種類もあります。

原料によって変わるワインビネガーの味わいや特徴

ワインビネガーの種類

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ワインビネガーにはいくつか種類があります。それぞれの味や特徴を見ていきます。

赤ワインビネガー

赤ワインビネガーは赤ワイン用のブドウ品種から造られるため、赤色をしています。フルーティーで芳醇な味わいで、コクや渋味があり、肉料理のソースや隠し味で煮込み料理などに使われます。

白ワインビネガー

白ワイン用のブドウ品種から造られ、透明感があるのが白ワインビネガー。果皮を取り除いた果汁のみが使われているため、さわやかですっきりとした味わいが特徴です。赤ワインビネガーと比べると、酸味はやや強めで、サラダのほかカルパッチョなどの魚料理に合います。

赤・白以外のバリエーション

赤ワイン、白ワイン以外で造られるワインビネガーもあります。フランスのシャンパーニュ地方ではシャンパンを使った「シャンパンビネガー」、スペインなどではシェリー酒を使った「シェリービネガー」が造られています。

味や香りの特徴は商品ごとに違ってきますが、一般的にシャンパンビネガーは白ワインビネガーよりも酸味がやわらかく、シェリービネガーは芳香があって濃厚な味わいが特徴です。

なお、シャンパンもシェリー酒もブドウを原料に造られています。同じブドウを原料としていても、それぞれ個性が異なるので、使い分ければ料理の幅が広がりそうです。

ワインビネガーの製造方法は?

ワインビネガーの製造方法

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ワインビネガーは、ブドウを搾った果汁にワイン酵母を加えてアルコール発酵させ、さらに酢酸菌を加えて発酵させて造ります。

アルコール発酵させていますが、酢酸を発酵させる際に酢に変わるため、ワインビネガーに含まれるアルコール濃度は0.2%ほどから多くても1.5%ほどと微量です。

とはいえアルコール分が含まれるので、子どもや妊婦さんが口にしてもよいのかと気になる人もいるかもしれませんが、酢は古くから使われてきた調味料で、これまで体への影響についての報告もないため問題ないといわれています。心配な場合は、摂取しすぎないように気をつけるとよいかもしれません。

ワインビネガーとバルサミコ酢との違い

バルサミコ酢

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バルサミコ酢はワインビネガーの一種で、ブドウを原料に造られます。ワインビネガーと同じように、さまざまな料理によく使われています。

ワインビネガーとの違いはいくつかあります。
まず、ワインビネガーはフランスなどでの代表的な食酢ですが、バルサミコ酢はイタリアの代表的な食酢という点です。北イタリアのエミリア‧ロマーニャ州モデナ地方の特産物として知られ、EU(欧州連合)の地理的表示(GI)保護制度の「IGP(地理的表示保護)」と「DOP(イタリアの原産地呼称保護)」の認証対象品とされています。

また、製造方法も異なります。
ワインビネガーは、ブドウ果汁をアルコール発酵させたのち酢酸発酵させて作りますが、バルサミコ酢はブドウ果汁をじっくり煮詰め、木樽に詰めて長期間熟成させて作ります。

熟成させたものほどまろやかでコクのある味わいになるといわれ、高級品として扱われています。とくに、モデナ産の25年以上熟成させた「エクストラヴェッキオ」に分類されるものは、高値で取り引きされています。

ワインビネガーは家庭でかんたんに自作できる! ワインビネガーの作り方と注意点

自家製ワインビネガーの保存容器例

Alter-ego / PIXTA(ピクスタ)

ワインビネガーは家庭でも作ることができます。材料はワインと酢だけ。基本的な作り方と自作する際の注意点を見ていきます。

用意するもの

事前に用意するものは、ワインと酢、保存容器だけ。飲み残したワインでも作れます。

◇ワイン
赤・白どちらでも作れますが、酸化防止剤が使われていないナチュラルなものがよいといわれています。

◇酢
酸化防止剤やほかの調味料の入っていない生酢(きず)を使うのがポイント。米酢などの穀物酢のほか純リンゴ酢でも作れます。

◇保存容器
酢酸菌は空気に触れさせたほうが発酵しやすいので、保存容器は口の広いものがベター。雑菌が繁殖しないよう煮沸消毒するなど、事前に清潔な状態にしておきます。

ワインビネガーに使うワインは赤か白

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ワインビネガーの作り方

作り方はとてもシンプルです。

<基本的な作り方>
(1)ワインと酢を4:1くらいの割合で保存容器に入れます。
(2)キッチンペーパーや布など通気性のよいもので覆います。
(3)暗くて涼しい場所に2~3か月ほど静置します。
(4)表面に酢酸菌の膜が張ったら完成。液体だけ使います。

酸味が強いほうが好みの場合は酢の量を増やすなど、分量を調整してみてください。

ワインビネガーを自作したあとの注意ポイント

完成したワインビネガーは、必要な分だけ別の煮沸消毒済みの容器に移し替えます。冷蔵庫で保管して早めに使い切るようにしてください。

匂いや味が明らかにおかしい場合は、雑菌などによって腐敗した可能性があるので使用しないでください。カビが生えてしまった場合も、迷わず捨ててください。

なお、酢酸菌の膜などが残った容器に新しいワインを注いで置いておけば、再びワインビネガーができあがります。ワインの種類を変えれば、違った味わいをたのしめますよ。

ワインビネガーが活きる料理は? 赤・白別に紹介

ワインビネガーを使うチキンカチャトーラ

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ワインビネガーを活用した料理の一例を、赤・白別に紹介します。

赤ワインビネガー編

赤ワインビネガーは、煮込み料理や肉料理によく合います。

煮込み料理

鶏肉+トマト+赤ワインビネガーのレシピでもよく見かけます。

たとえば、チキンカチャトーラには、赤ワインビネガーを使うこともあります。また、オリーブオイルで炒めた鶏もも肉とトマト缶、玉ねぎやニンニクなどお好みの野菜と、赤ワインビネガーを一緒に入れて煮込めば、おいしい赤ワインビネガー煮のできあがり。豚肉のスペアリブ煮込みでも使われます。

肉料理に合うソース

赤ワインビネガーは、ローストビーフやチキンソテーなど肉料理のソース作りでも活躍します。赤ワインビネガーと醤油、ニンニク、みりん、お好みで砂糖やはちみつ、黒胡椒を加えて煮詰めれば、おいしいソースが作れます。ハンバーグを焼いたあとのフライパンでソースを作るとおいしいですよ。

白ワインビネガーのドレッシングはカルパッチョに合う

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白ワインビネガー編

白ワインビネガーは、ドレッシングやピクルスなどでたのしめます。

ドレッシング

白ワインビネガーと塩、砂糖やはちみつ、胡椒、おろしニンニクをよく混ぜ、オリーブオイルを混ぜて乳化させれば、白ワインビネガードレッシングのできあがり。サラダや魚介のカルパッチョ、マリネにも使えます。

ピクルス

白ワインビネガーと砂糖、塩、水、粒胡椒、赤唐辛子、ローリエなどを入れて温めたピクルス液に、好きな野菜をカットして漬ければ、白ワインビネガーピクルスが作れます。

ワインビネガーで作るビネガードリンク

セーラム / PIXTA(ピクスタ)

ワインビネガードリンクもおすすめ

ワインビネガーを炭酸水やミネラルウォーターなどで割って、ワインビネガードリンクにしてもおいしくいただけます。お好みで、大さじ1杯程度のレモン果汁やはちみつ、カットしたフルーツを加えれば、見た目も華やかなドリンクに。

フルーツを加えるときは、あらかじめワインビネガーとフルーツ、はちみつなどを容器に入れて混ぜ合わせ、冷蔵庫で冷やしておいて、飲む直前に炭酸水を注ぐとよりおいしくたのしめます。

ワインビネガーがないときに代用できる調味料は?

ワインビネガーは食酢で代用可能

taa / PIXTA(ピクスタ)

白ワインビネガーが家にないときは、大さじ2~3杯程度であれば、クセの少ない穀物酢や米酢などで代用できます。ただし、ワインビネガーよりも酸味が強い場合があるので、味見をしながら使うことをおすすめします。
料理にフルーティーさを足したい場合は、リンゴ酢でも代用可能。また、酢に少量の白ワインを加えても代用できます。

赤ワインビネガーがないときは、酢にウスターソースを加えて代用する人もいるようです。
また、酢に赤ワインを加えても赤ワインビネガーの代わりに。ブドウジュースも使えますよ。

ブドウが原料のワインビネガーには、ワインのように赤・白などの種類があり、さまざまな料理に活用できます。手軽にチャレンジしやすいワインビネガードリンクも含めて、その魅力をたっぷりたのしんでみてくださいね。

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