青森のビール【Be Easy Brewing】津軽弁を操る元米兵がホップ作りから手掛ける地ビール

青森のビール【Be Easy Brewing】津軽弁を操る元米兵がホップ作りから手掛ける地ビール
出典 : Be Easy Brewingフェイスブックページ

「Be Easy Brewing」はアメリカ出身のギャレス・バーンズ氏が、2016年に青森県弘前市で立ち上げたビール工房。津軽弁で名づけられたクラフトビールは国際品評会で数々の賞を受賞するなど、日本各地で注目を集めています。ここでは、「Be Easy Brewing」の特徴やこだわり、おすすめ銘柄などを紹介します。

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「Be Easy Brewing(ビー・イージー・ブルーイング)」は、元軍人という異色の経歴を持つギャレス・バーンズ氏が立ち上げた弘前のビール工房。その特徴と気になるビール銘柄をみていきます。

「Be Easy Brewing」は青森からビールの魅力を発信するクラフトビール工房

津軽富士の異名を持つ津軽の名峰「岩木山」

出典:Be Easy Brewing フェイスブックページ

「Be Easy Brewing」は、青森からクラフトビールの魅力を発信するブルワリー。まずはブルワリーの基本情報とオーナー兼ヘッドブルワーの素顔をみていきましょう。

「Be Easy Brewing」は弘前市郊外にある小さなビール工房

「Be Easy Brewing」は、さくらとお城とりんごの街、青森県弘前市からクラフトビールの魅力を発信するブルワリーです。

設立は2016年10月。りんごやイチゴ、津軽のお米など、青森で育まれる原料にこだわった独自のビールがファンの心をつかみ、その噂は全国へ。2022年1月にはユナイテッドアローズとのコラボレーションでも話題を集めました。

「Be Easy Brewing」のオーナー、ギャレス・バーンズ氏の素顔

「Be Easy Brewing」を立ち上げたのは、アメリカ出身のギャレス・バーンズ氏。

「Be Easy Brewing」のオーナー兼ヘッドブルワーのギャレス・バーンズ氏は、1984年にアメリカ合衆国のコロラド州フォートコリンズに生まれ、ペンシルベニア州フィラデルフィアで育ちました。地元の高校を卒業したあとは、アメリカ空軍に入隊。大学に通うかたわら、軍では爆弾処理班に志願し、中東にも派遣されたそう。

そんなギャレス氏が日本にやってきたのは、20歳のときのこと。青森県三沢市にある三沢基地に赴任したことで日本という国を好きになり、「ここで新しいことにチャレンジしたい」と22歳で軍を退きます。

その後は弘前で英会話講師として働くも、会社が倒産するなど紆余曲折は続きます。

そのころ出会った津軽三味線に夢中になり、大会に出場するほどの腕前にまで上達。一時はテレビに出演するなど、津軽弁を操るタレントとしても活動していましたが、「何か意味のあることをしたい」という想いから、クラフトビール造りの道を選択。アメリカや山梨でビールの醸造技術を学びました。

オーナー兼ヘッドブルワーのギャレス氏

出典:Be Easy Brewingホームページ

「Be Easy Brewing」のビールに人気が集まる理由

青森にはクラフトビールがほとんど浸透していなかったこともあって、順風満帆なスタートではなかったようですが、ビール造りを学んだあとは、自ら物件を探し、約1年かけて醸造免許を取得。醸造タンクも海外から取り寄せ、2016年秋、クラフトビール醸造所「Be Easy Brewing」とタップルーム「ギャレスのアジト」を同時オープンします。

以来、「おいしいビクラフトビールをたくさんの人に飲んでほしい」と、約150種のビールを世に送り出してきました。2020年には、青森市初の蒸溜所とクラフトビールのボトルショップ「Aomori Brew Pub(アオモリブリューパブ)」をオープン。国際的なクラフトビールの品評会でも数々の賞を獲得しています。

ちなみに「タップルーム」とは、ブルワリーに併設されたクラフトビールを提供するスペースのこと。「タップ」とはビールの注ぎ口のことで、「ギャレスのアジト」にはタップが12口並んでいます。

ギャレス氏は、FacebookやTwitter、InstagramなどSNSを活用した広報活動にも意欲的。最近ではYouTubeチャンネルも開設し、青森の魅力や他県のブルワリーを紹介するなど、情報発信にも取り組んでいます。

今では大阪や京都でファンによるイベントが開催されるなど、ギャレス氏の造ったクラフトビールは弘前から東京、そして全国へとその名を轟かせています。

「Be Easy Brewing」のクラフトビール造りにかけるこだわり

「Be Easy Brewing」のクラフトビール造り

出典:Be Easy Brewing フェイスブックページ

ギャレス氏のこだわりは、自らの畑で育てたホップや地元の食材を使ったビール造り。「Be Easy Brewing」のビール造りの理念に迫ります。

愛飲家の心をつかんだギャレス氏の心意気

ギャレス氏のこだわりのなかに、「青森ならではのクラフトビールを造りたい」という想いがあります。

ビールの原料には、りんごをはじめ、青森カシス、桃、梨といったフルーツから地産の蜂蜜、トマト、津軽の米など、青森の特産品を積極的に活用し、津軽弁や青森の地名を使ったネーミングを考え、一つひとつの商品に青森の魅力を盛り込むことで、青森のすばらしさを全国に伝えたい。あまり知られていない青森の魅力を、クラフトビールを通じて広めたい。「Be Easy Brewing」のビールには、そんなギャレス氏の想いが詰まっています。

「Be Easy Brewing」がこだわる「循環型生産」とは?

クラフトビール工房「Be Easy Brewing」とタップルーム「ギャレスのアジト」のオープンから1年経ったころ、ギャレス氏が着手したのは、環境にやさしいビール造り。ビール造りに欠かせないホップやタップルームで提供する野菜を自家栽培するべく、「Be Easy Farms」を立ち上げました。

「Be Easy Farms」で育てるオーガニック野菜の肥料には、ビールの醸造後に残る麦芽粕を畑で肥料として活用。環境にやさしい循環型の生産にも積極的に取り組んでいます。

醸造したてのビールを気軽に味わえるタップルーム&ブリューパブが人気

ギャレスのアジトのランチ

出典:Be Easy Brewingフェイスブックページ

「Be Easy Brewing」併設のタップルーム「ギャレスのアジト」と、青森市の「Aomori Brew Pub」では、醸造したてのビールを味わうことができます。

できたてのビールととれたて野菜が味わえる「ギャレスのアジト」

「Be Easy Brewing」の存在とともに気になるのが、タップルーム「ギャレスのアジト」。「Be Easy Brewing」で醸造したばかりの新鮮なビールを味わえる場所です。

定番の「デービス ペールエール」ほか、季節限定を含め、多種多様なクラフトビールがたのしめます。一部のビールは1リットルの専用の詰め替え瓶に入れて持ち帰りもでき、また350ミリリットルの缶ビールも販売しています。

「ギャレスのアジト」では料理も出していて、メニューには、「Be Easy Farms」で自家栽培した素材を使ったサラダやポテトをはじめ、こだわりの自家製ソーセージに薫製ベーコン、生地から手づくりのピザなど、ビールに合う料理がズラリ。県外から訪れる人も多く、豊かな時間が過ごせる場所として人気を博しています。

住所:青森県弘前市松ケ枝5丁目7-9-2F
(弘前駅城東口から徒歩20分/弘南バス「和徳東口」より徒歩3分)
TEL:0172-78-1222
営業時間:17:00~22:00 L.O.21:30
※現在は水曜~土曜のみオープン
※缶ビールの購入、グラウラー対応は9:00~18:00

ブリューパブ「Aomori Brew Pub」ならビールを買ってその場で飲める

2020年に国内各地のクラフトビールを扱うボトルショップとしてオープンした「Aomori Brew Pub」は、2021年夏にクラフトビールの醸造もスタート。ガラス越しに見える小さな醸造所で造られた新鮮なビールを味わうことができます。

また、世界各国、日本各地のクラフトビールのボトルも販売。購入したビールは店内で飲むこともできるうえ、クラフトビール造りも体験可能です。

住所:青森県青森市安方1-5-11 ギャレスビル2F
TEL:017-711-8254
営業時間:10:00~19:00(月曜定休)
※新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2022年いっぱいは休業予定。再オープン時期については、公式サイトまたは公式フェイスブックページにてご確認ください。

「Be Easy Brewing」のビールを通販でゲットして飲み比べ

「Be Easy Brewing」の一押しクラフトビール

出典:Be Easy Brewing フェイスブックページ

こだわりが詰まった「Be Easy Brewing」を、できれば弘前市のタップルーム「ギャレスのアジト」や青森市のブリューパブ「Aomori Brew Pub」で味わいたいものですが、現地へはなかなか行けないという人には、公式通販での購入もおすすめです。

ここでは、公式オンラインショップで買えるビールを紹介します。

青森エール - American Wheat

Be Easy Brewing「青森エール」

出典:Be Easy Brewingホームページ

青森県の20店舗でしか飲めないという「青森エール」は、「インターナショナル・ビアカップ2019」のKeg部門American-Style Wheat Beer without Yeast スタイルで銅賞を受賞しました。

小麦を使用したやさしい口当たりの1本で、クラフトビールに慣れていない人にとっても飲みやすい味わいです。

デビーズ ペールエール – Debbies Pale Ale

Be Easy Brewing「デビーズ ペールエール」

出典:Be Easy Brewingホームページ

「Be Easy Brewing」が初めて醸造したビール。ギャレス氏のお母さんの名前を冠した、とても思い入れのある1本で、一番人気の定番ビールでもあります。
ホップの強い香りと苦味が特徴で、後味までおいしく仕上がっています。

HANETO - Fruits Ale

Be Easy Brewing「HANETO - Fruits Ale」

出典:Be Easy Brewingホームページ

有名な青森の夏のお祭り、「ねぶた」にぴったりなフルーツエール。カシス、ラズベリー、イチゴを加え、全体の風味を支えるMosaic Hopを使用。ホップの個性とフルーツそれぞれの風味が感じられ、ほどよい苦味がフルーティーさを引き立てています。

日本を愛するアメリカ出身のブルワーによって、青森の地に、食とクラフトビールの文化が発展。その裏側にあるドラマチックなストーリーを知れば知るほど、ビールへの興味は広がるばかり。作り手の顔が見えるクラフトビールを味わうために、次なる旅先を決めるというのも素敵ですね。

製造元:Be Easy Brewing
公式サイトはこちら
公式フェイスブックページはこちら

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