世界的なウイスキーの会員制クラブ「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ」とは?

世界的なウイスキーの会員制クラブ「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ」とは?
出典 : Suslik1983/ Shutterstock.com

「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ」は、世界中のウイスキーラバーが集う、会員制ウイスキークラブです。今回は、ソサエティの設立の背景や入会方法、会員になるメリット、ソサエティ独特のウイスキーのたのしみ方などについて紹介します。

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「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ」の概要

「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ」の概要

Richie Chan/ Shutterstock.com

「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ」の設立

「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ(THE SCOTCH MALT WHISKY SOCIETY=SMWS)」は、1983年にスコットランドの首都エディンバラにある古い港町リースで設立された世界初のウイスキークラブです。

ソサエティ設立者のピップ・ヒルズと数人の仲間が、スコッチの一大産地スペイサイドで1樽のウイスキーを購入し、分け合ってたのしんだことが始まりといわれています。

加水もフィルターもかけられていないウイスキーの味は素晴らしく、瞬く間に評判となり、ソサエティ設立に至りました。

「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ」の入会要件

「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ」は、世界13か国に支部を置き、3万人以上の会員(ソサエティ・メンバーシップ)を有する、有料の会員制ウイスキークラブです。利用するには入会が必要で、会員になると市場に出回っていないウイスキーを購入できるなど、独自のさまざまな特典が受けられます。

2021年2月時点で、新規入会に必要な費用は10,000~22,000円(税込)。通常入会に加え、テイスティングボトルやウイスキーボトル、テイスティンググラスなどがセットになった、お得感のあるメンバーシップパックもいくつか用意されています。

公式サイトから入会手続きが完了すると、ソサエティIDが発行され、ログインすると会員用ページを閲覧できるようになります。また、後日ソサエティメンバーカードや入会キットが手元に届きます。

「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ」の魅力

「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ」の魅力

maeching chaiwongwatthana/ Shutterstock.com

樽出しのウイスキーを購入できる

ソサエティの会員になることで得られる最大のメリットは、加水もろ過もされていない樽出しのスコッチモルトウイスキーをたのしめることです。

ソサエティでは、「熟成されていたままのウイスキーを飲みたい」という設立当初からの方針のもと、本部の選定メンバーが各地の蒸溜所の協力を得て樽を厳選し、そのままボトリングしたものが販売されています。会員は、この貴重なウイスキーを購入できるのです。

一般に流通しているウイスキーでも加水調整されていない「カスクトストレングス」はありますが、それほど出回っていません。そのため、とくにウイスキー上級者にとって、さまざまな樽出しウイスキーを飲めることは大きな魅力といえるでしょう。

ウイスキーイベントに参加できる

会員は、ソサエティが開催するセミナーやトークセッション、テイスティング会などのプログラムに特別価格で参加できます。

たとえば、テイスティング会はオンラインでも開催されていて、販売されているウイスキーのサンプルを試飲できたりします。もちろん好みのフレーバーがあれば、サイトから購入することも可能です。

なお、バーで開催されるテイスティング会など一部イベントでは、会員以外の人が参加できるものもあります。その場合も会員は、優待価格で参加できます。

世界のパートナーバーで、会員価格でおいしい一杯を味わえる

ソサエティの会員は、高い基準をクリアしたパートナーバーを訪れた際に、会員価格でウイスキーをたのしめるのも魅力です。パートナーバーは世界中にあるため、日本だけでなく海外でも優雅なウイスキータイムを満喫することができます。

ほかにも、会報誌やブログ、メールなどでウイスキーの最新情報を入手できたり、ウイスキー以外のスピリッツを購入できたりする特典も用意されています。

「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ」のウイスキーのたのしみ方

「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ」のウイスキーのたのしみ方

ConstantinosZ/ Shutterstock.com

ブランドや評判にとらわれず、ウイスキー本来の味わいをたのしむ

ソサエティで販売されているウイスキーには、先入観にとらわれずにウイスキーを堪能できるような工夫が施されています。

ラベルに記載されているのは、蒸溜年月や熟成年数、瓶詰年月、アルコール度数、蒸溜所コード、樽番号が記載されているのみで、具体的な蒸溜所名や銘柄名などは明記されていません。また、ウイスキーは同じボトルに詰められているため、一見しただけではどの蒸溜所のウイスキーなのかがわからないのも特徴です。

こうした配慮によってウイスキー本来の味わいと向き合えるようになっているため、蒸溜所コードに対応する蒸溜所名は公開されていますが、まずは調べたりせずに飲んでたのしむことをおすすめします。

独自のカテゴリーとタイトルを頼りに好みのウイスキーを選んでたのしむ

ソサエティのウイスキーは、生産地や蒸溜所コード、熟成年数、価格のほか、フレーバーでも分類されていて、それを頼りに好みのボトルをセレクトすることができます。フレーバーカテゴリーは、「若々しく&軽快」「熟成感&濃厚」「重いピート」など12種類。ラベルやキャップも、独自のカラーで色分けされています。

また、それぞれのボトルには「霧に覆われた海岸」や「無限に飲み過ぎる」などのユニークなタイトルがつけられているので、そこから味わいを想像することもできます。

飲む人の感性で自由にウイスキーを満喫することが、ソサエティならではのたのしみ方といえそうです。

「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ」は、ウイスキーラバーが集い、ウイスキーのおいしさを共有する世界的なウイスキークラブです。興味がある人は、奥深いウイスキーの世界を覗いてみてはいかがでしょう。

※紹介した情報は記事執筆時点のものです。サービス利用時に変更になっている場合がありますのでご注意ください。

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