赤ワイン選びで覚えておきたい! 代表的なブドウ品種15種類

赤ワイン選びで覚えておきたい! 代表的なブドウ品種15種類
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赤ワインの原料である黒ブドウには多くの種類があり、品種によってワインの香りや味わいが異なります。代表的なブドウ品種とその特徴を知っておけば、ワインを選ぶ際に役立ちますね。今回は、赤ワインの代表的なブドウ品種を、生産国や地域ごとに紹介します。

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フランスの赤ワインを代表するブドウ品種6種類

フランスの赤ワインを代表するブドウ品種6種類

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フランスの赤ワインの特徴

フランスは「ロマネ・コンティ」などの世界的な高級ワインでも知られるワイン大国です。赤ワインの銘醸地として名高いボルドーやブルゴーニュをはじめ、コート・デュ・ローヌやラングドック・ルーション地方など、さまざまな地域で多様な味わいの赤ワインが造られています。

長い歴史を持ち伝統的な製法で造られるフランスワインは、アメリカなどのニューワールド(新世界)のワインと比べて、繊細で複雑な味わいが特徴で価格も高めとなっています。

フランスの赤ワインのおもな品種6種類

フランス原産のブドウのなかには、世界中で栽培され、「国際品種」となっているものも多くあります。ここでは、フランスの赤ワインを代表する黒ブドウ品種6種類のおもな特徴を紹介します。

【カベルネ・ソーヴィニヨン】

「黒ブドウの王」とも呼ばれ、ボルドーをはじめとして世界中で栽培されている品種。若いワインはベリー系の香りが強く、しっかりとした酸味や渋味が感じられますが、熟成することで旨味が増します。

【メルロー】

ボルドーをはじめ世界中で栽培されている人気の品種。ラズベリーやチェリーを想わせる香りがあり、渋味や酸味が穏やかです。果実味が強く、まろやかで口当たりのよいワインになります。

【ピノ・ノワール】

ブルゴーニュを代表する品種で、「ロマネ・コンティ」などの高級ワインを生むブドウとして知られます。ルビーのような明るい色調で、香り豊か。ほどよい渋味と豊かな酸味のあるワインになります。基本的にほかのブドウ品種とブレンドせず、ピノ・ノワール単一品種でワインに仕上げます。

【シラー】

コート・デュ・ローヌ原産の品種。ガーネットのような濃い色調で、果実味と渋味のバランスがよい味わいです。タンニンや酸味は強め。オーストラリアなどでは「シラーズ」と呼ばれます。

【カベルネ・フラン】

おもにロワールやボルドーで栽培される、カベルネ・ソーヴィニヨンの親に当たる品種です。渋味の強すぎない繊細な味わいが特徴で、メルローとブレンドされることもあります。ピーマンのような少し青っぽい香りがする場合も。

【ガメイ】

おもにブルゴーニュ南部やロワールで栽培され、ボージョレ・ヌーヴォーの原料として知られます。渋味が少なくフレッシュな果実味があり、軽やかな味わいのワインになります。

イタリアの赤ワインを代表するブドウ品種5種類

イタリアの赤ワインを代表するブドウ品種5種類

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イタリアの赤ワインの特徴

南北に長い国土の各地で個性豊かなワインが造られているイタリアは、近年では世界一のワイン生産量を誇ります。温暖な気候から生み出されるイタリアワインは、軽快で明るさのある味わいが特徴です。

イタリアワインには「気軽に飲めるカジュアルなワイン」というイメージがありますが、高級ワインとして知られる「バローロ」や「バルバレスコ」のような重厚な味わいの赤ワインもあります。

イタリアの赤ワインのおもな品種5種類

イタリアでは20の州すべてでブドウ栽培が行われ、数百種類もの固有品種があります。ここでは、イタリアワインを代表する黒ブドウ品種5種類のおもな特徴を紹介します。

【サンジョヴェーゼ】

トスカーナ州原産の品種で、「キャンティ(キアンティ)」を造るブドウとして知られます。ほどよい渋味と豊かな酸味があり、軽めのワインから長期熟成のフルボディまでさまざまなワインが造られています。

【ネッビオーロ】

ピエモンテ州で栽培される品種で、「バローロ」や「バルバレスコ」の原料として知られます。しっかりとした渋味とコク、果実味があり、長期熟成により魅力が引き出されます。

【バルべーラ】

ピエモンテ州原産で、北イタリアやカリフォルニアなどで栽培される品種です。色調が濃く、しっかりとした酸味と穏やかな渋味、完熟した果実味があります。

【モンテプルチアーノ】

アブルッツォ州をはじめイタリアで広く栽培されている品種です。濃い色調をしていて、ほどよい渋味と酸味のバランスがよく、料理に合わせやすいワインに仕上がります。

【アリアニコ】

おもにイタリア南部で栽培されている品種です。非常に強い渋味と酸味が特徴ですが、長期熟成させることで複雑なニュアンスのあるワインが造り出されます。

その他の国の赤ワインを代表するブドウ品種4種類

その他の国の赤ワインを代表するブドウ品種4種類

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オールドワールド(旧世界)のブドウ品種

オールドワールドとは、フランスやイタリア、スペイン、ドイツなどのEU諸国を中心とした、伝統的なワインの原産国を指します。
前述のフランスとイタリア以外にも、オールドワールドには人気の品種が数多くあります。その一部を紹介しましょう。

【テンプラニーリョ(スペイン)】

リオハ地区を中心としてスペイン国内で広く栽培されている品種です。しっかりとした渋味と穏やかな酸味があり、香り高く飲みやすいワインになります。

【ドルンフェルダー(ドイツ)】

ドイツで造られた交配品種で、伝統品種に劣らず高い人気があります。豊かな果実味となめらかなタンニンが特徴的で、フルーティーで口当たりのよいワインが造られます。

ニューワールド(新世界)のブドウ品種

ニューワールドとは、アメリカやオーストラリア、ニュージーランド、チリ、アルゼンチン、南アフリカ、日本など、ワイン造りの歴史が比較的新しいワインの原産国を指します。ニューワールドにも、魅力的な品種は多く存在します。代表的な黒ブドウ品種を紹介しましょう。

【ジンファンデル(カリフォルニア)】

カリフォルニア州を代表する品種で、赤ワインだけでなく「ホワイト・ジンファンデル」というロゼワインも造られます。豊かな果実味とスパイス香があります。

【マスカット・ベーリーA(日本)】

日本ワインによく使用される日本固有の品種です。色調は薄めで、甘い香りと豊かな果実味、やさしい口当たりが魅力の飲みやすいワインが造られます。

赤ワインの原料となる黒ブドウには、世界中で栽培されているものから特定の産地のみで栽培される固有品種まで、さまざまな種類があります。代表的な品種の名前と特徴を覚えておけば、自分好みのワインを探しやすくなりますね。

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