ビールを持ち運べる水筒「グラウラー」とは? その仕組みや、おすすめのブランドを紹介

ビールを持ち運べる水筒「グラウラー」とは? その仕組みや、おすすめのブランドを紹介
出典 : ALBERTO TOLENTINO / Shutterstock.com

「グラウラー(グロウラー)」とは、ビールを持ち運べる水筒のこと。炭酸を逃がさない密閉性と保冷性にすぐれた「グラウラー」があれば、ビールのおいしさを保ったまま好きな場所でたのしめます。今回は、「グラウラー」の特徴や用途、おすすめ商品などを紹介します。

  • 更新日:

一般的な水筒には入れられないビールも、「グラウラー」なら持ち運びが可能です。

ビールもOK!炭酸飲料用の水筒「グラウラー」とは?

注ぎたてのビール

Radachynskyi Serhii / Shutterstock.com

「グラウラー(Growler/グロウラー)」とは、ビールの持ち運びに活用できる水筒(容器)のこと。ビールをテイクアウトするマイボトルとして使う人もいます。

さっそく、「グラウラー」の基本情報とすぐれた点をみていきましょう。

ビールを水筒に入れるとどうなる?

お茶やコーヒーならともかく、本当にビールを水筒に入れて持ち運んでも大丈夫なのでしょうか。はたして、ビールの炭酸はキープできるのか、ぬるくなったりはしないのかなど、いくつもの疑問が生じます。これらの課題をクリアにするのが、「グラウラー」と呼ばれるビール向けの水筒です。

一般的な市販の水筒は、炭酸飲料を入れてはいけないとされています。

炭酸飲料とは、炭酸ガス(二酸化炭素)を含んだ飲み物のこと。グラスに入れて時間が経つと、液体に溶けていた二酸化炭素が気体になって空気中に抜けていきます。この現象が水筒のなかで起こってしまうと、密閉された容器のなかで気体となった炭酸の圧力が高くなり、蓋が開かない、内容物が吹き出す、蓋が飛ぶ、といった危険な事態を招きかねません。最悪の場合は破裂するおそれもあるといいます。

ビールの炭酸には人工的に吹き込んだものと発酵過程で自然発生するものがありますが、時間が経つと気体になって液体から抜けるのは炭酸飲料と同じ。したがって、ビールの持ち運びにも一般的な水筒は使えません。

一般的な水筒は炭酸NG

asu0307 / PIXTA(ピクスタ)

「グラウラー」ならビールを入れても大丈夫!

そこで役に立つのが、炭酸飲料を入れるために開発された専用の水筒です。

じつは、国内外の多くのメーカーが開発を重ね、また工夫をこらして、炭酸飲料を入れても開けやすく、炭酸が抜けにくく、また吹きこぼれたり破裂したりする心配がないような構造の水筒を開発しています。破裂や破損の心配がなく、炭酸が抜けにくいことが前提ですが、なかには長時間の保冷が可能な構造のものもあり、多様な用途に用いられています。

なかでも、ビールの持ち運びや詰め替え用に使われる水筒は「グラウラー」と呼ばれています。定義づけや、ほかの炭酸飲料向けの水筒と明確な違いがあるわけではないため、単にビールの詰め替え用容器を指す場合もあれば、炭酸飲料用の水筒を総称して「グラウラー」と呼ぶ場合もあります。

使い捨てのタイプもあるようですが、主流は洗って繰り返し使えるタイプ。密閉性や保冷性に富んだものが人気です。

「グラウラー」の用途とメリット

「グラウラー」のおもな用途とメリットを具体的にみていきましょう。

◆アウトドア向けエコグッズとしても活躍
アウトドア用に缶やビン入りのビールを持ち運ぶ場合、それらを冷やすクーラーボックスや保冷バッグ、氷などが必要になります。また、飲み終わったあとはゴミが出ます。
その点、「グラウラー」に入れてビールを持ち運べば、クーラーボックスや氷は不要になるうえ、ゴミの量も減らせます。

◆クラフトビールをタップから注いで持ち帰れる
量り売りのクラフトビールをタップからじかに注いで持ち帰ることができるのは、「グラウラー」の大きなメリット。ビールのおいしさをしっかりキープできるので、自宅でもお店の味わいをたのしめます。

◆ビールサーバー代わりに使えるものも
「グラウラー」の種類によっては、ビールサーバー代わりに使えるものもあります。自宅はもちろん、出先でも好きなときに理想の状態でおいしいビールが味わえます。

ビール用の水筒「グラウラー」の選び方

クラフトビールの持ち帰りも

MaxyM / Shutterstock.com

形状、素材、機能、大きさと、「グラウラー」のバリエーションは多岐にわたります。

◆素材はステンレスとガラスが主流
素材は、おもにステンレス製とガラス製の2種類。自宅の冷蔵庫で冷蔵しておくなら、比較的安価なガラス製でも大丈夫ですが、持ち運ぶことが前提なら、保冷力や耐久力の高いステンレス製がおすすめです。

ステンレス製はガラス製よりも値段は張りますが、サイズ展開も豊富で幅広い用途に活用できるのが魅力です。

◆持ち運びには真空断熱構造「ダブルウォール」、家飲みには「シングルウォール」
ステンレス製の「グラウラー」には、「シングルウォール構造」と「ダブルウォール構造(真空断熱構造)」があり、どちらを選ぶかによって、保冷力に差が出ます。「シングルウォール」はボトルの壁が一重構造のもの、ダブルウォールは二重になっているものを指します。保冷力が高いのは、ダブルウォールの「グラウラー」。壁を二重にして間を真空にすることで、冷たさを長時間保つことができます。

アウトドアでおいしいビールをたのしみたいときは「ダブルウォール」の「グラウラー」がおすすめ。

一方、おうちに持ち帰って冷蔵庫で冷やしておきたいときや、クーラーボックスに入れて氷で冷やしたいときなどは「シングルウォール」タイプのほうが適していますね。

ほかにも、注ぎ口がついたデザインや、持ち手がついたものなど、さまざまなタイプが流通しています。また、300ミリリットル以下の小ぶりなものから、大容量タイプまでサイズも豊富。炭酸が抜けにくいことが大前提ですが、密閉性についてもメーカーごとに異なります。スペックをよくチェックして、用途に合った「グラウラー」を厳選したいですね。

ビールの持ち運びに便利な水筒「グラウラー」のおすすめ銘柄

グラウラーのおすすめ銘柄

Lalandrew / Shutterstock.com

ビール専用の水筒「グラウラー」は、有名メーカーはもちろん、人気ブルワリーからもオリジナルの製品が発売されています。ここでは、おすすめの「グラウラー」を紹介します。

STANLEY「クラシック真空グロウラー 1.9L」|アウトドアに最適

クラシック真空グロウラー 1.9L(炭酸対応)

出典:STANLEY公式サイト

1913年に誕生したSTANLEY(スタンレー)は、すぐれた真空断熱技術と頑強さを融合させ、真空スチールボトルの原型を生み出したアメリカの老舗ブランド。高い耐久性と機能性、デザイン性を兼ね備えたラインナップは、アウトドアファンをはじめ多くの人に支持されています。

おすすめは、大容量タイプの「クラシック真空グロウラー 1.9L」。ヴィンテージモデルを再現した人気商品で、350ミリリットル入りの缶ビール約5本半分を持ち運ぶことができます。ハンドルつきなので片手でも注ぎやすく、また飲み口が広くなっているため手入れがしやすいのも魅力。保冷性が高く、アウトドアでは氷のストッカーとしても重宝します。

カラーはヴィンテージグリーン、シルバー、メープル、グリーン、ブラックの5色。ほかにも豊富なサイズの真空ボトルがそろっています。

商品名:クラシック真空グロウラー 1.9L
メーカー名:STANLEY
ブランドサイトはこちら

Hydro Flask BEER & SPIRITS 64 oz Growler|長時間おいしさをキープ

Hydro Flask BEER_グラウラー 64oz 1.9L

画像提供:アルコインターナショナル株式会社

Hydro Flask(ハイドロフラスク)は、アメリカ・オレゴン州生まれのステンレスボトルブランド。アメリカやハワイで爆発的に広まり、2017年に日本上陸。すぐれた機能性とデザイン性で、アウトドアシーンやスポーツシーンの注目を浴びています。

「BEER & SPIRITS 64 oz Growler」は、食器などにも使われる耐久性・耐錆性に富んだ18/8ステンレスを使用したダブルウォールのグラウラー。1.9リットルと大容量で、最長24時間の保冷&6時間保温可能と、アウトドア好きにはたまらない高スペック。キャップ部分に持ち運びや注ぎをラクにする超耐久性ハンドルがついているのも魅力です。

商品名:BEER & SPIRITS 64 oz Growler
メーカー名:Hydro Flask
ブランドサイトはこちら

タイガー「真空断熱炭酸ボトル」|サイズ&カラーのバリエーションが豊富

真空断熱炭酸ボトル

出典:タイガー魔法瓶株式会社

1923年の創業から100周年を迎えたタイガー魔法瓶。真空断熱技術と熱コントロール技術を活かし、魔法瓶から、炊飯器や圧力鍋などの家庭用調理器具までさまざまな商品を展開する国内メーカーです。

持ち運び用のボトルを振ってしまった場合に気になるのが、開ける際の炭酸ガスの噴きこぼれですが、タイガー魔法瓶の「真空断熱炭酸ボトル」には、炭酸ガスを先に抜く「炭酸ガス抜き機構」が備わっているので、ビールをこぼしてしまう心配がありません。また、ボトル内部で炭酸の圧力が異常に高まった場合は「安全弁」が作動するため、ボトル内のガスを逃がすことができます。

MTA-T型が0.5L/0.8L/1.2L/1.5L、MKB-T型が0.36L/0.48L/0.6Lとバリエーションが多く、カラーも豊富。おすすめは、ビールなどの冷たい飲料だけでなく、ホットにも対応しているMKB-T型。幅広い用途に活用できます。
※画像はMKB-T型 です。

商品名:真空断熱炭酸ボトル
製造元:タイガー魔法瓶株式会社
公式サイトはこちら

ビール用の水筒でおいしいビールをテイクアウト!

ビールサーバーからビールを注ぐ

siamionau pavel / Shutterstock.com

クラフトビールの人気が高まるにつれて、飲みたいビールの種類は増えるばかり。缶やビンの製品をお取り寄せするのもたのしいですが、量り売りをするお店もぜひ利用してみたいですよね。

マイグラウラーを手に入れたら、さっそく量り売りを行っているスポットへでかけましょう。
ここでは、都内で人気のお店を紹介します。

Liquor Shop NIGHT OWL

2014年に日本初のグラウラーショップとしてオープンした酒店。JR恵比寿駅西口改札より徒歩2分という好立地で、サーバーからの「樽生・量り売り」をメインに行っています。さまざまな銘柄の酒類&ノンアルコールが500円より試飲可能なので、実際に飲んでみて、気に入ったクラフトビールを持ち帰ってみませんか?

Liquor Shop NIGHT OWL(ナイトオウル)
公式サイトはこちら

TAP&GROWLER(渋谷・下北沢・恵比寿)

全国各地のクラフトビールを取り扱う量り売り専門店。コンセプトは「好きなスタイルで好きなだけ、クラフトビール体験を」。お店で飲んでも、「グロウラー」で持ち帰ってもよし。タップメニューは毎日替わり、国内ブルワリーのビールがメインとなっています。

現在、渋谷店、下北沢店、恵比寿店の3店舗を展開。店舗ごとに量り売りのルールが異なるので、詳細は公式サイトで確認してください。

TAP&GROWLER
公式サイトはこちら

ビールの量り売りについて、もっと知りたいという人は、ぜひ以下の記事も読んでみてください。

ビールのおいしさをキープしたまま持ち運ぶことができる水筒「グラウラー」。洗って繰り返し使えるタイプで、機能性や保冷性、デザイン性を兼ね備えた「グラウラー」を選べば、毎日のビールライフがさらにたのしくなりそうですね。

おすすめ情報

関連情報

ビア検(日本ビール検定)情報

ビールの基礎知識
広告掲載について

ビア検(日本ビール検定)情報

イベント情報

おすすめ情報

Ranking ランキング

おすすめの記事