山口の日本酒【貴(たか):永山本家酒造場】「癒しと米味」がコンセプトの純米酒ブランド

山口の日本酒【貴(たか):永山本家酒造場】「癒しと米味」がコンセプトの純米酒ブランド
出典 : 永山本家酒造場サイト

「貴」は、山口県の永山本家酒造場が醸す日本酒銘柄。香りを追求するよりも米本来の味わいを引き出すことにこだわったこの酒は、さまざまな料理に合う食中酒としても人気です。「癒しと米味」をコンセプトとする純米酒、「貴」を紹介します。

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「貴」は米の旨味が味わえる食中酒

「貴」は米の旨味が味わえる食中酒

jazz3311/ Shutterstock.com

「貴」は米本来の味わいを引き出した純米酒

「貴」は純米酒のみを揃えた日本酒ブランド。「癒しと米味」というコンセプトのとおり、ひと口飲めば、米本来の優しい味わいがじんわりと広がり、心が和みます。

「貴」は定番の「特別純米60」を筆頭に、料理の味を引き立てる食中酒として親しまれています。

たとえば、天ぷらや唐揚げ、アジアンフードには、山田錦の精米歩合をあえて80%に抑えて米の味わいを残した「濃醇辛口純米80」がおすすめ。豚肉を使った料理やハムには、酒造好適米「雄町」を使った「純米吟醸雄町50」、脂がのった旬のサンマには、10月1日「日本酒の日」に解禁される「ふかまり」が合います。料理と「貴」のペアリングをたのしむのも一興ですよ。

「貴」の蔵元は酒米作りにも力を注ぐ

「貴」は米の旨味を味わえる日本酒だけあって、酒米にも当然こだわりがあります。蔵元の永山本家酒造場では、兵庫県加東市松沢地区産の山田錦をはじめとした最高級の酒米のほか、広大な自家水田で丹精込めて育てた酒米などを使用して酒造りを行っています。

この酒米作りは、ヨーロッパのワイナリーを訪れた際に酒米作りへの思いを強くした5代目の現当主、永山貴博氏がはじめたもの。「ワインは土地(テロワール)から授けられた農作物の延長にある」という考えに共感し、日本酒造りに取り入れたのです。

国税庁醸造研究所でワイン造りを学んだあと、原料研究室で酒米の研究を行っていたという永山氏は、日本酒業界をリードする若き蔵元杜氏の一人として、広く知られています。

「貴」はカルスト台地から湧き出す水で仕込まれた辛口の酒

「貴」はカルスト台地から湧き出す水で仕込まれた辛口の酒

出典:永山本家酒造場サイト

「貴」をはじめ、酒造りに欠かせないのは上質な水

「貴」を醸す際に必要不可欠なもの、それは上質な水です。日本酒の成分の約80%は水。その硬度や成分の違いで、酒の味は大きく変わってきます。そのため酒造用水には、酒造りに適さない鉄・マンガン・亜硝酸性窒素などの成分量について、水道水よりも厳しい水質基準が設けられています。どんな水でもよいわけではないのです。

また日本酒の製造工程では、洗米、浸漬、仕込み水や、アルコール度数を調節するための割り水のほか、ボトルの洗浄などの工程でも水が使われています。そのため、酒造りには上質かつ大量の水が欠かせません。

「貴」の蔵元が選んだミネラルたっぷりの中硬水

永山本家酒造場が選んだ水は、秋吉台を源流とする厚東川の地下からくみ上げた中硬水。秋吉台は石灰岩が分布するカルスト台地のため、地下水にはカルシウムなどのミネラルがたっぷり含まれています。

カルシウムをはじめマグネシウム、カリウム、リンなどのミネラルが酵母の栄養となり、発酵を促進させます。そのため、酒造りにミネラル分を多く含んだ硬度の高い水を使うと、キレのよい辛口の日本酒に仕上がるといわれています。

中硬水を使う「貴」も、キレのある辛口純米酒です。永山本家酒造場が代々醸してきた銘柄酒「男山」と同じく、「貴」もまた、蔵元の辛口酒の伝統を確かに受け継いでいるのです。

日本酒の芳醇な香りと味は、きれいな水のおかげ

「貴」という銘柄名の由来とは

「貴」という銘柄名の由来とは

出典:永山本家酒造場サイト

「貴」の名は若き杜氏の名前から取ったもの

「貴」の蔵元、永山本家酒造場は、山口県宇部市の老舗蔵。明治21年(1888年)の創業時から、辛口の銘柄酒「男山」で知られてきました。

「貴」が誕生したのは、平成14年(2002年)のこと。立ち上げたのは、前年の平成13年(2001年)に蔵に入り、杜氏となった、現蔵元杜氏の永山貴博氏でした。

若き貴博氏は、懇意にしている広島県の酒商山田の代表から「1文字の銘柄に一日の長あり」というアドバイスを受け、自身の名前の1字を取って、この酒に「貴」と名づけました。その後、世に送り出された「貴」は、たちまち評判となります。

「貴」の蔵元は世界を見据え、日本酒の文化を見直す

「貴」を生み出した蔵元杜氏の永山貴博氏は、この純米酒の海外進出を進めています。輸出国は平成29年(2017年)時点で、フランス・台湾・韓国・香港・シンガポール・オーストラリア・カナダの7か国。このうち、輸出量がもっとも多い台湾では、飲み方や保存方法が学べる日本酒教室を開催しています。

一方で永山氏は、神道と深い結びつきのある日本酒が、日本人の生活から少しずつ離れていくことを危惧しています。平成31年(2019年)に農業法人を立ち上げたのは、稲作とも関わりが深い「神事のなかの日本酒」の役割を見つめ直すためでもありました。

世界を見据えながら、日本酒の文化を見直す蔵元は、「貴」の個性である「米味」をこれからも追究していくことでしょう。

定番酒から季節限定酒まで、「貴」のラインナップはすべて純米酒。最高級の山田錦を100%使用して3年熟成させた、「山廃純米大吟醸」などの最上級酒もあります。それぞれの商品に個性がありながら、いずれも米本来の旨味が味わえる純米酒ブランド、それが「貴」です。

製造元:株式会社永山本家酒造場
公式サイトはこちら

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